「今でも走りそうな感じですよね」——立山連峰を背景に、かつての車両がそのままの姿で田園地帯に現れた。

立山黒部アルペンルートで約30年にわたり乗客を運び続けた、日本最後のトロリーバス。2024年11月に運行を終えたその車両が、4月14日、富山県立山町下段の古民家の敷地に運び込まれた。今月17日から一般公開される。

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14日朝(提供:坂口創作さん)
14日朝(提供:坂口創作さん)

部品調達の困難から引退、6台が解体業者へ

2024年
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立山トンネル内を走っていたトロリーバスは、部品の調達が難しくなったことを理由に2024年11月で運行を終了した。その後、高岡市の解体業者が6台を取得。残されていた1台を、立山町で農園・牧場・ゲストハウスを営む坂口創作さんが買い取り、自身が管理する古民家の敷地に設置した。座席などの内装は運行当時のまま保たれている。

「何とかして立山に残せないか」

坂口さん
坂口さん

坂口さんがトロリーバスの保存を決意したきっかけは、ラストランへの乗車体験だった。

「ラストランの年に乗せてもらって、これが日本で走らなくなるって聞いたとき、何とかして立山に残せないかなという思いが湧き上がって」

地域を盛り上げようと活動してきた坂口さんは、この古民家の敷地を農産物の販売や飲食も楽しめる手作りの「道の駅」——名付けて「立山ベース」として活用する構想を描いている。トロリーバスはその象徴として設置された。

立山の眺めとセットで楽しむ新スポットへ

「何よりも立山の眺めが素晴らしいところなので、立山とバスをセットで見られる場所ですので皆さんに遊びに来てほしいですね」と坂口さんは語る。

今後は利用者から保存協力金を募り、車両の維持管理を続けていく方針だ。立山黒部アルペンルートは4月15日に今シーズンの営業を開始する。日本の鉄道史に名を刻んだトロリーバスが、地元・立山の新たなシンボルとして再び活躍する。

(富山テレビ放送)

富山テレビ
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