関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、腸内細菌研究の第一人者・京都府立医科大学大学院教授の内藤裕二氏がスタジオに生出演しました。
老眼から認知症、うつ病まで、あらゆる体の不調に腸が関係しているという驚きの実態と、”第3の善玉菌”酪酸菌を増やすための具体的な食生活を徹底解説しました。
■「脳のない生物はある。でも腸のない生物はいない」
体の不調の9割は「腸」が関係しているとも言われています。
老眼、花粉症、がん、肥満、肌のくすみ、動脈硬化……。さらには認知症やうつ病まで、腸との関連が指摘される疾患・症状は幅広くあります。
「肌も腸ですか」と驚くスタジオのコメンテーター。
では、腸はなぜそれほど多くの臓器・機能に影響するのでしょうか。
「もう何十年も前から、医学的には正しくて、”腸脳相関”という言葉があるように、脳の機能に、腸の何らかのものが影響してるのは事実です」と内藤教授は語ります。
腸と脳は物理的に距離がありますが、なぜつながっているのでしょうか。
【内藤教授】「皆さん勘違いしてるんですけど、脳のない生物はある。でも、腸のない生物はいない。神経の多くも腸にある。腸の方が、僕はえらいと思ってるんですけど」
腸と脳のつながりは、神経だけではないといいます。
【内藤教授】「神経もありますし、血液もあります。炎症を起こすリンパ球とかでもつながってます」
緊張したときにお腹が痛くなる現象も、まさにこの腸脳相関によるものだということです。
■「今めっちゃ注目されています」 第3の善玉菌・酪酸菌とは?
腸の健康に役立つ善玉菌として知られるのは、ビフィズス菌と乳酸菌。
CMでもおなじみのこの2つに続く、”第3の善玉菌”として注目されているのが、「酪酸菌」です。
【内藤教授】「ビフィズス菌、乳酸菌はCMやってますからよく聞きますよ。でも酪酸菌も実はCMやってます。皆さんスーッと流してるだけで、これから気になると思います。酪酸というものを作る、よく短鎖脂肪酸という言葉がありますが、そのうちの1つの酪酸を作る菌ということで、今めっちゃ注目されています」
この酪酸菌が注目される大きなきっかけとなったのが、長寿の町として知られる京都・京丹後市での研究です。
100歳以上の人口が全国平均のおよそ3倍という京丹後市。80歳を過ぎても元気に生活している人が多いこの地域で、内藤教授らが住民の腸内細菌を調査したところ、あることが判明しました。
【内藤教授】「おじいちゃんから“うんち”いただいて。その“うんち”の中にいる腸内細菌を一生懸命調べて、どうやら京都市内の65歳以上の方よりも、こちらの方の方が酪酸菌が多いというのを、5年ぐらい前に発表して、だんだんと今有名になっています」
酪酸菌は特別な人だけが持つ菌ではありません。
【内藤教授】「日本人は多いです。酪酸菌が少ない人はコロナのときに重症化したり、少ない人は非常に免疫が落ちてると言われてます」
■「腸内細菌の餌になる食物繊維」発酵性食物繊維を知っていますか?
では、酪酸菌を増やすにはどうすればいいのでしょうか。
答えは「発酵性食物繊維」の摂取です。
「発酵食品」とは別物なので、注意が必要だと内藤教授はいいます。
【内藤教授】「食物繊維はよく聞いたことあります。コンビニ行っても食物繊維が多いドリンクとか売ってます。
”発酵性”と言うと、何か発酵食品しか皆さんご存じないですけど、それと同じように”腸の中で発酵させる”食べ物ということで、”腸内細菌の餌になる食物繊維”という日本語で理解していただきたい。
腸内細菌はお腹にいるので、皆さんが頑張って食べてあげないと餌がこない」
つまり「ただの食物繊維」ではなく、「腸内細菌の餌になりやすい食物繊維」を意識して選ぶことが重要だということです。
また、日本人が食物繊維の代表格として思い浮かべがちなレタスやキャベツなどの葉野菜は、実は食物繊維の含有量が少ない部類に入ると内藤教授は指摘します。
一方で優秀なのが「ケール」と「オートミール」。豆類やバナナ、コーヒーにも発酵性食物繊維が含まれており、ブロッコリーにも入っているといいます。
具だくさんの味噌汁も有効です。
「京丹後の方々は、食物繊維がいっぱい入った素材を入れた、具だくさん味噌汁を飲んではります」と内藤教授は語ります。
ご飯やトーストがなくても問題はなく、「そのおかず次第」というのが内藤教授のスタンスです。
■90点以上! 腸活マスターの朝食とは?
