4月1日から導入された自転車の青切符制度。運用開始からわずか4日、新制度を悪用し、高校生から現金をだまし取る詐欺が発生しました。新生活の時期は詐欺との接触機会が増えるとの指摘もあがっており、専門家は若い世代を中心に注意を呼びかけています。

うその手口で高校生から現金だまし取る

4月から導入された自転車の交通違反に対する青切符ですが、運用開始からわずか4日で青切符制度を悪用した詐欺が発生しました。

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10日の「どうなの?」では、「新生活の詐欺注意!ターゲットは若者?」について見ていきます。

安宅晃樹キャスター:
自転車の青切符を悪用した手口、どんなものだったのでしょうか。
事件が起きたのは広島県の呉市です。被害に遭ったのは男子高校生で、2000円をだまし取られたということで、何が起こったのか詳しく見ていきます。
警察によると、4月4日土曜日に男子高校生が呉市で自転車に乗っていたところ、一人で立っていた男に呼び止められたといいます。男は年齢が50代くらいで、暗めの青色の作業服のようなものを着ていたということです。この男は、男子高校生に対して「手信号をしていない。4月4日から法が変わって手信号しないといけない。違反だから2000円を支払う必要がある」と迫ったといいます。すると男子高校生は、その場で実際に2000円を渡してしまったそうです。

榎並大二郎キャスター:
聞いてるだけで腹立たしくなるような話ですが、高校生も怖かったでしょうね。

安宅キャスター:
実はこの犯人の言葉、細かく見ていきますとおかしなところがあります。まず男は、4月4日から法が変わったと言っていますが、4月1日から変わっています。さらにこの手信号をしていなかった場合の違反ですが、2000円ではなく5000円の反則金になります。このように細かく見ていくと、変なところがあります。

山﨑夕貴キャスター:
冷静に見ればという話で、ただでさえ自分がもし高校生だったら、大人に何か言われたらドキッとして冷静ではいられないですよね。本当はその場で払う必要はそもそもないんですよね。

安宅キャスター:
本来ですと、警察官からその場で反則金を求められることはありません。納付書が渡されて、これを持って銀行や郵便局などの窓口に行って支払う。これが正しい手順です。

山﨑キャスター:
これはしっかり覚えておいたほうがいいですね。

遠藤玲子キャスター:
ただ私たちニュースでお伝えするときも、青切符違反の種類とかいろいろ細かい項目をお伝えしていても、実際に支払うときどうなのかというところまでは言われてみれば、しっかりお伝えしきれてなかったかもしれないなと思います。

安宅キャスター:
警察は高校生の年齢は明らかにしていませんが、16歳未満の場合には指導警告にとどまって青切符が切られることがないというのもポイントです。この春に始まった、こういった新制度を狙った手口、この時期は注意が必要です。
心理学が専門の中央大学の有賀敦紀教授によると、新生活が始まると環境が変わりますよ。知らない人との接触の機会や、知らない番号からの連絡を待たなければならない。そんなタイミングも増える。おのずと詐欺に遭ってしまうリスク、その接触機会も増える可能性があると指摘しています。

山﨑キャスター:
入社したばかりの石渡さん、どうですか?

石渡花菜キャスター:
今新学期だったり新生活を始めている方で、前までは家族に任せきりだった公共料金の手続きとか支払いって、いざ一人でやってみると分からないまま結局やってしまっているなという気はしていますね。

偽警察詐欺は若い世代に被害集中

安宅キャスター:
驚きですが、こんなデータもあります。近年特殊詐欺が増えていますが、若い世代が特にこの被害に遭っているある手口、それが“偽警察詐欺”です。

警察が犯罪の発生を確認した認知件数ですが、30代が最も多く、次いで20代ということで若い年代で多く被害が出ているということが分かります。なぜこの若い世代が被害に遭ってしまうのか。中央大学の有賀教授は神奈川県警などと共同で148人の大学生を対象に、携帯電話に詐欺の電話をかける実験を行いました。そのやり取りになります。

偽警察官役:
警視庁の捜査二課の山田と申します。特殊詐欺の被疑者を逮捕したんですけれど、犯人がAさんを共犯者だと言っています。

大学生Aさん:
いやいやいや、全く…

偽警察官役:
Aさん名義の預金口座に犯人がお金を振り込んでいるんですね。

大学生Aさん:
ええ!?はい…

偽警察官役:
犯罪収益移転防止法に抵触する恐れがあります。私も警察官であることを証明したいので、警察手帳の画像を送りたいと思います。Aさん名義の逮捕状も実は用意してあるので。

大学生Aさん:
たい…逮捕状ですか…お、え、はい!?

偽警察官役:
LINEのID教えていただければ

大学生Aさん:
画像…ビデオ通話みたいな。

偽警察官役:
そうです。

大学生Aさん:
ちょっと待ってもらっていいですか。(ID)確認します。

榎並キャスター:
実験だと分かっていても緊迫感がありますね。

山﨑キャスター:
私はだまされないはずだと思ってましたが、これで言われるとちょっと怖いですね。

榎並キャスター:
罪状とかを具体的に言われたら怖くなる。

安宅キャスター:
今ご覧いただいたのはデモンストレーションですが、実験の結果どうだったのかというと、148人に実験をして実際に電話に出たのは25人。そしてこのうち最終的には5人は個人情報を提供する直前までいってしまいました。
なぜそうなのか、有賀教授もリスクに対する危機感が予想以上に高かったというところは驚いていたわけですが、なぜ若者がそういったリスクが多いのかと言いますと、やはり詐欺への耐性というものがまだ十分ではない。そんな可能性もあると指摘しています。

榎並キャスター:
実際にああいう電話で警察官が捜査対象になったと伝えたりすることはないわけですよね。

安宅キャスター:
そうなんです。その辺りも警察庁はホームページ上で、偽警察詐欺をめぐって呼びかけを行っています。電話で捜査対象と伝えることや、メッセージアプリで連絡をすること。また個人のスマホにビデオ電話することなど、こういったものはいずれも詐欺であって警察はやらないと呼びかけています。

榎並キャスター:
新生活につけ込む詐欺もあるんだと、決して若い人も無縁ではないんだということを社会全体に伝えていかないといけないですよね。

新生活の詐欺注意、ターゲットは若者ですが、この時期は詐欺との接触機会も増加します。もし不審に思った場合は、直接最寄りの警察署に相談してほしいと呼びかけています。
(「イット!」4月10日放送より)