石川県金沢市の繁華街で発生した連続ひき逃げ事件。亡くなった女性の遺族と同乗者3人との間で15日和解が成立した。遺族が石川テレビの取材に答えた。

19歳元少年が酒を飲んで連続ひき逃げ

2020年12月、金沢市の繁華街で連続ひき逃げ事件が発生した。当時19歳の元少年が酒を飲んで車を運転。香林坊交差点で1人をはねて重傷を負わせた。

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さらにそのまま運転を続け、100mほど先の片町1丁目の交差点で赤信号を無視して直進。太田久美子さん(当時78歳)をはね、そのまま逃走した。太田さんはその後、死亡が確認され、元少年には懲役14年の判決が確定している。

「同乗者の責任は認めない」地裁判決を受け遺族側が控訴

2025年9月、太田さんの遺族は同乗者や車の所有者にも責任があるなどとして、損害賠償を求め提訴した。金沢地裁は元少年に4800万円あまりの損害賠償を支払うよう命じた一方で、同乗者の責任は認めない判決を言い渡した。

この判決を受け当時、太田久美子さんの長男・裕之さんは「今回の裁判では同乗者や使用人に対しての責任は認められなかったんですけど、決して彼らに全く責任がないというわけではないと思いますので『自分たちは全然悪くなかった』とかそういう風には絶対思ってほしくないですし、母のことを絶対忘れないでほしいと思います」と話していた。

太田さんの長男・裕之さん
太田さんの長男・裕之さん

地裁判決を受け、遺族側は控訴。その後、名古屋高裁金沢支部から和解勧告が出され、協議を続けた結果、4月15日、同乗者3人がそれぞれ200万円の損害賠償を支払うことで和解が成立した。和解成立の翌4月16日、裕之さんは石川テレビの取材に対し「和解はあくまで裁判上の手続きであり、和解金は少しでも責任を認識させるためのものだった」と話したうえで、同乗者に対し今後も罪を償う姿勢を求めた。

95年の歴史に幕を閉じた老舗寿司店

さらに、この事件は裕之さんの仕事にも深刻な影響を及ぼした。金沢市片町1丁目の老舗寿司店「蛇之目寿司本店」。亡くなった太田さんは、この店で女将を務めていた。

事件後は裕之さんが店を切り盛りしていたが、体調不良を理由に2026年3月、閉店を決断。95年の歴史に幕を閉じた。裕之さんは「こんな形で店を閉めるとは夢にも思わなかった」と話した。運転手の元少年と車の所有者とはいまだ和解に至っておらず、6月10日に判決が言い渡される予定だ。

(石川テレビ)

石川テレビ
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