番組では、コメンテーターでジャーナリストの岩田明子さんと、青木源太キャスターの朝食を内藤教授がチェックする企画も行われた。
「料理が全くできないし、荒れた生活してますけれども、腸にはめちゃくちゃ関心があるし、それなりに詳しいと思ってます」と自己申告した岩田さんの朝食はこちら。
・ケールのスープ
・サラダ(レタス・玉ねぎ・鶏のささ身・ゆで卵・ごま油・にんじん)
・ブルーベリー
・バナナ
・ヨーグルト
・乳酸菌飲料
・オーガニックコーヒー
内藤教授の評価は「完璧でしょうね」と即答。
【内藤教授】「特にケールは、野菜のように見えますけど、葉っぱ野菜の中ではめっちゃ食物繊維が多い。発酵性食物繊維が。バナナもそうですし、コーヒーもそうですからね。これ100点満点で言えば90点以上です」
「自分を褒めてあげたいです、先生!」と喜ぶ岩田さんに、内藤教授は「今日だけじゃないですか?」とすかさず釘を刺しました。
しかし岩田さんは「いやいや、続けてる!ちゃんと続けてますよ」としっかり反論した。
■「タンパク質の摂取に全フリ」青木キャスターの朝食とは?
続いて青木キャスターの朝食。
・オートミール
・鶏むね肉
・ブロッコリー
・ミニトマト
・ゆで卵とゆで卵の白身のみ
「私は、タンパク質の摂取に全フリしてるんですよ。腸のことあんまり考えてない」と話す青木キャスターに対し、内藤教授は「忙しい若者にはぴったりですよね。オートミールがまた食物繊維がめっちゃ多い」と太鼓判を押しました。
「これ脂肪もないし、動物性の脂肪もないし。たんぱく源として鶏肉も食べてるし」と高評価。
解説を聞いた青木キャスターは「先生さっきの話聞いて、ここに納豆を加えようかなと」と即座に反応。
「そうですね」と内藤教授も同意し、さらにパーフェクトに近づく一手を提案しました。
■「納豆はとってもいい。ただし、だしは3滴まで」
納豆について内藤教授は「とってもいいと思います」と評価します。
ただし、付属のだしについては注意が必要です。
「だしをかけない方が良い」とし、その理由を「だしは塩分」が多いから。かけるとしても「3滴ぐらいがいい」とします。
卵を加える場合については「黄身だけの方が良い?」という質問に対し「どちらでもいいですよ」との回答でした。
今回、内藤教授には「腸活に特化して」解説していただいているため、ご自身の生活スタイルに合わせて取り入れることが大切です。
■効果が出るまで2週間。日常のリズムが鍵
「発酵性食物繊維を意識し始めてから、体に変化が現れるまでどのくらいかかりますか?」という問いに、内藤教授は「2週間で体は変わります」と明言しました。
ただし前日の食事だけで効果を出すことはできず、「日常的にリズムが大事」と内藤教授は繰り返し強調しました。
また、太陽の光に合わせた生活リズムを整えることも重要だといいます。
さらに、翌日のパフォーマンスを上げるためには「前日のアルコールをやめて7時間睡眠を取る」ことが有効だということです。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年3月31日放送)