福岡・北九州市に住む小学生の双子ボクサーが、それぞれ全国ジュニア大会で連覇を果たし、『最強の双子』として話題となっている。将来はプロのボクサーとして世界を目指したいという兄弟を取材した。
全国大会連覇“最強の双子”ボクサー
“最強の双子”が練習しているのは、北九州市小倉南区にある『HKスポーツボクシングジム』。

小学生から還暦に近い人まで、幅広い世代の人達が日々、汗を流している。

この日、ジムのリング上で、シャドウボクシングをしているのが、小学6年の南覚馬君(11)と双子の弟、維馬君(11)の2人だ。2人は共に、ボクシングの『全国ジュニア大会』で2連覇を果たしているチャンピオンだ。

2014年生まれの南兄弟は、3歳から空手を始め、6歳からはキックボクシング。

そして、ボクシングの世界に足を踏み入れたのは、9歳の時だ。

兄の覚馬さんは、「ボクシングが一番自分に合っていたと思います。今までやった中で、一番結果がいいので」と話す。

大人と同じく体重別で階級が分かれているジュニアボクシングの世界。

2人はボクシングを始めて、わずか1年で、それぞれの所属する階級で全国制覇を達成。

その翌年も優勝し、見事、2連覇を果たしている。

優勝が決まった瞬間、弟の維馬さんは、「めちゃくちゃ嬉しかったです」と話し、兄の覚馬さんは、「僕は、『やったぜ!』みたいな感じでした」と、当時を思い返す。2026年は、3連覇を目指し、練習に励む日々だ。

そんな2人を指導する『HKスポーツボクシングジム』会長の桑原秀彦さん(51)は、「うちのジムの仲間同士で、ウエイトが10キロくらい上の選手とスパーリングをするのは凄い。将来、強くなると思う。体もでかくなってくるやろうし…」と、大きな期待を寄せている。

先輩“チャンプ”目標に夢は世界
南兄弟には、目標となる先輩がいる。同じジムに所属する岡本恭佑さん(22)だ。2026年3月に行われた日本フェザー級王座決定戦で新王者となった選手だ。

「2人は僕が小学校5年生の時より強いと思うし、期待している。やり続けることの大切さをもっと知って欲しい」と後輩の今後に期待する1人だ。

2人に共通するのは、お互いに負けず嫌いなこと。物心ついた頃から様々な場面で競い合ってきたといい、この日も対戦形式の練習で兄弟が互いの意地と意地をぶつけ合っていた。

第1ラウンドの勝者は、弟の維馬さん。第2ラウンドは、兄の覚馬さんが勝った。そして、第3ラウンドを終えて、会長の桑原さんが、「覚馬やね」と兄の覚馬さんの勝利を告げた。

『どっちが強いの?』という記者の質問に、「僕の方が強いと思う」と兄が答えると、すかさず弟の維馬さんが、「さっきは負けたけど、僕の方が強い!」と言い返す。やはり、負けん気が強い。正に、双子の兄弟は、互いにとって『最大のライバル』だ。

2人は週に2回、下半身を強化するための走り込みをしている。
トレーニングを見守るのは、父の治樹さん(50)だ。治樹さんは、ボクシング経験がなく、技術的なことは教えられないが、体作りで2人の息子を支えている。

「走るのが基本というか重要かなと思っているので、僕ができることは、スタミナ作りと瞬発力。その2つが身につけばいいと思って取り組んでいます」。この日は、コースを変えながら約10キロ走り込んで練習を終えた。

3連覇で約束の“ベルト”を
自宅に戻ると、兄弟はリラックスした様子で家族団らんの時間を楽しむ。

『チャンピオンベルト』を見せてもらおうと記者が父親の治樹さんに尋ねると、「チャンピオンベルトもあるんですよ。でも貰えるんじゃなくて、購入って形で…」と苦笑い。

優勝してもベルトは自腹購入。しかも、値段は、1本10万円と高額だ。

そのため双子の兄弟にそれぞれ、チャンピオンベルトを購入すると、20万円の出費となるのだ。それでもベルトが欲しい2人は、父親から『3連覇した時に考える』と約束を取り付けたと笑顔で話す。兄弟にとって憧れのベルトを手にするため、3連覇が大きな目標となっている。

2人に将来の夢を聞くと、兄の覚馬さんは、「最初は、アマチュアでオリンピックでメダルをとって、そこからプロに行って世界チャンピオンになりたい!」と既に、世界への思いは明確だ。弟の維馬さんも「アマチュアで成績を出してプロになって、世界チャンピオンになりたい!」と兄に負けじと世界を口にする。

同じ夢に向かい、成長を続ける南兄弟。“双子の世界チャンピオン”誕生に向け、今から期待が高まっている。
(テレビ西日本)
