23年前の5月20日、大阪府熊取町で小学4年生だった9歳の吉川友梨さんが突然いなくなり、今も行方不明のままとなっています。

大阪府警は犯人の目的は断定できないものの、「未成年者略取誘拐事件」を想定し、捜査を続けています。

今回初めて、メディアに明かされた「捜査の状況」が書かれた資料には、周辺のあらゆる人たちへの聞き込み捜査の内容が事細かに記されていました。

そして捜査本部の班長は「1度も解決できないと思ったことはない。家族の元へ返してあげたい」と思いを語りました。

情報提供は、大阪府泉佐野警察署・捜査本部(072-464-1234)で受け付けています。

■「こんな短い区間で」わずか400メートルで消えた足跡

2003年5月20日、小学4年生だった吉川友梨さん(当時9歳)は、社会見学を終えて同級生3人とともに下校を始めました。

午後3時ごろ、同級生3人と別れた友梨さんは、一人で自宅へとつながる坂道を上り始めます。

坂の上で、同級生の男の子が友梨さんとすれ違い、声をかけました。それが、友梨さんの”最後の目撃”となりました。

最終目撃地から自宅まで、わずか400メートル。徒歩で5〜6分の距離です。

捜査を指揮した元大阪府警刑事部長の坂口正芳氏は、現場を訪れた際の衝撃をこう語ります。

【元大阪府警刑事部長 坂口正芳氏】「こんな短い区間でっていうのは衝撃ではありましたとにかく1日でも早く(友梨さんを)お返しするというのが最大の目的ですからそこに向けた捜査態勢づくりをした」

■「痕跡がない」 あらゆる可能性を追った捜査の壁

警察は行方不明翌日に公開捜査を開始し、その翌日には捜査本部を立ち上げました。

「初動から大きく」構えた態勢で、友梨さんの家族などに話を聞いて、誘拐事件を想定して対応に当たっていました。

当時の捜査を取材していた関西テレビの記者は「そこまで捜査が長引くような、解決が困難な案件ではないのかなと思っていました」と振り返ります。

しかし当時の記者たちが綴った取材メモには捜査関係者の「すべての可能性を潰すのはまだまだかかりますよ」と言う言葉が。

犯人の目的は見えてこず、警察は、「あらゆる可能性」を想定し捜査を進めることと
なりました。

■取材メモに記された「難航する捜査」

事故の可能性も考慮し、交通事故のプロフェッショナルも現場に入りました。

今回取材に応じた捜査本部の班長を務める森本浩史(ひろふみ)警部は、「『事故をうかがわせる痕跡はなかった』と、当時の資料にも記録されています」と説明します。

当時の取材メモにも、難航する捜査状況が記されていました。

【当時の取材メモ(2003年5月22日 発生から3日)】「いいものは出ていません。(Q.集まった情報は?)1つ1つ、つぶしていってますけど、これというのはないですね」。

【当時の取材メモ(2003年9月9日 発生から約4カ月)】「捜査が進まないんですよ…情報も集まってないですし」

メモの中には「『痕跡』が無い…。」と記されたものもありました。

■「1台1台、1人1人」延べ12万人を超えた捜査員の記録

今回、取材が許可された捜査本部の中には、友梨さんが行方不明となった当日の足取りが書かれた地図が張られ、棚には膨大な資料が並んでいました。

2026年5月10日時点でのこれまでに寄せられた情報提供は6378件。動員された捜査員は延べ12万189人にも上ります。

これまで行われた捜査はおよそ3万3000件に達しています。

【捜査本部班長 森本浩史警部】「当時の資料を見返しました。1台1台、1人1人、話を聞いて、『何時ごろここを通った』、『何時ごろ通ったときにはこんなのがあった』。そういった状況を1つ1つ確認を取っています」

■メディアに初めて明かされた資料に記録された「徹底した聞き込み捜査」

メディアに初めて明かされた当時の捜査資料には友梨さんの血液型や生年月日などが書かれていました。

そして聞き込み捜査の記録が事細かに記録されていました。

「出入り業者、新聞屋、牛乳屋」「目撃場所」

周辺への徹底した捜査がうかがえます。

しかし、「痕跡」はつかめないままでした。

■「クラウンが止まっていた」 浮上した不審車両

そして捜査が進む中、最終目撃地から自宅までの約400メートルの区間で、“ある不審車両”が浮上しました。

【捜査本部班長 森本浩史警部】「車の通行の邪魔になるような感じで、(トヨタの)『クラウン』が止まっていたので、『邪魔だな』と気になった。運転席に男が乗っていて、助手席に女の子が座っていたという状況」

しかし、現在に至るまで車両の特定には至っていません。

「不審車両の一つ」として捜査は続いています。

■「解決できないと思ったことは1度もない」

行方不明から23年。薄れていく記憶、採取できない物的試料、裏付けの困難さ。時間という壁は、捜査のあらゆる局面に立ちはだかります。

【捜査本部班長 森本浩史警部】「未解決事件という表現をされます。でも私が着任して、これまで1度も解決できないと思ったことはありません」

森本警部は、「解決の鍵は目撃証言」だと話します。

【捜査本部班長 森本浩史警部】「解決に至っている事例はほぼ間違いなく、目撃証言がカギとなっています。何としても友梨さんを発見して、ご家族のもとに返してあげたい、それだけです」

友梨さんは現在、32歳。あなたの“些細な記憶”が未解決事件を“解決へ”導くかもしれません。

(関西テレビ「newsランナー」2026年5月20日放送)

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