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プレスリリース配信元:アリックスパートナーズ

―日米欧韓の自動車部品メーカー、SDV開発競争で中国に後れー

グローバル・コンサルティング・ファームのアリックスパートナーズ(本社:米国ニューヨーク、日本:東京都千代田区、代表:植地卓郎、以下、当社)は、「ソフトウエア・ディファインド・ビークル(SDV)に関する調査レポート」(以下、本調査)を発表いたしました。

グローバルなSDVの開発競争において、日米欧韓の自動車・自動車部品メーカーが、ソフトウェアの主要な技術領域(コントロールポイント)や、再利用、ライフサイクル全体での経済性などの観点において遅れを取っている実態が本調査結果から明らかになっています。その一方、中国の自動車メーカーやテクノロジー企業は、これら分野で一段と優位性や存在感を高めています。

本調査は、2025年11~12月の間に、米国、欧州やアジアの自動車メーカーに加え、ティア1サプライヤー、テクノロジー企業のCEOクラスを含む上級幹部1,000人以上を対象に実施しました。中国メーカーがSDVの技術力強化に集中投資する一方、その他諸国では、多くのメーカーが従来プラットフォームや複雑なシステムに経営資源を分散させ、結果、外部パートナーへの依存度が高まり、投資リターンの確保が困難になっています。また、サブスクリプション型ビジネスモデルへの顧客抵抗も強まり、有料機能の更新率は当初の想定を下回っています。

こうした変化はティア1サプライヤーにも大きな圧力をもたらしています。自動車メーカーの多くはクラウド・AI・コンピューティング・データ・ミドルウェアの各領域を内製化する方向にシフトしており、従来ティア1が担ってきたシステムインテグレーターの役割を自社で担うケースが増えています。その結果、ティア1サプライヤーはテックスタックのどの領域で存在感を維持するかという戦略的な選択を迫られています。

こうした背景には、主に3つの要因があります。
- 内製化率:SDV関連の内製化率は中国41%に対し、米国25%、欧州27%、日韓37%にとどまります。欧米メーカーは技術的な制約により、将来のアップデートや機能拡張のコストが膨らみやすく、競争力低下のリスクを抱えている。
- テックスタック戦略:中国メーカーの59%がソフトウェアを柔軟に更新できる「分離型スタック」を採用している一方、米国59%、欧州67%、日韓67%は継ぎはぎ型の単一基盤を使い続け、地政学的な脅威が高まる中で戦略上の弱点となっている。
- 車両アーキテクチャ:中国メーカーの39%がソフトウェア更新に適した中央/ゾーン型アーキテクチャを採用しているのに対し、米国60%、欧州67%、日韓55%は効率性の低いハイブリッド型にとどまる。

自動車メーカーの94%が、現在搭載するSDV機能のうち有料サービスとして顧客に提供できているものは半数以下と回答しており、主な障壁は技術的制約と顧客の抵抗感です。こうした状況を踏まえると、SDVの競争軸は「量産時点での機能数」から「車両ライフサイクル全体でのコスト競争力」へと移行しています。具体的には、ソフトウェアの再利用性向上、OTA更新の効率化、品質・保証対応の改善がカギとなります。この認識の差はR&D投資にも表れており、SDVにR&D予算の半分以上を配分しているメーカーの割合は、中国36%、日韓41%に対し、米国21%、欧州19%にとどまっています。

また、競争力を左右するプラットフォームレベルでのソフトウェア再利用を実現している割合は、中国の自動車メーカーが48%に達する一方、米国31%、欧州33%、日韓33%と差が開いています。業態別では、急成長するテクノロジー企業の39%が実現済みであるのに対し、世界のティア1サプライヤーはわずか19%にとどまり、競争上の苦境をさらに際立たせています。

アリックスパートナーズの自動車・製造業プラクティス日本チームリーダーでパートナー&マネージング・ディレクターである鈴木智之は、次のように述べています。
「SDVは『グローバル自動車産業の未来』です。しかしその主導権は、多くの人が認識している以上に、中国の自動車メーカーやテクノロジー企業に移りつつあります。しかも多くの場合、欧米・日本のメーカーやサプライヤー自身がその主導権を手放しているのが実情です。重要なコントロールポイントでの影響力を失えば、将来の選択肢が狭まり、コスト競争力が低下し、車両ライフサイクル全体を通じたSDVの恩恵を取り込むことが難しくなります。」

自動車&製造業プラクティスにおけるパートナー&マネージング・ディレクターであるヒマンシュウ・カンデルワル(Himanshu Khandelwal)は、次のように述べています。
「欧米・日本の自動車メーカーのほぼすべてがSDV機能の収益化に苦戦しているという現実は、多くを物語っています。SDVの本質的な価値は追加収益ではなく、R&Dから生産現場に至る企業全体の効率化にあります。5万~10万ドルの車両を購入した顧客は、OTAアップデートを当然のものとして期待していますが、実際に提供されているのはバグ修正が大半です。また、"ワールドカー"という前提も崩れつつあります。欧米や日本の自動車メーカーおよびサプライヤーは、単にビジネスケースを見直すだけでなく、オペレーティングモデルそのものを再考する必要があります。」

調査結果の詳細(英語)は、こちらをご参照ください。

【調査概要】
米国、欧州29か国、英国、中国、日本、韓国、インドにおいて、自動車メーカー、ティア1自動車部品サプライヤー、テクノロジー企業に所属するSDV関連の上級幹部(電気・電子アーキテクチャ責任者からCEOまで)1,002名を対象に2025年11月から12月に実施。

※本プレスリリースは、2026年4月8日に北米で発表されたプレスリリースの日本語抄訳版です。

アリックスパートナーズについて
1981 年設立。ニューヨークに本社を構える結果重視型のグローバルコンサルティング会社。企業再生案件や緊急性が高く複雑な課題の解決支援を強みとしている。民間企業に加え、法律事務所、投資銀行、プライベートエクイティなど多岐にわたるクライアントを持つ。世界 27 都市に事務所を展開。日本オフィスの設立は 2005 年。日本語ウェブサイトは https://www.alixpartners.com/jp/

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