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プレスリリース配信元:株式会社テクノロジーズ
~蓄電池案件は「価格」と「利回り」だけでは判断できない段階に~

系統用蓄電池に関する重要情報を無料で公開する専門ニュースサイト「BESS NEWS」はこのたび、2026年5月15日開催の「第36回 産業構造審議会 グリーンイノベーションプロジェクト部会 産業構造転換分野ワーキンググループ」に掲載された資料をもとに、次世代蓄電池・材料・リサイクルの進捗をBESS実務目線で整理した解説記事『第36回 産業構造転換分野ワーキンググループ』次世代蓄電池は“性能競争”から“実装競争”へ~ 蓄電池案件は「利回り表」だけでは通らない時代に~』を近日公開予定です。今回のWG資料では、全固体電池、硫化物系固体電解質、低環境負荷型リサイクルなど、次世代蓄電池の社会実装に向けた進捗が確認されています。日産自動車は全固体電池の単層セルで1000Wh/L超を達成し、横浜工場のパイロットプラントで車載セル試作を進めています。出光興産は硫化物系固体電解質の量産検証へ進み、JERAと住友化学は非焙焼方式とダイレクトリサイクルを組み合わせた低環境負荷型リサイクルプロセスの実証を進めています。ただし、BESS NEWS本編では、今回の資料を「全固体電池がすぐに大量販売される」というニュースとしては読みません。むしろ、次世代蓄電池を、電池セル単体ではなく、材料、製造、サプライチェーン、保証、劣化、O&M、遠隔制御、撤去、リサイクル、責任分界まで含む産業資産として読み解いています。今回の記事は、制度資料を読むだけでは見落としやすい「BESS事業者・投資家・EPC・アグリゲーター・金融機関が次に何を確認すべきか」を整理した実務ガイドです。
目次
- BESS NEWSが今回解説するテーマ1-1. 次世代蓄電池は研究から量産前の実証へ進んでいる1-2. BESS案件は価格・利回りだけでは判断できない1-3. WG資料を実務DDにどう読み替えるか- BESS事業者が特に見るべき3つの論点2-1. 蓄電池は電池本体・材料・リサイクルの12テーマで進む2-2. 全固体電池・固体電解質・リサイクルはパイロット/連続化段階へ2-3. 予算見直しとステージゲートから支援対象の選別も見える
- BESS案件で実務上確認すべきこと3-1. 投資家・金融機関は保証、劣化後収益、撤去費用を確認する3-2. EPCは施工後の責任分界と安全性を確認する3-3. アグリゲーターは「容量」ではなく「制御できるか」を確認する
1. BESS NEWSが今回解説するテーマ
今回のBESS NEWS記事は、第36回WG資料を単に要約するものではありません。BESS事業者、EPC、アグリゲーター、金融機関、投資家が、次世代蓄電池の進捗を自社案件の判断にどう使うかを整理するための記事です。今回のWGでは、「次世代蓄電池・次世代モーターの開発」プロジェクトについて、環境変化、社会実装に向けた支援、追加・拡充、全体進捗、実施企業の取り組みが扱われました。実施企業としては、出光興産、日産自動車、JERA、ニデックが説明しています。BESS NEWS本編では、このうち蓄電池に関係する出光興産、日産自動車、JERA、NEDO資料を中心に整理しています。重要なのは、次世代蓄電池が「性能競争」だけでなく、「量産できるか」「安定供給できるか」「使い終わった後に資源として戻せるか」という実装競争に移っている点です。系統用蓄電池や低圧系統用蓄電池の導入が進むなか、投資家向け資料では、設備価格、想定収益、想定利回りが中心に説明されることがあります。しかし、蓄電池は、設備の中核である電池そのものが劣化する資産です。充放電を繰り返すことで、容量や出力性能は少しずつ変化します。そのため、BESS案件では、初期価格と想定利回りだけでなく、劣化後の収益、保証、交換費用、O&M、撤去・廃棄、リサイクル方針まで確認する必要があります。表面上の利回りが高くても、電池交換費用や撤去費用が抜けていたり、容量劣化による収益低下を見込んでいなかったりすれば、長期の投資採算は大きく変わります。2. BESS事業者が特に見るべき3つの論点

