自民党で“派閥回帰”とも言える動きが加速している。勢力を増す麻生派に対し、福岡のもう1人の大物議員をトップとするグループが動き出した。これは派閥の完全復活の動きなのか?永田町取材で定評があるジャーナリストの鈴木哲夫氏がその背景を解説する。(2026年4月2日放送「報道ワイド 記者のチカラ」より)

次々と開かれる朝食会や会合の動き

2026年2月の衆院選で福岡9区から出馬し、比例復活で当選した三原朝利氏。この日、サインをしていた書類は『志公会の入会申込書』。志公会は、いわゆる麻生派だ。

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三原氏は「もちろん。麻生副総裁には、いろんなかたちでお力添え頂きましたし、今回、当選の暁には『必ず麻生先生のご指導の下で』とずっと思っていた」と話す。

自民党の裏金問題で、殆どの派閥が解散したのを横目に唯一、残る麻生派は選挙後、新人議員らを新たに加え、総勢43人から60人となり、党内での影響力を拡大している。

この状況に、息を潜めていたほかの旧派閥グループも慌ただしさを見せている。解散前までは最大派閥だった旧安倍派のほか、菅元総理のグループに所属していた議員たち、更に前回の総裁選で林芳正総務大臣を支持した議員らが次々と夜の会合を開催した。

“内部抗争”の火種にも発展か

そして、裏金問題によるまさかの落選から、今回の衆院選で返り咲きを果たした自民党福岡11区選出の武田良太・元総務大臣は「二階さんがいつも言っていたのは『政治は絶対に1人ではできないんだ』と。今までの派閥の形態とは全く違う、新たなる将来に向けての日本政治のロールモデルを我々が作り上げていこう」と4月2日に研究会を発足させた。

二階派で事務総長の経験がある武田氏がグループを引き継いだかたちで、党内には“事実上の武田派”として警戒する声も上がっている。

▼鈴木哲夫氏「僕は、復活への動きと言っていいと思いますね。取材をしている限りでは 明らかにそうですよね。一旦、派閥は解消されました。裏金問題があった派閥でお金がとんでもないことになって、当時、総理だった岸田さんが『解散だ』なんて言ったでしょう。その時は、自民党が数も少なかったのもあるけれど、こうやってまた数が増えてくると内部抗争にも発展していく。そういう流れがひとつ、あると思いますよね」

ポイントは「どこで食べたか?」

▼鈴木哲夫氏「それからあの時、なぜ岸田さんは派閥解散したのかと。あの時、問題になったのは、派閥が従来の政策集団の目的じゃなくて、お金だとかいろんなイヤなこといっぱいやっていた。 だから或る意味では、そこのルールを変えれば政策集団というのは、僕は『あり』だと思うんですよ。自民党の中は、右から左までいろんな政策があって、ぶつけ合うことでバランスが取れるわけだから。みんなが同じ方向じゃなくてね。だからそういう意味では政策集団はOK。お金の問題とかそういう派閥はダメ。そういう新しいグループを作れるかどうかというのがポイントです」

▼鈴木哲夫氏「そこを見るポイントがひとつあって、それは『どこでご飯食べたか』。会食の場所が、一流のナントカ店でね、夜、食べてる? いやそうではなくて、その辺の居酒屋みたいなところで3000円出してみんなで集まって、それならいいじゃないですか」

“お金と派閥”を国民は、しっかり見ていかないと“イヤな派閥”が、また復活してしまう恐れもある。

「派閥解消のきっかけを忘れてはならない」

▼鈴木哲夫氏「政策集団は、僕はいいと思います。武田良太さんも『絶対やる』と言っていましたからね」

派閥を作る本来の意味に則って、理想通り行けば必要なものという考え方もある。派閥解消のきっかけとなった理由と背景を常に忘れずに、活動を続けることが国会議員には肝要だ。

▼鈴木哲夫氏「派閥解消のきっかけとなった理由と背景。絶対忘れちゃダメですよ」

(テレビ西日本)

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