【甲子園 雨の銚子商戦 「最高のボール」でサヨナラ負け伝説】

徳光:
甲子園(の初戦は)延長15回でしたよね。

江川:
はい。柳川で延長15回やりました。

[ 延長15回サヨナラ勝ち
江川 完投・被安打7・奪三振23・四球3・自責点1 ]

徳光:
柳川の試合なんか見ておりますと、思い出しますと明らかにストライクだなと思うんですけど、やっぱりもう球審が判官びいきで柳川の方に行っちゃってるんですよね。
江川さんにやたら厳しかったっていう記憶がありますね、私は。

遠藤:
2回戦の銚子商業で最後、延長12回のサヨナラ押し出しという。
ここまで銚子商業には、負けなしで来ていた。

江川:
これ、斎藤監督っていう銚子の監督さんが、江川卓に慣れさせるので、練習試合をいっぱい組んだんですよ、何回も何回も。
関東大会でも当たっているので、慣れてきているんですよね、向こうのナインが。速さとか、そういうものに、癖とかも。
それでやっぱり食いついてきて、夏だったし、こっちの疲労もあったんでしょうけど、やっぱりしぶとい打撃をしてきまして、それで結局延長12回で負けるわけですね。満塁になって押し出しするんですけど。

遠藤:
調子商業との最後のシーンといいますか、満塁で2 - 3になった時…。

江川:
3ボール・2ストライクなんですよ、今でいうとね。
フルカウントになった時に、僕タイムをかけまして、それでマウンドにみんな集まってもらって。

江川:
バラバラでしたから、マスコミの方に取材を受けた時にバラバラだったので、「ここで自分の思ったボールを投げたいんだ」って言ったら、1塁の鈴木っていう選手が、「お前がいたから甲子園、春も夏も来られたんだから、好きに終わっていいよ」って言ってくれたので、その時に1つになれた感じが僕はありまして。

江川:
その投げる瞬間は、「3年間で一番速いボールを投げよう」と思って、「ストライクを入れよう」って気はなかったんですよね、変なもんですけど。
それで一番速いボールを投げたつもりでいますね。
それがボールになって押し出しになるわけですけど、非常に自分の中では爽やかに終われたっていうか。

徳光:
雨の中でしょ、確か。

江川:
はい。でも、いい終わり方でしたね。

徳光:
雨の中でも爽やかだった?

江川:
気持ちよかったですね。
最高にいい場面があったと自分で思っていたので。

遠藤:
でも、ナインもうれしかったんじゃないですか。
そこで江川さんがタイムをかけてみんなを集めたっていう。

江川:
普通はそういう美談なんですけど、みんな仲悪いんですよ。
その瞬間だけ仲良かったんですよ。