死因特定はなぜ困難?
京都府南丹市の山中で遺体が発見された安達結希さん(11)。
4月16日未明、結希さんの養父にあたる安達容疑者が遺体遺棄の疑いで逮捕され、殺害を認める供述も始めたと報じられている。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、東北医科薬科大学教授の法医学者・高木徹也さんがスタジオで解説。
4月14日に行われた司法解剖の結果や、捜査の行方を読み解いた。
■「死亡から日数がたっているため、特定も難しいかもしれない」
司法解剖で明らかになった主な内容は以下の通り。
遺体の身元は安達結希さん(11歳)と判明。死亡推定日時は3月下旬(21日〜31日)とされており、死因は”不詳”。刃物による大きな鋭利損傷は確認されず、着衣にも目立った損傷はなかったとされている。
死因が”不詳”とされた背景について、高木さんは次のように説明した。
【法医学者 高木徹也さん】「まずは死亡から日数がたっているようなので、もしかしたら最終的な特定も難しいかもしれません」
人が亡くなった後には腐敗や自家融解といった死体現象が生じます。さらに屋外に遺体があった場合、虫や小動物による死後の損壊も起こる。
高木さんは「死因に関する所見がどんどんマスクされて情報が消えてきてしまう」と述べ、軽微な損傷や死因につながる所見が”見えなくなってしまう”可能性を指摘した。

■「痕跡の残りにくい殺害方法もある」
安達容疑者が殺害方法を自供したとしても、司法解剖でそれを裏付けることは難しいのか。
高木さんは「殺害方法にも色んな方法があり、痕跡の残りにくいものもある」と語る。
具体的には、薬物・毒物による中毒死、あるいは口や鼻を手で押さえるといった方法を例として挙げ、「死体現象が進行した遺体から、それを断定的に証明するのは難しい」と説明した。
一方で、「刃物の傷や大きな骨折は、遺体が傷んでいても判明できる」とも述べており、今回そうした所見が確認されなかったことは、強い外力や刃物による損傷がなかったことを示している可能性があると指摘している。

■「意図的に移動させ、発見を遅らせていたのかな」
捜査では、安達容疑者が遺体を何カ所か移動させていたという情報も浮上している。
遺体が”落ち葉もかかっていない、あおむけの状態”で発見されたという情報について、高木さんは「意図的に移動させたのかな、いわゆる発見を遅らせたりしていたのかなという感じに思いますね」と率直に語った。
遺体の移動が現場に痕跡を残すかどうかについては、「毛髪や皮脂といった”微物”が場所に残留することで、そこに遺体があったと判断することは可能」と述べている。

■「ビニールシートやキャリーバッグを使えば、3週間後でも運搬は可能」
子供の遺体であっても、時間の経過とともに運搬が困難になるという点にも言及する。
「死後3〜5日ほどは死後硬直が起きているため、ご遺体は動かしやすい状態です」と高木さん。
しかし日数が経つにつれ腐敗が進み、体がやわらかくなり持ちにくくなるとともに、腐敗性の液体が漏出するため「そのままの運搬は難しい」と説明した。
ただし、「ビニールシートやキャリーバッグなどを使って隠して運搬すれば、死後3週間たっていたとしても運搬することは可能」との見解も示している。

■死亡推定日時の絞り込みは「非常に難しい」
現段階で死亡推定日時が「3月下旬」と幅広く示されている点について、高木さんは「遺体が置かれている環境によって大きく変化する」と述べる。
夏場と冬場の違い、雨や乾燥、さらには死因によっても腐敗の進行速度は異なる。
屋外で置かれていた場合、こうした「様々な要因が複合的に絡み合って、早い段階で死体現象が進行してしまう」とし、精度の高い絞り込みは困難だと語った。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年4月16日放送)

