名建築を後世へとつなぐ「一口家主」制度を取材しました。
長い年月を経て滑らかになった木のはりや、落ち着いた空間の連なる古き良き唯一無二の名作建築。
建てられたのは1876年だといいます。
kessaku・藤井智大代表:
こういう建物をしっかり保全し活用していこうと。我々の取り組みとして“一つの建物を365口”で分けています。
地域の大切な建築物を複数人で所有し、様々な人々を巻き込むことで建物のファンコミュニティーを拡大する新たな地方創生の形に迫りました。
京都の名所である五条大橋のほど近く、コンクリートの建物を横目に路地に入ると目に入ってきたのは、ひっそりとたたずむ古民家です。
kessaku・藤井智大代表:
内装はしっかりモダンな風になっているが、昔土間だった部分を残しつつ一段上がると和室。当時のように庭がしっかりあり、タイムスリップした感じで楽しんでいただける。
名建築での特別な滞在を味わえるこの物件。
特徴的なのは“複数人で共同継承”しているという点です。
建物ごとに所有権を365日分に小口化し、オーナーは購入した日数分だけ“旅先の我が家”として、使用しない場合は“宿”として貸し出すことができます。
藤井代表は「壊されて新しいものが建つのが多い中、こうして生き残っているもの自体、価値がある。そういったものをしっかり大事にしていきたい」と話します。
“小口化・共同所有”という発想は、地域の関係人口を増やすだけでなく“地域への愛着”など関わり方の変化も期待できるといいます。
「これから行ってみたいところだったり、その場所が“自分の所有物”になると、より違った視点での地域との関わり方がある。そういったところを提案していきたい」と、藤井代表は言います。
この日、「Live News α」が取材したもう一つの物件が、京都市内の壬生エリアにある築100年を超える町屋です。
現在改修中だという部屋の中には1977年のカレンダーが残されていました。
kessaku・藤井智大代表:
物件として30~40年“空き家”の状態だった。“本物としての質感”だったり、間取りだったり、しっかり残していきたい。
町家ならではの間口が狭く奥行きが長い特徴を残して再生し、多くの人を巻き込みながら運用することで歴史を紡ぐ建物へ。
藤井代表は「建築物が持つ歴史・文化・造りをつなぎ、後世に残す。それを介し、文化・地域の魅力を発信していける環境をつくっていければと思っています」と語りました。
名建築の共同継承プラットフォームは、地域に点在する建築遺産の活用が進まず、多くは空き家化しているという課題の解決も期待されています。