農家の高齢化が進み、担い手が減少する中、農業の仕組みを変えようと挑戦を続ける企業が仙台にあります。
企業が見据える農業の新たな形とは…
田んぼの上に広がる、数えきれないほどの太陽光パネル。
仙台市の農業法人舞台ファームが、今年3月、宮城県美里町につくった、「営農型太陽光発電」と呼ばれる設備です。
この設備の目的は、農地に太陽光パネルを設置することで、「農業」と「発電」を両立させることです。農家は発電した電気を売ったり、自分で利用することもできるため、収入アップに加えて、コストの削減も期待できるという仕組みです。
舞台ファーム・針生信夫社長
「先駆者として、ファーストペンギンとして色んな課題を受けて立って、しっかり改善をして、それをマニュアル化して、全国のコメ農家の皆さんに、エネルギーを作りながらコメをしっかり作れることを提案してお見せしたい」
舞台ファームが目指すのは、「農業」と「エネルギー事業」を掛け合わせた、『農エネ業』です。
舞台ファームは、5年前、この田んぼの隣に国内で最大級のレタスの生産工場を整備しました。
この工場では1日に4万から5万株のレタスを1年を通して出荷していて、栽培作業の9割が自動化されています。
さらに太陽光発電で機械を動かすための電気の8割をまかなうことによって、年間で8000万円の経費を削減できると見込んでいます。
舞台ファーム・針生信夫社長
「固定費である動力光熱費が異常に上がっているとどうしても価格に転嫁せざるを得ないので、こういう意味では大きく価格をあげなくても多くの皆さんに食べてもらえる可能性がある設備がオープンしたのは、価格にもしっかりコミットできる可能性があるので頑張っていきたい」
舞台ファームの針生信夫社長は、江戸時代から仙台で続く農家の15代目です。『農エネ業』への挑戦を続ける背景には、若き日に感じた「限界」がありました。
舞台ファーム・針生信夫社長
「地域の中でも最大級の農家として、大きな売り上げを出そうと父も毎日げきを飛ばしながらやっている中で特に長時間労働という効率的だとか付加価値が高いというのではなくて、肉体労働が他の家の2倍以上ということで…」
「これでは続かない…」人の労働力に頼るそれまでの農業の在り方に疑問を感じ、利益と効率を求める「産業としての農業」に方針を転換しました。
機械化、大規模化を進めながら売り上げを伸ばし、昨年度は47億3000万で15年前の「10倍」と急成長を続けています。
一方、国内では農家の担い手の減少が続き、去年の時点の農業従事者は103万6千人に。2005年の時点から120万人以上減少し、平均年齢も67.7歳と高齢化も進んでいます。
針生社長は近い将来、「農業もあらゆるものが電動化、自動化が進む」とした上で、「自らの会社で成功モデルをつくり全国に広げていきたい」と意気込んでいます。
舞台ファーム・針生信夫社長
「今、人間がトラクターに乗って田植えをしたり、稲刈りをしたりドローンを飛ばしたり、徐々に進化していますけど、私は10年後に70%、特にコメは80%以上自動化できると思うんです。アジア、アメリカ、ヨーロッパに行くとこれ5年くらい経ったらほとんど自動化に行く方向が見えるなと。我々のレタスの植物工場は現時点で90%が自動化ですから、あれが土地利用型(田んぼなど)に仕組み上拡張しているような形になると思うんです。我々舞台ファームが持っている考え方を多くの皆さんに広げて、社内でも次の経営陣にDNAを移植しながら、より進化しながら次の時代の扉を開けていきたい」
仙台から全国を舞台に…農業の仕組みを変える挑戦が続きます。