置賜地方の特産品・コイを野鳥から守る取り組み。養殖池で育てるコイをカワウ・サギなどの鳥に食べられてしまう被害を防ごうと、AIを活用した“追い払い装置”の開発に向けた実証実験が長井市で行われている。
養殖池のそばに設置された監視カメラに写っていたのは、池のコイを丸のみするカワウの姿。
カワウやサギによる水産被害は、全国で年間数10億円規模に達していて、養殖を手がける業者にとっては深刻な問題となっている。
(高橋鯉屋・高橋太基専務)
「毎年5000尾を養殖池に投入している。2024年は1000尾しか残らなかった。5分の1まで食べられてしまっている危機的な状況」
このままの状況が続けばまさしく死活問題。
高橋鯉屋では、甚大な被害となった2024年に山形大学の研究チームに依頼し、AIを活用して自動で鳥を追い払う装置の開発に取り組んできた。
その仕組みは、カメラが撮影した画像からカワウやサギが判定されると、池の脇に設置したミラーボールなどの機器が自動で光を照射し、鳥を追い払うというもの。
装置を導入して以降、被害数は大きく減少し、人が直接追い払いに向かう回数が減ったことで従業員の負担も大きく軽減された。
そして、2026年からプロジェクトチームに民間企業2社が加わり、鳥の羽ばたきの音や池に降り立った時の音など、鳥の飛来を音で認識できる仕組みの確立に取り組んでいて、映像と音声を組み合わせたより精度の高いシステムの構築を目指している。
(高橋鯉屋・高橋太基専務)
「山形県・日本全体の内水面漁業や養殖事業者の“光”になると期待している」
開発が進むこのシステムは養殖業にとどまらず、クマ・イノシシへの対策にも応用できる可能性も秘めていて、今後の展開への期待が高まる。