中東情勢の悪化で原油の供給不安が広がり、価格も高騰する中、長野県内の温泉施設に影響が広がっています。佐久市の施設では、ボイラーを沸かすための重油が確保できず、4月8日から温泉の利用を休止しています。
有料老人ホームやレストランなどが入る佐久市の複合施設「のぞみサンピア佐久」。
施設には、地域住民も多く利用する「日帰り温泉」がありますが―。
(記者リポート)
「こちらの施設の日帰り温泉は、先週から入浴を休止しています。平日のこの時間は多くの常連客でにぎわうといいますが、きょうは温泉には誰もいません」
4月8日から、ある理由で、温泉の営業を休止しています。
のぞみサンピア佐久・中沢秀徳さん:
「燃料である重油が全く入ってこない状況になってしまった」
中東情勢の悪化で広がる原油の供給不安。
トランプ大統領は日本時間の4月13日、イランの港に出入りする日本を含む全ての国の船舶に対し、海上封鎖を始めると表明し、先行きは不透明さを増しています。
施設では、地下にあるボイラーで温泉を加温したり、老人ホームで使うお湯を沸かしたりしています。
使用する重油は、1日1000リットルほど。
ただ、3月ごろから、重油を仕入れている業者から注文した量が届かなくなったり、多く購入する取引先を優先するとの通告があったりして、安定した調達が見通せない状況だと言います。
また、重油の単価も高騰。1リットルあたり70円ほどでしたが、現在は倍の140円ほどに。
そのため、少しでも重油の消費を減らそうと、4月8日から、温泉の営業を休止しています。
4月14日も、知らずに常連客がー。
常連客:
「しょうがないかなという気もするが、なるべくなんとかしてほしい」
のぞみサンピア佐久・中沢秀徳さん:
「気持ちとしては一日も早く営業したいが、(燃料が)入ってこないことにはできない。何とか重油を入手して一日も早く温泉を再開できるように、下ばかり向いてられないので、前を向いて進んでいく」
影響は、県内の他の施設にも。松本市の温泉施設「瑞祥」は、4月6日から露天風呂の利用を停止し、営業時間も短縮しています。
1日に1000リットルほど使用していた重油の量を半分ほどに節約できるといいます。
担当者はNBSの取材に「今ある重油を大切に使いながら、客に楽しんでもらうしかない。重油が安定供給されることを祈るしかない」などとコメントしています。