福井の建築文化を古くから支えてきたのが、福井市で採掘された「笏谷石」。ただ、現在は採掘が終了していて“幻の石”とも呼ばれています。こうした中、福井市の塗装業者がこの”幻の石”の粉末を活用した事業をスタートさせました。

江戸時代から足羽山で盛んに採掘された笏谷石は、青みがかった美しさで軟らかく加工がしやすいため、古くから基礎や石垣など県内の様々な建築物に利用されてきました。
 
ただ、安価な外国産の石材に押されて徐々に需要が減り、2000年ごろ採掘を終了。現在は建物などの解体に伴って発生する“廃材”のみとなっています。
   
福井市殿下町の塗装業者・石川塗装工業所は、笏谷石を塗料として活用する技術を開発しました。新規事業として始めた「笏谷ペイント」です。
 
長年培ってきた塗装技術を生かし、笏谷石独特の淡い色やざらついた風合いを残したまま吹き付け、アートパネルなどに仕上げる独自の技術です。

新規事業を模索する中、笏谷石を再利用した事業を展開する越前市内の企業の協力を得て、製品化にたどりつきました。
  
開発を先導した高村利貢さんは「笏谷石はかつて住宅の基礎などに多く使われていたが、近年は耐久性などの問題で使われる頻度が減っているというのを耳にして、笏谷石と塗装を組み合わせて新しい価値を見出せたらと考えた」といいます。
 
塗装に使うのは粉末状にした笏谷石と透明の塗料のみ。着色料は使用せず、笏谷石本来の色を表現します。
  
「印刷では表現できない本物の石を使った唯一無二の質感をそのまま再現して、現代の空間に取り入れることが最大の強み。(笏谷石の独特の色味を)残した状態で完成まで持っていく点がすごい苦労した」(高村さん)
  
社長の奥空優さんは、笏谷石の魅力をより多く人に広げたいと今後の展望に意気込みを語ります。
 
石川塗装工業所・奥空優社長:
「塗装を使って生まれ変わった笏谷石を少しでも多くの人に知ってもらい、残していけたら」

「笏谷ペイント」を生かした和テイストの製品は、温泉旅館や割烹料理店などでの需要を見込んでいます。
 
笏谷石を廃材として終わらせず、現代的な表現で未来へ残す新事業に期待が高まります。

福井テレビ
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