九州新幹線長崎ルートをめぐり国交省の水嶋事務次官は佐賀県の山口知事に「未整備区間のルート判断を留保した上での環境アセス」を提案した。また佐賀空港活用と九州新幹線整備の関係も議論したという。

「相互理解は相当深まった」

佐賀県の山口知事は4月16日、国土交通省の水嶋智事務次官を訪ね、非公開で約1時間面談した。

国交省を訪ねた佐賀県の山口知事(2026年4月16日)
国交省を訪ねた佐賀県の山口知事(2026年4月16日)
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整備方式やルートが決まっていない九州新幹線長崎ルート「新鳥栖-武雄温泉間」をめぐり、山口知事と水嶋事務次官は去年10月から面談を重ねている。

国交省 水嶋事務次官
国交省 水嶋事務次官

水嶋事務次官は報道陣に対し「相互理解は相当深まったと思っている」と今回の面談の印象を語り、協議の進展に意欲をにじませた。

「議論を進めるには次のプロセスへ」

佐賀県の山口知事と水嶋事務次官は「フル規格で整備する場合の財政負担の課題がある」との認識では一致している。しかし財源だけが問題ではない。
国やJR九州は「佐賀駅を通るルートがベスト」としているが、山口知事は「南側ルート」も議論していく必要性を主張している。

こうした主張の違いを踏まえた上で国交省の水嶋事務次官は、「議論を1歩前に進めていくためには次のプロセスに移っていく必要がある」と述べた。

「ルート判断を留保し環境アセスを」

議論を一歩前に進めていくための次のプロセスとは何か。
水嶋事務次官は、未整備区間のルートの判断を留保した上での環境アセスメント(環境影響評価)の実施を山口知事に提案したと述べた。

国土交通省 水嶋智事務次官:
「(環境)アセスに入っていくということが1つ大きなポイントと思っている。(ルートの)判断を留保した上で(環境)アセスをやっていくことはどうでしょうかと、私の方から(山口知事に)申し上げた」

また水嶋事務次官は、一般論とした上で「環境アセスには当然予算が必要になるので、概算要求に組み込んでいく必要がある。それに間に合うようなタイミングで意思決定をしていく必要があると思う」と今後のスケジュールについての考えに言及した。

佐賀空港と新幹線整備の関係も議論

今回の面談では佐賀空港の活用と九州新幹線整備の関係についても議論をしたことを水嶋事務次官は明らかにした。

国土交通省 水嶋智事務次官:
「九州北部、九州全体の話として、特に佐賀県の問題として佐賀空港をどのように活用していくか、佐賀空港の機能をどのように考えて空港を発展させていくかということについても(山口知事は)強い問題意識を持っているので、空港の活用と新幹線整備の関係についても議論をさせていただいた」

さらに水嶋事務次官は“一般論”とした上で次のようにも述べた。

国土交通省 水嶋智事務次官:
「佐賀空港が福岡空港の補完的な役割を発揮していくためには両空港のアクセスを改善していく必要があるのではないかと山口知事がおっしゃったので、それについては私もその通りだと思うと申し上げた」

一方、佐賀県の山口知事は「(並行)在来線(の問題)はJRとの関係もあるが、九州全体として九州佐賀国際空港をどうするのかという問題と、何よりも財源の問題、こういったことがある程度みんなセットになった時に初めて合意になる」と述べ、合意へのプロセスは“複雑な方程式”との見解を改めて示した。

佐賀県の山口知事
佐賀県の山口知事

今回の面談では国交省の水嶋事務次官が「ルートを絞らない環境アセスの実施」というボールを佐賀県の山口知事に投げた形だ。

次の面談の予定は決まっていないがゴールデンウィーク明けにも行われる可能性があり、佐賀県側がどのようなボールを投げ返すのか、協議の行方が注目される。

サガテレビ
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