町長のハラスメント行為が問題となった佐賀県内2つの町の町長選挙。有田町ではセクハラが発覚した現職が“落選”。一方、吉野ヶ里町ではパワハラが問題となった現職が“当選”。明暗が分かれる結果となった。
セクハラの現職が立候補 有田町長選
現職と新人3人の選挙戦となった有田町長選挙。
政策の評価は当然だが、注目されたのはセクハラ行為が問題となった現職の松尾佳昭氏に対する有権者の判断だった。
当時、町長を務めていた松尾氏は、去年9月、出張先の宴席で酒に酔い、接客していた女性にセクハラ行為をしていたことが発覚。
議会は町長への問責決議案を全会一致で可決した。

その後、松尾氏は給料全額カットの上で町長を続ける。
そして今年3月、3期目に向け町長選への立候補を表明し、今回の選挙戦に挑んだ。

そして今年4月12日に行われた投票の結果は、町の元財政課長で新人の鷲尾佳英氏が5016票。現職の松尾佳昭氏が3164票。

セクハラ行為の発覚後に挑んだ町長選挙で、現職の松尾佳昭氏は約1850票差で落選した。
「失敗が結果に…ひしひしと感じる」
落選の結果を受けて松尾氏は次のように述べた。
有田町長選で落選・現職 松尾佳昭氏:
「この度は私の不祥事によりまして誠に申し訳ございませんでした。町民の皆さんに多大なるご迷惑、ご心配おかけし深くおわび申し上げます。大変申し訳ございませんでした」

自身の不祥事が招いた議会との対立や町民からの批判。結局、信頼を取り戻すことはできなかった。

有田町長選で落選・現職 松尾佳昭氏:
「本当に後悔のない選挙戦は戦えたと思いますが、やはり私の失敗がこれだけの結果につながったのかなというのを正直今ひしひしと感じているところであります」
パワハラ現職が当選 吉野ヶ里町長選
一方、吉野ヶ里町長選では同じくハラスメントが問題となった現職の伊東健吾氏が3回目の当選を果たした。しかし伊東氏の得票数は一騎打ちだった前回と比べ4割減少した。

吉野ヶ里町長に当選 伊東健吾氏:
「皆さん方のおかげでここに立てたということは、もっと仕事をしろと、私はそのように理解をいたしました。3人の得票を見て分かるように、これは私に対する批判票であります。これを十分に背負いながら私として町づくりを推進させていただきたい」

伊東氏をめぐっては、死亡した町の男性職員に対する発言が第三者委員会にパワハラと認定されている。

当選した伊東氏はパワハラ問題について次のように述べた。
「パワハラ問題はもうここで卒業」
吉野ヶ里町長に当選 伊東健吾氏:
「パワハラ問題はもうここで卒業させていただいて、あとは町づくりに、住民サービスに専念し、住んでよかったと言っていただけるような町づくりをやっていきたいと思っております」

“卒業”という発言の真意を報道陣に問われた伊東氏は次のように説明した。
吉野ヶ里町長に当選 伊東健吾氏:
「数えきれない仕事がありますので、やっぱりその量を考えると、まあそういう(卒業する)つもりで、ほかの部分が時間を取りながらやっていきたいという本当に正直な気持ちであります」
Q、パワハラの問題よりもほかの問題を優先したいということですか?
「いや、優先とか、そういうものを言わないでください」

「(パワハラ問題への対処を)やめるとか、そういう気持ちは毛頭思っておりません。だから仕事のひとつとして、当然、私は責任ある立場ですのでやっていきます。はっきり言いますけどやっていきます」

今回の町長選の投票率は有田町が69.70%、吉野ヶ里町が59.48%でいずれも過去最低だった前回を上回った。
町長のハラスメント行為が問題となった佐賀県内2つの町の町長選挙。
明暗が分かれる結果となったが、今後問われるのは政治への信頼であることは言うまでもない。
