深夜の大合唱、タバコのポイ捨て、ゴミ出しルールの違反。全国で深刻化する「民泊トラブル」は、近隣住民の穏やかな日常を脅かしています。特に千葉県の浦安市や一宮町などでは、住民による反対運動も起きています。こうした中、大阪市長時代に民泊を推進してきた橋下徹氏は、規制強化だけではない新たな解決策を提言します。

■「苦情を言いにいける先がない」住民のストレス

自分の家の近くで夜中まで騒がれる、それが毎日続くとなると、住民が受けるストレスは計り知れません。「すぐに苦情を言える先がないというのが一番ストレスだと思う」と番組コメンテーターからは住民の苦悩に同情する声が上がりました。

本来、良識あるオーナーであれば、宿泊者に対して「夜何時以降は大声を出さないでください」といったルールを設け、いつでも連絡が取れる状態を保つものです。しかし、迷惑行為を放置するようなオーナーも存在するのが実情で、「まともなオーナーさんではないと思う」と、運営サイドの責任を問う意見も出ています。住民からは、罰則の強化など、より厳しい対応を求める声が上がっています。

■自治体では規制できない?法律の壁

「住宅街で民泊を行うこと自体を規制する条例を作るべきだ」という住民の声は切実です。しかし、そこには法律の壁が存在します。

住宅宿泊事業法第18条では、「騒音の発生や生活環境悪化を防止するために必要があるときは、都道府県や保健所が設置の市は、区域を定めて民泊の実施期間を制限できる」と定められています。しかし、番組で紹介された千葉県浦安市や一宮町はこれに該当しないため、自治体が民泊の営業自体に制限をかけることができないという決まりになっています。

橋下徹氏によると、民泊の指導は基本的に保健所や都道府県が担当しており、より住民に近い市や町の部署には担当がないケースがあるといいます。「ほんとは地域住民の一番そこの地域に近いところは町だったり市だったりですから、そこに指導の決定権を渡さなきゃいけない」と、橋下氏はルール変更の必要性を訴えました。

■橋下徹氏の提言「民泊区域に“お金”で還元を」

大阪市長時代に民泊政策を推進した橋下徹氏は、トラブル解決のために独自の提言をしました。それは、規制強化に加えて「民泊区域に還元を、特にお金で還元をする仕組みが必要」というものです。

橋下氏は、新しいことを進める際には問題が起きることを前提とし、「問題が起きたらきちっと対処する」という姿勢が重要だと語ります。その上で、住宅地域には民泊を設けないといった“ゾーニング”や、市町村への指導権限の移譲といった規制強化は必要だと認めました。

しかし、それだけでは十分ではないと橋下氏は指摘します。

■経済的恩恵と自治会支援のワンパッケージ

橋下氏が提言する「お金での還元」とは、具体的にどのような仕組みなのでしょうか。

「この民泊をやることで、うーんもちろん問題あるんですが、かなり潤ってる部分もあるんですよ、経済的に」と橋下氏は語ります。民泊の宿泊者が別の地域で飲食をするなど、地域全体で見れば税収が上がる効果があります。その増えた税収の一部を、迷惑を被っている民泊区域にきちんと還元する仕組みが必要だというのです。

例えば、多くの地域で財政的に厳しくなっている自治会の活動。その活動資金を支援するという形が考えられます。もともと民泊は空き家対策という側面もあり、民泊がなくなれば空き家が増える地域が出てくる可能性があります。

橋下氏は、「民泊をやりたいっていう地域はやっていただいて、その代わりきちっと自治会を支えるお金の支援もするっていう仕組みをワンパッケージで作らないといけない」と強調しました。

■トラブルは外国人だけではない?大阪市の調査が示す“誤解”

民泊トラブルというと、外国人が原因だというイメージが持たれがちです。しかし、橋下氏はこの点について「大きな誤解」があると指摘します。

「民泊のトラブルは外国人が起こしていると言われたが、大阪市のある調査によれば
日本人のほうが多いんですよ。民泊のトラブルは全て外国人が悪いんだというのは誤解だと思います」

民泊は、地域に経済的な恩恵をもたらす可能性がある一方で、住民の生活環境を脅かすリスクもはらんでいます。規制強化はもちろんのこと、「迷惑を被る地域への経済的還元」という新しい視点を取り入れ、住民の理解を得ながら共存していく道を探ることが求められています。

(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年4月8日放送)

関西テレビ
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