元大阪地検トップからの性的暴行被害を訴える女性検事が、検察内のハラスメントなどの調査を行う第三者委員会の設置を国側に求めていて、きょう=31日が回答期限でした。しかし、国側は事実上のゼロ回答だった。

これを受けて会見したひかりさん(仮名)は....

【大阪地検検事・ひかりさん(仮名)】「私が要望した様々な安全配慮義務に関しては事実上拒否されました。あまりにひどい回答でしたので、正直、受け止めきれていません。検察が私の復職を阻止し、病状を悪化させ、辞職、自死に追い込もうとしているということが確定されたと思います」

■上司である検事正からの性暴力を訴える女性検事

ひかりさん(仮名)は、元大阪地検の検事正・北川健太郎被告(66)からの性的暴行を訴えています。北川被告は、準強制性交の罪に問われ初公判で起訴内容を認めるも、その後、無罪主張に転じ、2回目の公判はまだ開かれていない。

一方、検察庁内では同僚の副検事が被害者がひかりさんであることなどを吹聴。検察組織は、副検事を直接止めず、二次被害を拡大させたなどとしてひかりさんは、国などを相手に裁判も起こしている。

元大阪地検の検事正・北川健太郎被告
元大阪地検の検事正・北川健太郎被告
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■検察庁に第三者委員会の設置を求めるが...

事件によるPTSDの症状に今も苦しむひかりさん。検察内では自身が把握する”セクハラ”や”パワハラ”などもあるといい再発防止のためにも第三者委員会による調査を求めてきた。

しかし、1年以上経っても要望は聞き入れられず、今月2日、法務省や検事総長に対し、再度、第三者委員会設置の要望書を提出。そこには要望が受け入れられない場合には、辞職する覚悟も記されていた。

ひかりさんの要望書
ひかりさんの要望書

■「私はもう一度検事として生きたい」

そして迎えた回答期限のきょう=31日…ひかりさんは、法務省の前で最後の訴えをするため、東京へ向かった。

【大阪地検検事・ひかりさん(仮名)】「職員が辞職や自死に追い込まれているケースが多数に及んでます。それでも検察はそういったことの調査や検証などこれまで一切行われずに再発防止策というのも実効性のあるものは、なされてこなかったと思います。最後の日まで諦めずに、正しいことを求めていきたい」

午後2時すぎ。法務省の前でマイクを握ったひかりさん(仮名)は、涙ながらに一縷の望みを託し訴えた。

【大阪地検検事・ひかりさん(仮名)】「私はもう一度検事として生きたい。そのために職場を安全にしてください。第三者委員会を設置してください。あなたたちには自浄作用がない」

しかし法務省からは回答はなく…。大阪地検は国賠訴訟の当事者同士のため、「全て回答を差し控える」とした上で、カウンセラーと精神科医を常駐させると答えたということだ。

大阪地検検事・ひかりさん(仮名)
大阪地検検事・ひかりさん(仮名)

■「検察組織というのは私が思っていた組織ではなかった」

【大阪地検検事・ひかりさん(仮名)】「加害者が守られ被害者である私が切り捨てられる検察組織というのは私が思っていた組織ではなかったと実感せざるをえない。加害者がいっぱい、うようよいるところに戻れるほど私も強くありません。飼い殺しにされるのももう疲れました。被害者の回復につながる仕事がしたいと思って検事になりましたので、検事としてやるのか、検事をやめてやるのか、ゆっくり考えたい」

大阪地検検事・ひかりさん(仮名)
大阪地検検事・ひかりさん(仮名)

■性暴力の捜査能力の向上のためにも声をあげる

ひかりさん(仮名)をこれまで取材してきた元AERA編集長のジャーナリスト浜田敬子さんは、検察は刑事裁判とは別に、組織の自浄作用として第三者委員会を設置すべきだとしたうえで、現役検事でもあるひかりさん(仮名)の捜査機関の性暴力の捜査に対する能力をあげて欲しいという思いをくみ取るべきだと話す。

【浜田敬子さん】「刑法が改正されて性暴力の申告は1.5倍に増えているのに起訴率は30%のまま。ひかりさんと支援者が性暴力被害者約600人に調査をしたが、その中で、捜査から公判に至るまで捜査機関は被害者の心身に十分には配慮しないといけないにも関わらず、捜査の段階で『あなたにも落ち度があったのではないか』と言われたというケースがアンケートでものすごく出ている。そこを含めて検察の再生をひかりさんは求めている」

(関西テレビ「newsランナー」2026年3月31日放送)

浜田敬子さん
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関西テレビ
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