今回の資料でBESS事業者が特に見るべき論点は、次の3つです。
1つ目は、蓄電池分野が電池本体だけでなく、材料・リサイクルまで含めて進んでいることです。NEDO資料では、蓄電池開発5テーマ、材料開発4テーマ、リサイクル関連技術開発3テーマ、合計12テーマが整理されています。これは、国のプロジェクトが「新しい電池セルを作る」だけでなく、材料をどう作るか、使用済み電池をどう回収するか、回収した資源を再び電池材料として使える品質に戻せるかまで含んでいることを示しています。
2つ目は、全固体電池、固体電解質、リサイクル技術が、研究段階から量産前の検証段階へ進んでいることです。日産自動車は、全固体電池のパイロットラインで、単層セルにおいて1000Wh/Lを超えるエネルギー密度を達成し、車載用積層セルで充放電性能を確認したと説明しています。また、横浜工場のパイロットプラントでは、2025年1月から設備トライアルと車載セル試作を開始しています。出光興産は、硫化物系固体電解質の量産技術開発を担っています。全固体電池では、電池内部でリチウムイオンが移動する通り道となる固体電解質を、安く、大量に、安定した品質で作れるかが重要になります。出光の資料では、硫化リチウム大型量産装置と固体電解質パイロット装置の建設を決定し、小型実証設備からパイロットへのスケールアップに移行していることが示されています。JERAは、住友化学とともに、リチウムイオン電池の低環境負荷型リサイクルプロセスを開発しています。JERAは非焙焼方式の電池材料分離回収工程を担当し、住友化学がダイレクトリサイクル工程を担当します。資料では、ベンチ試験設備でKPIを達成済みであり、今後はプロセス連続化を検証する段階へ進むことが示されています。
3つ目は、予算見直しとステージゲート審査から、支援対象の選別も進んでいることです。資料では、プロジェクトの予算上限額について、1,510億円から1,518億円への変更案が示されています。一方で、ステージゲート審査の結果として、APBの全樹脂電池は2024年度で事業終了、日産自動車のダイレクトリサイクルは2025年度で事業終了とされています。これは、国の支援が「採択されたら最後まで続く」ものではないことを示しています。成果が見込めるテーマは継続・拡充し、見通しが弱いテーマは見直す。今回のWGは、次世代蓄電池開発の前進と同時に、社会実装に近いテーマを選別する動きも進んでいることを示しています。
3. BESS案件で実務上確認すべきこと
BESS事業者にとって、今回の資料は「全固体電池がすぐにBESS案件で使えるようになる」という資料ではありません。むしろ、蓄電池を長期に動き続ける事業資産として見るための実務資料です。投資家や金融機関にとっては、想定利回りの前提確認が重要です。電池保証は何年か、容量保証か出力保証か、保証主体は誰か、10年後・15年後にどの程度の容量維持率を見込むか、劣化による収益低下を織り込んでいるか、電池交換費用や撤去費用を誰が負担するか、使用済み電池のリサイクル方針があるかを確認する必要があります。EPCにとっては、施工後の責任分界が重要です。蓄電池案件は、設置できるかだけでは不十分です。施工後に停止、発熱、通信不具合、PCS異常、容量劣化などが発生した場合、電池メーカー、EPC、O&M事業者、アグリゲーターのうち、誰がどこまで対応するのかを事前に整理しておく必要があります。アグリゲーターにとっては、単に蓄電池の容量があることではなく、遠隔制御できることが重要です。SOC(充電残量)やSOH(電池の劣化状態)を取得できるか、PCS・EMSと安定して連携できるか、通信断やPCS停止、電池異常時に復旧できるかによって、同じ容量の蓄電池でも運用価値は変わります。ここでいうPCSは、蓄電池の直流電力と系統側の交流電力を変換する装置です。EMSは、蓄電池や発電設備をどう動かすかを管理するシステムです。BMSは、電池の状態を監視・制御する装置です。BESS案件では、電池セルだけでなく、BMS、PCS、EMS、通信、筐体、消防対応、O&M、アグリゲーター運用が一体となって初めて事業になります。
