12日に行われた自民党大会で、陸上自衛官が制服を着用して国歌斉唱したことについて、14日の参議院外交防衛委員会で野党から批判が相次いだ。

立憲民主党の田島麻衣子議員は、約15分にわたり小泉防衛大臣と防衛省に見解を質した。

小泉大臣は14日の閣議後会見などで「当該自衛官は、職務ではなく私人として関係者からの依頼を受けて国家を歌唱したものと聞いている」と説明している。

田島氏は、国歌斉唱した陸上自衛官が着用していた制服が「通常演奏服装と呼ばれる非常に特別な服装に見える。これは、自衛隊の服装規定に基づくと、陸上自衛隊に限って言うと陸上幕僚長が指示すると書かれている。『私人として』というのは非常に難しいと思う」と疑問を呈した。

答弁した防衛省幹部は、「音楽隊の演奏服装については、自衛官服装規則第13条の2において『陸上幕僚長が演奏のため特に必要があると認めて指示するときに着用することができる』旨規定されている」としたうえで、「法令上、職務外において演奏服装の着用が禁止されているわけではなく、今回、私的な場面で演奏服を着用した事実をもって規則違反と評価されるものではない」との見解を示した。

自衛隊法は第61条で、「隊員は、政党又は政令で定める政治的目的のために、(中略)政令で定める政治的行為をしてはならない」と規定している。

自民党大会での自衛官の国歌斉唱について、小泉大臣も防衛省も「国家を歌唱することが政治的行為にあたるものでもなく、今回の件は自衛隊法違反に当たらない」との認識を示しているが、田島氏は「党大会というのは、党の最高意思決定機関だ。これが政治行為ではない、政治目的ではないというのはおかしい」と質した。

小泉大臣は、自衛隊法が規定する「政治的目的」について自衛隊法施行令第86条3号に規定の「特定の政党その他の政治的団体を支持し、又はこれに反対すること」であると示したうえで、「国歌を斉唱したことをもって、それが自衛隊法違反に当たることはない、政治的行為に当たることはないと判断をしている」と答弁した。

関連質問の最後に田島氏は、「自衛官の方々とのこうしたことについて、やはり私は抑制的に行動するべきであると考える」と意見し、小泉大臣はじめ自民党に対し「自制をお願いする」と釘を刺した。

続いて質問に立った国民民主党の榛葉幹事長は冒頭、小泉大臣に「お誕生日おめでとうございます」と声をかけたうえで「お誕生日なんですが、ちょっと一言申し上げなければならない」と切り出し、「大臣、我々政治家はね、与党野党関係なく、現場の自衛官と防衛省の職員守ろうよ。守ってやろうよ」と呼びかけた。

榛葉氏は、「現場は、部下は上官には逆らえないし、自衛官や防衛省職員は政治家に文句言えない。だから、我々がその分しっかりと現場の自衛官や防衛省の職員のことを思って守らないとダメだと思う」と訴えた。

さらに、自民党の鈴木幹事長が、党大会での自衛官の国歌斉唱について「個人的な依頼だった。個人に依頼をして、個人が受けた。個人の問題だ」と説明していることについて、榛葉氏は「これじゃあ、彼女がかわいそうだ。この3等陸曹は全く悪くない」と強調した。

そのうえで、小泉大臣が「伝達経路が悪かった。(自衛官が党大会で国歌斉唱するとの報告が事前に)私まで上がってこなかったのが問題だ」との問題意識を示していることについて榛葉氏は、「だとすると、個人ではなく組織の問題になる。誰が大臣に言わなかったのかと、犯人捜しになってしまう」との見方を示し、「現場の職員がかわいそうだ。これ、守んなきゃいけない。防衛省の職員も3等陸曹も全く悪くない」と改めて訴えた。

榛葉氏は、立憲・田島氏の質問に防衛省側が「国歌斉唱自体が政治的行為にはあたらない」との答弁を繰り返したことを踏まえ、小泉大臣に対し「ただ一言、『少し想像力がなくて自民党がおっちょこちょいでした。政治が悪かった。以後気をつけます』、以上ですよ。そうすれば、全く問題ない」と苦言を呈し、「もっと詰めたいことありますけど、今日は(小泉大臣の)誕生日なのでこれくらいにしたいと思う」と、この問題についての質問を締めくくった。

小泉大臣は「おっしゃる通りです。防衛省で起きた問題は、最終的には大臣の責任であります。そのことは、今回の点に限らず常に肝に銘じて向き合っておりますので、そこのところは全く同じだと申し上げておきたい」と応じた。

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