北海道で暮らす働くママの1日を追いかける観察ドキュメント「ママドキュ」。

 子育ても仕事も頑張りながら働くママさんたちのリアルな1日をのぞくと、限られた時間で家事・育児をこなす究極の時短ワザの連続でした。 


 今回の主役は、札幌市豊平区に住むひかるさん(32)。 5歳の しゅうとくん、1歳の りひとくんの兄弟を育てながら、クラフトビール職人 “ブルワー”として働くママ。

 千歳市に誕生したクラフトビールブランド「HOURS BEER」の代表も務めています。


 午前7時、ひかるさんの1日は子どもたちの朝食作りから始まります。

 豚汁は前の晩に作って準備。子ども用には氷を入れて冷まします。大人用の味付けだと少し濃いので、味を薄めることもできて一石二鳥。


 コストコの冷凍ストックも活用して7時30分には家族で食卓を囲みます。

 ご飯を口いっぱいに頬張る長男・しゅうとくん。

 次男・りひとくんは顔や洋服、あちこちにご飯粒が…。朝食を食べさせるだけで一苦労。できるだけ進んで食べてくれるように好きなものを出すようにしているそう。


 次男・りひとくんはヨーグルトが大好き。ひかるさんが愛用するのは、2年前に購入したヨーグルトメーカーです。

 「牛乳1本分くらいで作っているけれど、ペロリとなくなってしまう」とひかるさん。


 牛乳パックや豆乳パックに種となるヨーグルトを入れて混ぜ、本体にセットするだけ。7時間後にはヨーグルトが完成します。

 コスパの良さが魅力で、子どもたちもたくさん食べてくれるんですって。

 小学校の同級生だった夫のはやとさんとは、特に役割分担を決めていないそうですが、見事なコンビネーションで朝の支度を乗り切ります。

 ママが朝食を食べる間、パパは子どもたちの歯磨きを。ママが洗い物をしているときには、パパは子どもたちの着替えと、阿吽の呼吸。


 パパと子どもたちを送り出し、午前9時、ひかるさんが仕事へ出発。

 2025年5月に完成したクラフトビール工場が、ひかるさんの仕事場です。

 代々酒屋さんを営む家の次女として生まれたひかるさん。幼い頃からビールは身近な存在でした。


 24歳の時に実家の酒屋さんで働き始め、クラフトビールのバイヤーを経験。

 ビールの魅力にはまり、頑張った自分へのご褒美として毎晩ビールを楽しんでいたそうです。


 そんなひかるさんが自分でビールを作りたいと思ったきっかけは、妊娠と出産でした。

 「2年間ぐらいお酒が飲めなくて、やっと解禁日にクラフトビールを『きょうはご褒美で飲むぞ』と思って買ったけれど、それが飲み切れなかった。結構重くて、少しの苦みが子育てや家事、仕事をしている体に入ってこなくて、悲しいなって。せっかくご褒美で買ったのに悲しいなって思ったのがきっかけ。もっと毎日疲れている体に癒されるビールを飲みたいなと思った」とひかるさん。


 その思いが2026年4月、ついに形になりました。

 目指したのは、日々頑張る人に寄り添うやさしいクラフトビール。

 こだわりは小規模ブルワリーでは珍しく、ろ過をして雑味を抑えたこと。


 「お湯の量を少し減らして糖度を高く、甘さを残すビールを作っています」とひかるさん。

 3種類にはそれぞれ時刻が刻まれていて、食事に合わせたり、デザート感覚だったり、そのビールを味わう時間を想像した味わいになっています。


 ブルワーと呼ばれるビール職人は力仕事も多く、特に樽の中を洗浄する作業は女性にはかなりの重労働。

 帰る頃にはもうへとへとです。

 午後4時に仕事が終了。でも、働くママはここからが本番です。


 午後5時、子どもたちを保育園に迎えに。

 4月からお昼寝なしで1日を過ごす生活リズムに挑戦中の長男・しゅうとくん。まだ慣れないのか、この日はご機嫌斜めです。


 ご機嫌ななめの兄弟のために、コンビニでアイスを買うことに。ソフトクリームが大好きなんですって。

 2人を連れての買い物は大変です。

 ひかるさんは買い物を週末に済ませるようにしていますが、どれだけシミュレーションをして準備しても思い通りにはいかないもの。コンビニを出るときには、兄弟そろって泣いてしまいました。


 子どもたち2人を両脇に抱えて帰宅したひかるさん。早速、夕食づくりです。

 夕食は唐揚げ。鶏肉を買ったら下味をつけてすぐに冷凍。朝、冷蔵庫に移しておき、あとは片栗粉をまぶして揚げるだけです。


 「本当は揚げ物の時は抱っこしたくないんですけどね」と話すひかるさんですが、次男を抱っこしながら調理を続けます。

 簡単なお手伝いで機嫌をとりながら、なんとか夕食づくりを終えました。


 午後6時30分、夕食。

 黙々と唐揚げを頬張り、「もう一回食べたい」とおかわりする長男・しゅうとくん。

 他のことに気をとられ、なかなかご飯が進まない次男・りひとくん。


 そして、ママの膝を取り合う兄弟。

 いつか振り返ると宝物のような時間です。


 「きっと『ママ、ママ』って言ってくれるのは今だけ」と涙ぐみながら話すひかるさん。

 「葛藤はあったんですけど、どっちも後悔したくないなって。だから『ママ、ママ』って言ってくれる時は、ちゃんと一緒にいたいし…」と続けます。

 でも、今の自分にしか作れないビールがある。

 仕事と育児、その両方に全力で向き合うひかるさん。午後7時、自身が作った「7時のビール」を味わいます。

 「毎日がんばる人に、心と体をいたわる時間を提供したい」。疲れた体に優しく寄り添うビールは、働くママの思いが詰まった一杯です。

北海道文化放送
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