京都府南丹市で起きた男児遺体遺棄事件では、SNS上に容疑者の父親の国籍や勤務先などをめぐる誤った情報がSNSで拡散された。さらに、海外メディアがデマ情報を引用して誤報し謝罪、無関係な施設への風評被害も発生した。専門家は、不安や怒りから憶測に飛びつきやすい心理が背景にあり、複数の情報源を確認する重要性を指摘する。

SNS上に相次いだ様々なデマ情報

榎並大二郎キャスター:
京都府・南丹市の死体遺棄事件。11歳の安達結希さんが遺体で見つかり、捜査が続けられる中、SNSなどでは不正確な情報、いわゆるデマ情報が相次ぎました。なぜデマ情報は拡散されたのでしょうか?

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安宅晃樹キャスター:
まずはデマの中身を見ていきます。 逮捕された安達容疑者は日本国籍ですが、先週15日に台湾の一部テレビ局が「逮捕された養父は中国人か」と報道しましたが、その2日後、その情報が誤りだったと謝罪しました。
誤報の理由として、「日本の一部メディアが『少年の養父は中国人の疑いがある』と報じたという内容が SNSで拡散されていたため」と説明しています。
しかし、イット!がこの日本メディアの記事を調べると、このメディアではそのような記事を報じていませんでした。つまり、SNS上に広まっていたデマを報じてしまったということなんです。

山﨑夕貴キャスター:
大手メディアが謝罪する事態となりましたが、今後どのように対策をしていくのでしょうか?

安宅キャスター:
台湾のテレビ局は重く受け止めているようで、「内部の監督体制を強化し、ニュースの検証プロセスを徹底する」としています。

無関係の施設が“風評被害”に

さらにSNS上のデマは他にもあった。

安宅キャスター:
安達容疑者が、南丹市にある「有害鳥獣を処理する市の施設の職員」だったという“デマ情報”も広がりました。施設を名指しして、「施設で処理されたら、遺体も証拠も出てこないだろう」という内容で、この投稿は1830万回以上表示されました。

番組で施設を運営する南丹市に取材したところ、施設は市が地元猟友会に業務委託していて「常駐の職員はいない」「SNSでの情報は全くの虚偽です」としています。
しかし、影響も出ています。施設には、安達容疑者が逮捕される前の先週の月曜日(13日)から父親と「施設との関係性」について多くの問い合わせがあり業務に支障が出ているといいます。
さらにSNSでは、風評被害や誹謗中傷もあったといいます。市の担当者は、デマ情報に憤りを感じ「SNSで拡散された風評被害などが今後、再び掘り起こされ広がることに不安」と話していました。

三宅正治キャスター:
知人もSNSで施設のことをみたと話していました。
ただ、拡散することは問題が別ですね。実際に影響を受けている人たちもいます。

「不安が行き場を失い臆測に飛びつきやすい」

山﨑キャスター:
安達容疑者の年齢に関しても実際は37歳でしたが、逮捕前にネットでは「父親は24歳」といった誤った情報がありました。こうした“デマ情報”はなぜ広がったのでしょうか?

安宅キャスター:
社会心理に詳しい、筑波大学の原田隆之教授に聞きました。
子供の行方不明事案では、心配のあまり不安や怒りがわく一方、その感情が行き場を失うと、誤情報や憶測に飛びつきやすくなる…そういった心理をつき、再生回数目的でデマ情報を投稿する人も多くなるため、どんどん誤った情報が拡散されていくということなんです。

榎並キャスター:
当時は行方不明で安否がわからず、ついつい自分の子供だったらと思いを重ねた人も少なくなかったですよね。 

山﨑キャスター:
SNSを見ていても、事件の投稿をする人が多かったですね。

安宅キャスター:
では、こういった事件があった際に、どのように我々はデマ情報に気を付ければいいのかというと、「不可解な事件の際は情報に飛びつきやすい」という心理が働くことを知っておくことが大事なんです。
「情報源もひとつだけに頼るのではなく、複数でどのように報じているのかを確認する」有事の際は善意で拡散してしまう人もいるかもしれませんが、一度、止まってみることが大事だということだそうです。

榎並キャスター:
その情報が正しいのかどうか確認することが必要ですね。
(「イット!」4月21日放送より)

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