物価高で家計の負担が続いていますが、暖かくなって来たこの時期は、お得に買える野菜が増えてきています。

一方で、生産者には頭を悩ませる事態が起きていました。


気温が上がり、春野菜の出荷も大詰めを迎えたこの季節。

◆記者リポート
「福岡市中央区の青果店に来ました。新鮮な野菜がたくさんありますが、見てください。こちらの新タマネギ、大きいかごに山盛りで、たったの100円です」

福岡市中央区の「かいぶつくん薬院店」では、4月はタマネギが1玉で税込み138円でしたが、九州産の新タマネギが多く入荷する今は一盛り約1.5キロで税込み108円に。

また、4月まで1玉200円以上していた大きなキャベツは税込み159円と40円以上安くなっていました。

◆飲食店経営の男性
「旬のものは今、新タマネギなので、新タマネギはお安いと思います。助かりますね。本当に助かります」

◆来店客
「(タマネギは)蒸し野菜とか炒めたり、何でもできるじゃない。サラダとか最高やろ、今」

毎年、田植えが始まる前のこの時期は、農家が野菜の収穫を急ぐため、出荷量が増え値段が下がる傾向に。

さらに、暑くなりすぎる前の今の時期は成長も良く、鮮度の良い野菜が手ごろに買えるということです。

◆かいぶつくん薬院店 篠原加代子店長
「キャベツも柔らかいし、新タマネギ、青物類、大根、新ジャガなど、そういったものが安くなってきています。今から、もうどんどん下がってきますよね」

一方、世界情勢の余波が深刻化しているのが、農業の現場です。

福岡県福津市の生産農家では、シーズンの終わりが近くなったイチゴのパックが影響を受けていました。

◆生産農家 桑野由美さん
「これはイチゴパックに敷くポリウレタンのスポンジ。以前購入した時は1枚4.4円だった。今回の見積もりでは8.5円になっていた。去年までは高くなかったので、ここにきて急に…」

イチゴパック1個につき1枚使用するポリウレタンの緩衝材。

ホルムズ海峡の封鎖で石油製品の供給不足が懸念されることから、直近の見積もり価格が前回の約2倍と大幅に値上がりしました。

今シーズン分の在庫はありますが、桑野さんは、生産コストを少しでも削減しようと、一部商品での使用を控えることを決めました。

◆生産農家 桑野由美さん
「近くの直売所向けは申し訳ないが、パックにウレタンを敷かず出荷させてもらっている。いまは加工用なので価格が安いから…」

石油製品の供給不足は他にも…。

◆生産農家 桑野由美さん
「このような袋(ポリ袋)があるんですが、いま製造休止しているようで手に入らない」

米粉商品を入れるためのポリ袋が品薄となっていて、取り寄せに苦労しているといいます。

◆生産農家 桑野由美さん
「通常であれば箱で5箱(50袋分)とか一気に仕入れている。現在は3袋、8袋、5袋といろんな仕入れ先から買い集めている」

さらに、雑草抑制や土壌の温度調整などを目的に畑や農業用ハウスで広く使用されている石油由来のシートも、手に入りにくい状態となっています。

◆生産農家 桑野由美さん
「どんどん値上がるので、“いま、いま、いま”という感じで発注をかけていたが、それが急に来ない。『数を少なくさせてください』と言われて本当に困っている」

終わりの見えない石油危機。

現場の不安は、いつになったら解消されるのでしょうか。

テレビ西日本
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