鉄道の魅力を熱くお伝えする野川キャスターの「てつたま」です。
広島のデザイン会社、GKデザイン総研広島、略してGK-DSHのデザインイズムを辿って、今回も広島を飛び出します!それでは…
【叡山電鉄鉄道部 泉水晃運輸課長・野川キャスター】
「このデザイン、率直にどう思われました?」
「『ありえへんやろ』というのが本当ですよね」
千年の都、京都の叡山電鉄で出会ったありえへん観光列車『ひえい』。
前面の大きなリングが目を引くこの車両も、GKデザイン総研広島がデザインしていました。
さらに関西の大手私鉄、京阪電車にもその『イズム』が広がっていると聞き、車庫へ…と思ったのですが、腹が減っては戦はできぬ…撮影前に京都の街で腹ごしらえです。
【野川キャスター】
「お!名物の鯖寿司?いいじゃないですか。このお店に行ってみましょう」
京阪電車との乗換駅、出町柳駅を出発。
出町桝形商店街を目指します。
その道中…
【野川キャスター】
「非常に(鴨川デルタ)いい場所ですよ。私、大好きなんですよ、癒されるんですよね。京都らしさを存分に感じられる。川べりに座ってお弁当食べたりすると、本当にね、いい気持ちになれますよ。あ!いいものがあります。見てください。「鯖街道口」。お昼を鯖寿司にしようという決め手になったのが、まさにこの「鯖街道」なんですよね。日本海でとれたサバが塩漬けをされて。当時、江戸時代だと日持ちがしませんから、塩漬けをして山を越えて運んできて、都に入って。京の皆さんが美味しくいただいたということで。京都の街とサバは切っても切れない関係があると」
福井県から続く鯖街道の終点近くにある出町桝形商店街には、昔ながらの庶民派のお店が軒を連ねます。
満寿形屋は創業100年を超える町食堂で、名物の鯖寿司を求めて行列が絶えない人気のお店です。
【野川キャスター】
「まずこの見た目ですね。薄い昆布がかかって、断面のサバの分厚さと・・・また美しい色です。芸術品のような鯖寿司ですね。いただきます。これは…たまらなく美味しいですね。歯を入れた瞬間にすっと切れる柔らかさ。お酢の入り方がとてもまろやかで、酢じめされて引き出された旨みがたっぷり感じられながら、フレッシュなサバの魅力も存分に残っている。私の持っていた鯖寿司の概念が変わるような…見た目もですけど、本当に味わってみても芸術品のような、びっくりしますよ」
そしてセットのおうどんは…
【野川キャスター】
「お出汁…美味しいですね。このお店も百年以上の歴史があるということで。どれだけたくさんのお客さんを迎えて笑顔にしてきたんだろう、ということですよね。お品書きもそうですし、店内の至るところに歴史を感じますね。京都の皆さんが愛してやまない『にしんそば』。こちらもいいじゃないですか」
京都の名物をおいしくいただき充電完了!そして…
【野川キャスター】
「やってまいりましたのは、こちら。『京阪電気鉄道株式会社』ということで…その寝屋川車庫ですね。まさに京阪電車のおうち、とも言えるような場所です。色々と車両の顔が見えて、テンションが既に上がっています。中でいろいろとご紹介いただけるということなので、行きましょう。胸の高鳴りを抑えられない・・・」
京阪電車は淀川の南側を通り、大阪のビジネス街や京都の観光エリアを結ぶ京阪線と、京都と滋賀を結ぶ大津線。大きく分けてこの2つの系統で構成されています。
京阪の代名詞ともいえる『京阪特急』の顔、8000系をはじめ、様々な電車が運用される中、GKデザイン総研広島が製造段階からかかわった車両が…
【京阪電気鉄道株式会社 車両部技術課西尾亮一さん・野川キャスター】
「おー!3000系でございます。『新3000系』という呼び方をすることもありますね。(対して)かつて特急の車両として活躍した3000系のことを旧3000系と。まず何といってもですね、西尾さん。もうカラーリングからして、今までの京阪の車両とは全然違いますね」
「はい。やはり目を引くのが、この標識灯のカーブですよね」
「こんな標識灯の形、見たことないですね?」
「そうですよね。これが『花鳥風月』になぞらえた『月』に当たるところで、スラッシュムーンがここに、あしらわれています」
「スラッシュムーン!」
3000系は2008年、京阪の新路線、中之島線開業に合わせて登場した車両。
花鳥風月の『月』をモチーフとして取り入れ、車両前面だけでなく、至る所に月をイメージしたデザインが展開されています。
