4月からは福島の漁業にも大きな変化があった。福島県内で水揚げされた水産物の検査体制が4月1日から大きく緩和され、市場からは期待の声も聞かれる。
■検査体制を緩和
朝からあいにくの雨で、大きな水揚げがなかった福島県相馬市の松川浦漁港。
しかし『浜の駅松川浦』では、メバルやアジなど旬のものが並び、きょうも福島県の内外から多くの人が訪れていた。
福島県内で水揚げされた水産物をめぐり、福島県漁連は2026年4月1日から放射性物質の自主検査体制を見直し。検査の対象をこれまでの297種から、過去10年間で一定の放射性物質が検出された54種に絞り、検査の頻度も「週に4日から5日程度」から「最低で週1回以上」に緩和された。
■安心・安全が広まるように
浜の駅松川浦でも、流通のスピードアップに期待している。副店長の佐藤和行さんは「常磐ものが安心ということを、皆さんにもっと伝えていただければ」と話す。
これまでの検査件数は10万件以上。相双漁協では、この膨大な結果をもとに検査の緩和が決定されたということへの理解が広まってほしいとしている。
相馬双葉漁業協同組合代表理事組合長の今野智光さんは「データを見ると、まだ3割弱の人たちがこの福島の魚には不安を持っている。福島ではこういう検査をずっと続けてきたという認知を皆さんに幅広くご理解いただければ」と語った。
**福島の漁業の状況を整理**
福島県の沿岸漁業は、原発事故後に一度操業自粛となり、そこから魚種を限定し、小規模な操業と販売を行う「試験操業」という形がとられていた。
これが2021年に終了し、現在は「本格操業に向けた移行期間」となっている。
2025年の状況を見ると、水揚げ量は震災前の約3割、金額は約半分となっている。福島県漁連によると「本格操業の明確な定義はないものの、これらの数字などを見るとまだ震災前の状態に戻ったとは言えない」として「移行期間」が続いている。
検査体制の緩和について、相双漁協の今野組合長は「ホシガレイなど獲れる量が少ない魚は、せっかく獲れても検査用になってしまって販売用に回せないこともあった。検査の対象が絞られることで、販売できる魚も増えるかもしれない」と話していた。
新鮮な「常磐もの」が消費者に届いて魅力が伝わることが本格操業への近道なのかもしれない。