初夏の熊野川で、小さな命の奮闘が繰り広げられている。わずかな水を頼りに、高さ2メートルの堰堤をよじ登るアユたち。逆境に負けず川を上る魚たちの姿が、そこにあった。

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2025年の秋、川で生まれ海へと下ったアユが、この春、再び熊野川へと戻ってきた。体長はわずか5センチほど。それでも銀色の鱗を光らせながら、堰堤の斜面を懸命に登ってゆく。

雨の降らない日が続いたため、堰堤を流れる水は午後になるとほとんど消えてしまった。遡上を目指す魚たちに残された道は、流れの急な魚道ただ一つ。アユたちは激流の縁に集まり、遡上のタイミングをじっと伺っている。

川底を這って移動するヨシノボリたちも、同じ魚道を上っていく。小さな生きものたちが、それぞれの方法で流れに挑む様子は力強い。

しかし、川の上には試練が重なる。空腹を抱えた鳥たちが、魚道のそばで待ち構えているのだ。激流と天敵という二重の壁を前に、それでもアユたちは前へ進もうとする。

初夏の熊野川が映し出すのは、自然の厳しさとそこに生きる命のたくましさだった。

(富山テレビ放送)

富山テレビ
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