「僕には二人のお母さんがいます…」
鳥取県内の高校の卒業式で男子生徒が披露したスピーチが話題となっています。
YouTubeで公開されると、再生回数は370万回超を記録、多くの人が涙したスピーチに込められた思いとは…。
3月2日に行われた境港市の境高校の卒業式。
門出を迎えた卒業生がスピーチを始めました。
生田 大次郎さん:
3歳の頃から今日まで育ててくれて、今日もこの場に来てくれているお母さん。そしてもう一人は18年前、この世に僕を産み命を与えてくれた、産みのお母さんです。
卒業生の生田大次郎さん、「二人のお母さん」に感謝を伝えました。
生田 大次郎さん:
そのお母さんは僕がまだ1歳だった2009年の春、原発不明のがんによって天国へ旅立ちました。
大次郎さんの生みの母は、18年前に大次郎さんを出産して約1年後に亡くなりました。
大次郎さんが3歳の時に父が再婚、迎えた育ての母からもたくさんの愛情を注がれて育ちました。
生田 大次郎さん:
この18年間は何にも変えられない、僕にとって幸福そのものでした。
このスピーチを卒業式の会場で、特別な思いで見守っていた友人がいました。
保育園の頃からの幼馴染の植松帆次郎さん、そして高校時代の親友の矢曳花菜子さん。
3人とも米子市在住で、生徒会活動をともにしたこともあり、大の仲良しです。
植松 帆次郎さん:
僕は昔から知っているので、大次郎の性格とか。すごくギャップを感じた。めちゃくちゃ泣いた。
矢曳 花菜子さん:
泣いている顔が想像つかないくらいずっと元気をくれる存在なので、スピーチで泣きながら話しているところを見てぐっときた。
そんな大次郎さんのスピーチは、学年主任の先生に頼み込んで実現したサプライズだったそうです。
生田 大次郎さん:
人に希望とか勇気とか与えられるようなきっかけになるのではないかなと思い、打ち明ける決断をした。
スピーチでは、亡くなったお母さんが大次郎さんに宛てた手紙にも触れました。
生田 大次郎さん:
手紙は入っていませんでした。書き始めようとした時に病状が悪化し、書き終わることなく亡くなったと聞きました。
手紙はなくても、息子を思う気持ちは届きました。
スピーチは続きます。
生田 大次郎さん:
お母さんが亡くなってからその後は、おじいちゃんおばあちゃんや叔母さんとか色々な人に支えてもらった。
18年間を振り返り、多くの人の支え、そして家族やすべてを打ち明けられる友人に恵まれたことにも感謝しました。
生田 大次郎さん:
涙が出るような悩みごとを打ち明けたりとか、本当に心の支えになった。
高校を卒業し、大次郎さんは航空自衛隊に入り、新しい一歩を踏み出します。
生田 大次郎さん:
守られてきた側から今度は守る側に。
二人の母、そしてただ一人の父。
多くの人から授かった愛情を胸に、大次郎さんは自分の手で未来を拓きます。