【京阪電気鉄道株式会社 車両部技術課西尾亮一さん・野川キャスター】
「顔全体で見ても、非常に丸みの印象が強いですよね」
「はい、形自体は四角いんですけれども、丸を感じるようなデザインになっているのは、この辺りのデザインが効いてるのかなと思います」
続いて車両の側面へ…
【京阪電気鉄道株式会社 車両部技術課西尾亮一さん・野川キャスター】
「このシルバーのラインが非常に目を引きますね」
「はい。もともと青と白だけで構成しようと、我々は考えていたんですが、この帯があるというところが、デザインの中で、ポイントになっているのかなと思います」
「この『シルバーのラインを入れよう』と言ったのは、GKデザイン総研広島側ですか?」
「はい。実はですね、我々この帯はかなり長いので、実は張りたくない。保守をする立場からすると…」
「無い方が(保守を)やりやすい、と」
「やりやすいです。細長いものを貼るとなると、少しずつズレてくるんですね。
貼るのがとても難しいので」
そこで、帯を張るのか、張らないのか?実際に特急用、快速急行用、それ以外の車両と、それぞれの色に塗り分けてデザインを比較したそうです。
【京阪電気鉄道株式会社 車両部技術課西尾亮一さん・野川キャスター】
「こうして見ると、帯の効果って絶大だと思うんですけど。その場にいた全員が『あ!帯いいじゃん』って」
「その場にいた全員、ですか?」
「そうなんです」
「素人ながら、私もこちら(帯あり)の方が断然いいなと思います」
「このシルバーのラインは、たかだか、これ位の大きさなんですけれども、全体的に見た時に締まりが出るといいますか」
車内もこだわりの造りになっていました。
【京阪電気鉄道株式会社 車両部技術課西尾亮一さん・野川キャスター】
「まずぱっと目に入ってくるのは、(座席配列が)2列×1列になっていますよね」
「はい、お客様の中には一人でゆっくり座りたいというニーズもあるという事が分かりましたので、1列のシートを作って、ゆっくり腰かけてもらえる車両を作りました」
「全体的に丸みを帯びたイメージのものが多い感じがします」
「これもスラッシュムーンです。実は車内灯も見ていただけると、丸みをわざわざ帯びた形にしつらえています」
「緩やかにこう…はい」
「これを実現するのがかなり難しくて。当時も試作を重ねてこの形にしています」
「そういう所にまでこだわって作ったんですね」
3000系、最後は金地に京阪の象徴、鳩マークが燦然と輝く、有料座席指定サービス、プレミアムカーです。
運賃以外では初めて有料となるサービスだけあって、まさに最高の座席が用意されていました。
【京阪電気鉄道株式会社 車両部技術課西尾亮一さん・野川キャスター】
(プレミアムシートに座って)「どうでしょうか?」
「旅が終わって、これから広島に帰るぞという時に出町柳駅から乗ることが多いんです。私、こう座ってですね。リクライニングしますね…はい、こうしたら最後ですね。目が覚めると(終点の1駅手前の)北浜駅を出たところ、でございます。寝ちゃうんですよ、気持ち良すぎて。家にも一席欲しいくらいです。ただ、西尾さん。一般の車両の座席も、京阪さん非常にこだわって作っているじゃないですか。その部分で差別化が非常に難しかったのではと思うんですけど…」
「そうなんです。もともと(運賃以外の)お金を頂いていない京阪電車なのでそこからお金をもらうというのはどういうことかというのは、社内でもたくさん議論しました。『圧倒的な質』。これを我々のコンセプトにして設計を進めました。ジャガード織という高級な織り方をしていまして、適度な弾力と滑り止め。高級感がある立体感と。あとはですね、鉄道車両はたくさんの方が使用されるので。なるべく劣化が少ない作りになっています。あまり気づいてもらえないんですけれども、例えばこの照明を見ていただくと、実は金色にアルマイト加工がされてるんですよ」
「本当だ!」
「化粧板と言われているものなんですけれども、この化粧板も特殊なインクジェットのものを採用していまして。照明から出た光がまんべんなく車内に降り注ぐ様に設計しています」
「ここがそんな効果を果たしていたのですね。あの京阪が作った有料座席車両なんだよというのが、こだわりが随所に見える。本当に素晴らしいなぁと」
京阪電車シリーズはまだまだ続きます!