東京電力は4月23日、福島第一原子力発電所2号機で初めて行われた圧力容器の内部調査で得られた画像を公開した。
内部調査が行われたのは4月16日で、ファイバースコープを用いて放射線量の測定や映像撮影を実施。原子炉圧力容器は格納容器の内側にあり、燃料棒を覆う“原子炉の本体”である。福島第一原発において、事故を起こした原子炉で、スコープを使った“圧力容器”内部調査が行われるのは初めて。

得られた画像には白い斑点のようなものが確認され、東京電力は「ダスト(塵など)が浮遊しているものと考えている」という。
圧力容器の内部には、燃料を覆っているステンレス製の“シュラウド”と呼ばれる構造物がある。東京電力によると、業務用の寸胴鍋のような構造物で、今回の調査ではこの“シュラウド”と圧力容器内壁との幅約38cm程度の隙間にスコープを差し入れた。東京電力は映像から「調査した範囲でシュラウドに大きな変形は確認できなかった」とした。
今後、画像処理などを行って、見えた構造物の特定などを行うという。

また、放射線量についてはセシウム137換算で最大で約4.7Gy/hだったという。スコープを約6m下に差し入れたが、約4mのところが線量のピークとなっていて「燃料デブリの位置の推定は難しいものの、事故を起こしていない通常の原子炉よりピークの位置が低い」としたうえで、「燃料は溶けているが、かなりのものが圧力容器の中に残っていないと、おそらくこういう傾向にはならない」「2号機の圧力容器にはかなりのものが残っているだろうという予想を裏付けるような結果にはなっている」と、一定の燃料が圧力容器内部に残存している可能性を示唆し、今後得られた結果を精査したいとした。

2011年の福島第一原発事故当時、1~3号機は稼働中で炉心に核燃料が格納されていたが、地震と津波で電源が失われたことで炉心を冷やす機能が喪失。核燃料が過熱し、金属やコンクリートを巻き込んで冷え固まったものが“燃料デブリ”となった。
2号機でもこの“燃料デブリ”が、圧力容器やそれを覆う格納容器の内部に残されているが、今もなお、強い放射線を発し続ける燃料デブリに人が直接近づくことはできないため、正確な位置や形状の全容は把握しきれていない。
2号機ではこれまで、格納容器内での燃料デブリの試験的取り出しを計2回実施し、合計約0.9gを採取した。一方、その中の“原子炉本体”圧力容器内部に残存する燃料デブリについては、必要な調査が実施できていなかった。

圧力容器の内部調査は、原子炉内の水位を測定するために使われている直径約2.5cmの配管を利用して、先端の直径が約5mmのファイバースコープを圧力容器の中に挿入した。
配管は一直線ではないため、格納容器の外まで作業員が近づき人力で慎重にスコープを押し込んでいったという。

福島第一原発での事故を起こした原子炉の調査をめぐっては、2026年3月、3号機の格納容器内で、“圧力容器”とみられるものが撮影されたことがある。
これは格納容器内に超小型の“マイクロドローン”を飛ばして行った調査で得られた映像から分かったもので、圧力容器の底と見られる部分には“つらら”のように付着物がつき、底部の断面と思われるものも見えたことから、東京電力は「圧力容器に穴が開いていると推定できる」としていた。また、本来は圧力容器の中にあるはずの構造物が落ちている状況も確認できた。関係者によると、「穴が開いているというよりは底が抜けているように見える」という。
東京電力はこれと今回の2号機の調査も比較して、「3号機の圧力容器にはかなり大きな穴があいていたが、2号機でも炉心部の中のものがかなり下に落ちていたら(今回の調査の)線量率の傾向が変わってくると思う」と違いが想定されるとしている。


福島第一原発に残る燃料デブリは1号機に279t、2号機に237t、3号機に364tの計880tと推計されている。
国と東京電力は2051年までの廃炉完了を掲げている。

福島テレビ
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