パソコンを操作中に突然、けたたましいアラーム音が鳴り、画面がフリーズ。電源を落とそうにも操作できず大あわて。画面に表示された電話番号に急いで電話をかけると…。
『コンピューターを再起動しないで下さい』
操作を受け付けず固まったパソコン。画面に現れた電話番号に連絡すると、解決方法を教えてくれる‟サポートスタッフ”が登場する。ところが言われた通りにパソコンを操作すると、修理代などの名目で電子マネーをだまし取られる詐欺被害にあってしまう。そんな『サポート詐欺』を行う『かけ子』が、取材に応じた。

『あなたのコンピューターを再起動しないでください!』 突然、響き渡る警告音。音の主は、TNC報道取材部長のパソコンだった。

一体、何があったのか?「ニュースサイトを見ていたら突然、画面に警告文が現れ、全くマウスもキーボードも操作できなくなった」と本人が話す。

突然、パソコンの操作ができなくなり、不安をあおるような怪しい日本語のアナウンスが流れ続ける。『あなたのパソコンが、しまわれました。あなたのIPアドレスは、あなたの知識なしで使われました』。

画面に表示されたのはウィンドウズのサポート窓口と称する電話番号。これぞ典型的な『サポート詐欺』の手口なのだ。
『サポート詐欺』とは、インターネットを閲覧中に嘘のセキュリティ警告やサポート窓口の電話番号を画面に表示させ、連絡してきた相手からパソコンの修理代などの名目で電子マネーをだまし取る手口のこと。

福岡県警によると2025年度には県内で3982万円の被害があったという。

「私の名前はジャック・ウィリアムです」
表示された番号に記者が電話をかけてみると…。

『お客様、マイクロ…サポートセンターから話しています。ご用件をどうぞ』と男が電話口に出た。

「今、パソコンで音が出てきちゃって…と記者が客を装って会話を試みる。
すると相手は『お客様、心配しないで下さい。私は、マイクロソフトの方です。私は、お客様のパソコンで問題を説明します。変なことはしません。よろしいですか?』と丁寧な口調ながらも妙なイントネーションの日本語で応対してきた。

記者が「お名前を教えてもらってもいいですか?」と尋ねると、『私の名前は、ジャック・ウィリアムです。アメリカ人です。日本人じゃないです』と名乗る。

記者は手口を探るため、ひとまず“ジャック・ウィリアム”の指示に従う。『お客様、Windowsボタンが見えますか?□〇みたいなボタンが見えますか?』と説明を始める“ジャック・ウィリアム”。

記者が「僕の話を聞いてもらってもいいですか?」と話をさえぎるが、“ジャック・ウィリアム”は猶予を与えず、『お客様、Windowsボタンが見えますか?Windowsボタンとローマ字のRボタンを同時に押して下さい』としゃべり続ける。

「ウィリアムさん、僕にちょっと怒っていますか?」と記者が再度話しかけてもそれには答えず、キーボードを押すよう指示を出す‟ジャック・ウィリアム“。

実はこの『ウィンドウズ』と『R』のキーを同時に押す操作は、『ファイル名を指定して実行する』というコマンド。詐欺犯は言葉巧みに相手を操り、最終的には“パソコン乗っ取りソフト”などをインストールさせるのが狙いのようだ。

記者がのらりくらりとかわすと、『私の言う通りにして下さい!四角ボタンとローマ字のRボタンを同時に押して下さい』といらだち始めた“ジャック・ウィリアム”。記者は「なんで、こんな状況になったのか分からなくて。それだけでもウィリアムさんに聞きたいなと思ったんです」ととぼけた調子で話しかける。
それでは記者が指示に従わず、質問し続けると、電話口には、別の人物が現れた。
2人目の相手は『マイク・ミラー』
『もしもし、私は、マイク・ミラーです。どうぞ?』‟ジャック・ウィリアム”とバトンタッチしたのは、“マイク・ミラー”を名乗る人物。

「さっきの人と代わったんですね?」と尋ねる記者に“マイク・ミラー”が『さっきの人は忙しい。問題はなんですか?』と聞き返す。

「どうしてパソコンがこんなことになったんですか?これは、ウイルスとかですか?」と記者が質問すると、すかさず『これは、インターネット使ってる時は、お客様、あちこちどこに変な所にクリックしてしまいましたね?だからインターネットの方から、お客様、こんな変な画面が出てきます』と利用者の落ち度が原因だと匂わせる‟マイク・ミラー”。

記者も「ヘンなサイトとか見てないですよ」と言い返す。
最初に電話に出た‟ジャック・ウィリアム”と同様にこちらの不安をあおる2人目の‟マイク・ミラー”。電話の向こうでは広い室内で話す複数の人の声も聞こえてくる。

“マイク・ミラー”は記者の質問攻めをわずらわしく感じたのか、この後思わぬ行動に出た。(後編へ続く)
(テレビ西日本)
