香ばしいバンズにチーズが滴るバーガー。付け合わせはシェイクして美味しいポテトフライの『ふるポテ』。ハンバーガーチェーン『ロッテリア』の九州最後の店舗が閉店した。

九州最後のロッテリア 営業最終日

2026年3月29日。福岡市早良区のロッテリア・藤崎駅前店では、多くの客がお気に入りのハンバーガーを頬張っていた。

この記事の画像(17枚)

店舗前の張り紙を指差し、店内を覗き込む夫婦。“ロッテリア歴”15年という2人は「もう全部『ゼッテリア』に代わっているので、閉まる前に来たいなと思って」と店内へ入って行った。

実はこの店舗、九州では最後のロッテリアなのだ。開店39年になる藤崎駅前店だが、この日が営業最終日だった。

「友だちから『きょうが最終日』って聞いて来ました」と話す男性や「ほんとはリブサンドポークが食べたかったんですけど、完売だったので(残念)」と話す女性。ロッテリアに対する思いもそれぞれだ。

ロッテリアを巡っては近年、大きな変化が起きていた。

『ロ』ッテリアの進化系 『ゼ』ッテリア

1972年に東京・日本橋高島屋に1号店をオープンしたロッテリア。しかし2023年の春に『すき家』や『はま寿司』を手がける『ゼンショーホールディングス』に買収された。

これを受けて2023年9月にから全国のロッテリアは、看板商品である『絶品バーガー』の頭文字を取った『ゼ』ッテリアにリニューアル。約54年の歴史に幕を閉じることになったのだ。

新しくなるのは名前だけではない。パティを増量するなど“美味しさ”と“満足感”をアップさせ、まさにロッテリアの進化系となっている。

親しまれてきた屋号を捨ててまで、新しい味に挑戦するロッテリア。閉店まで30分となったこの日の午後9時過ぎ。

最後のロッテリアを味わおうと次々と多くの客が訪れる。求めていたのは、“味”ではなく“思い出”だったようだ。

「(2年間で何回くらい?)数えきれないんやない」と話すのは、交際歴2年になる近くに住むカップル。

「こっちが仕事終わるのちょっと遅いので『疲れとーだろうけん、なんか買っていってあげよう』と思って、いつもハンバーガーとかシェイクとかを買って帰っていました」と女性は思い出を語った。

一方「2年くらい前までバイトしていました」と話す男性。スマホの写真を取材スタッフに見せ「これクリスマスのとき『チキンを売ろう』という話になって、サンタのコスプレをして店の前に店長と一緒に立って、思い出の1枚ですね」

スマホの残された思い出の1枚
スマホの残された思い出の1枚

「ほんと一言、お疲れ様でした」と画面の写真を懐かしそうに眺めていた。

「食べながら泣くんでしょうね、きっと」

閉店直前。1人の女性客が店内に入る。「時計を見たら午後9時45分だったんですよ。あと15分で終わりと思ったら、つい来てしまいました」。着の身着のまま、思い出の場所へ駆け付けたという。

「私が初めてバーガーを食べたのが、ロッテリアだったんですよ、中学生のとき。初めて友だちと行って、“親無し”で行って食べた。本当に美味しかったんですよ、それが忘れられない」

「これを一緒に食べた人、いなくなっちゃった人とかを思い出したりするから、物に付随する思い出ってすごく大きいじゃないですか…。泣くんでしょうね、きっと。食べながら。いつもだったら温かいうちに食べようと思うけど、今はゆっくり1人で、いろんなことを考えながら食べると思います」と話す女性は、テイクアウトしたハンバーガーを抱えて家路を急いだ。

そして迎えた、閉店時間の午後10時。九州最後となるロッテリアの看板から静かに灯りが消える。ロッテリア最後の客となった女性が、店を後にした。「ありがとうございました」。店長は最後の客に深々と頭を下げ、見送った。

看板の灯りも消えて…
看板の灯りも消えて…

さまざまな人たちの人生とともに歩み、39年の歴史に幕を閉じた九州最後のロッテリア。4月中旬にはゼッテリアとなって、新たな一歩を踏み出す。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
テレビ西日本

山口・福岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。