皆さんは「デジタル女子」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?今回は「デジタル女子」を増やす岡山県の新規事業です。

(平井麻早美さん)
「他のママさんにももっとこの働き方が広がっていけば、もっと負担が減るのでは。この恩恵が皆さんに広がってほしい」

主婦の平井麻早美さんが話す「この働き方」とは完全リモートワークのこと。名古屋市にある建築関係の会社のパート従業員として、SNSでの情報発信やデータ分析、ウェブ企画の提案などを担当しています。

平井さんが暮らしているのは名古屋から約250キロ離れた岡山県和気町です。10年前、埼玉県から夫婦で移住し、現在は保育園に通う娘と3人暮らし。2026年2月、経営していた菓子店をたたみ、知人の紹介でリモートワークを始めました。

平日、1日8時間パソコンに向かい、月に20万円ほどの収入があります。昼の休憩時間、平井さんは夕食の準備を始めました。

(平井麻早美さん)
「仕事が一段落してトイレに立つタイミングで調理をしたり洗濯ものを取り込んだりできる。娘が保育園から帰宅した時に家が整っているのはかなり大きなメリット」

「デジタル女子」とは平井さんのようにリモートワークで収入を得られるデジタル技術を身に付けた女性のことです。こうした自由で多様な働き方ができる「デジタル女子」が人口減少の解決策の一つとして注目されています。

岡山県で加速する若い女性の県外への流出。県は2026年度、岡山で暮らしながら将来のキャリアを描ける環境を整えようと、デジタル女子の育成と就業を支援する新規事業に2640万円を充てることにしました。

(岡山県 伊原木隆太知事)
「我々自身が地域社会をもう少し女性にとって活躍・生活しやすい場所にすることで地元で就職しよう、家庭を作ろうということになる。地域の未来を考えても絶対やらなくてはいけない。これまで以上に今力を入れている」

「デジタル女子」の育成や就業支援には既に多くの自治体が取り組んでいます。2022年の愛媛県を皮切りに19の自治体と連携し、育成のための講座を開講しているのが東京のMAIAです。これまでに約3000人が受講しました。

(MAIA 月田有香CEO)
「デジタルスキルのニーズはうなぎ上り。世の中で必要なスキルを身に付けてもらい、社会に出て行ってもらうためにデジタルを学んでもらう」

MAIAの講座では企業で使われる様々なシステムやデータ・情報の管理、生成AIなどについて学びます。同時に企業への就業も支援。企業から支払われた報酬の総額は10億円を突破したということです。

岡山県が計画するのも同様の育成講座です。初年度は25人を募集し、講座修了生を対象にまずは県外企業への、そして来年度は県内企業への就業を支援する計画です。しかし、MAIAの月田CEOはデジタル女子の育成・就業を進めるためには乗り越えなければならない課題が3つあると指摘します。

★課題1 企業の環境整備

「月に80時間とか100時間しか働けない女性が働ける規程を整備していない企業が実は多い。企業が女性が働きやすい環境を作ることがまだまだ出来ていないのが大きな課題」

★課題2 女性の意識変革
「出産・子育てでいったん会社を辞め、ブランクがある女性は社会に戻るのにハードルを感じている。女性自身も働いたりチャレンジすることに積極的になってほしい。女性に自信を持ってもらう仕組みが必要」

★課題3 行政の就業支援
「学んだスキルを現場で活用した経験がない人は企業も採用しにくい。現場経験を積む仕組みが県や市町・国にあれば状況は変わるが整備されていないのが3つ目の課題。」

和気町のデジタル女子、平井さんも・・・。

(平井麻早美さん)
「1人だけリモートだとまだ疎外感を感じるのでリモートの人が孤立しないように企業の雰囲気や意識を変えてもらい、岡山でも『リモートが普通』という文化が広がれば良い」

急速に高まるニーズと環境の変化に地域や企業がいかに迅速に対応できるかが「デジタル女子」育成・支援事業成功のカギとなりそうです。

岡山放送
岡山放送

岡山・香川の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。