今回のBESS NEWS記事では、こうした実務上の確認ポイントを、一次情報に基づいて整理しています。
【記事内で参照した主な一次情報】
- 経済産業省「第36回 産業構造審議会 グリーンイノベーションプロジェクト部会 産業構造転換分野ワーキンググループ」- 経済産業省「資料4 自動車産業を取り巻く環境変化・社会実装に向けた支援の状況等」
- 経済産業省「資料5 『次世代蓄電池・次世代モーターの開発』プロジェクトに関する研究開発・社会実装計画(改定案)」
- 経済産業省・NEDO「資料6 グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発 2026年度WG報告資料」
- 経済産業省「資料7 説明資料 出光興産株式会社」「資料8 説明資料 日産自動車株式会社」「資料9 説明資料 株式会社JERA」
【重要なテーマ解説】
今回のテーマで最も重要なのは、次世代蓄電池を「性能が高い電池」としてだけでなく、長期に動き続ける事業資産として読めるかどうかです。日産自動車の全固体電池や出光興産の固体電解質には大きな進捗が示されています。ただし、今回のWG資料だけで、全固体電池の大量販売時期、販売価格、保証条件、BESS用途への適用可能性を断定することはできません。「パイロットラインで車載セル試作が始まった」ということと、「商用量産が始まった」ということは別です。また、今回のWG資料は、系統用蓄電池や低圧系統用蓄電池の収益制度、接続制度、調整力市場の要件を直接変更する資料ではありません。したがって、「今回のWGによってBESS案件の制度要件が変わった」と読むのは不正確です。BESS NEWSでは、WG資料が示す高性能化、省資源化、低炭素製造、リサイクル、サプライチェーン強化という方向性を、BESS案件の実務DDに落とし込み、保証、劣化、O&M、遠隔制御、撤去、リサイクル、責任分界として整理しています。【この記事は、こんな方におすすめです】
この記事は、次のような方におすすめです。・系統用蓄電池、低圧系統用蓄電池の開発・運用を検討している事業者
・BESS案件の投資判断、融資判断、アセットマネジメントに関わる金融機関・投資家
・蓄電池メーカー、PCS、EMS、BMS、通信、O&Mの責任分界を整理したいEPC事業者
・アグリゲーターとして、遠隔制御、SOC、SOH、PCS連携を確認したい事業者
・BESS案件の想定利回り、劣化前提、保証条件、撤去費用を確認したい担当者
・次世代蓄電池、全固体電池、固体電解質、リサイクル技術の実装状況を把握したい企業
・蓄電池を「設備」ではなく、長期に動き続ける事業資産として評価したい担当者
BESS NEWS本編では、これらの読者がすぐに使えるよう、今回資料の重要ポイントを一次情報ベースで整理しています。
【BESS NEWSについて】
BESS NEWSは、系統用蓄電池に関する重要情報を無料で公開する専門ニュースサイトです。制度改正、系統連系、電力市場、事業開発、EPC、調達、運用、金融・投資まで、実務に必要な情報を一次情報ベースで整理し、意思決定に役立つ形で発信しています。【公開記事】

BESS NEWS近日公開記事名:
『第36回 産業構造転換分野ワーキンググループ』次世代蓄電池は“性能競争”から“実装競争”へ~ 蓄電池案件は「利回り表」だけでは通らない時代に~
【WATT-TUNE株式会社について】
WATT-TUNE株式会社は、株式会社テクノロジーズグループである株式会社エコ革の100%子会社です。低圧系統用蓄電池をはじめとする分散型エネルギー領域において、情報発信、事業開発、運用体制の構築を通じ、実務と制度をつなぐ取り組みを進めています。【本件に関するお問い合わせ先】

会社名 :WATT-TUNE株式会社
所在地 :栃木県佐野市高萩町1322番地9
代表者 :代表取締役 青柳 福雄
事業内容:アグリゲーションフランチャイズ
URL :BESS NEWS https://bessnews.jp/
Mail :info@watt-tune.co.jp
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