イラン情勢の緊迫化を受け、政府は4年ぶりとなる石油の国家備蓄の放出を開始。3月26日の愛媛・菊間国家石油備蓄基地に続き、3月27日は、福岡の『白島石油備蓄基地』でも放出を始めた。普段は立ち入れない基地の裏側に密着した。

『白島石油備蓄基地』でも放出開始

響灘に浮かぶ『白島石油備蓄基地』。北九州市若松区の安瀬船乗り場から渡船で約40分。白島基地に到着した記者が目にしたのは、海に浮かぶ巨大な貯蔵船だ。

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基地の広さは、ソフトバンクホークスの本拠地、福岡市の『みずほPayPayドーム福岡」の約11個分で、全国3番目の規模を誇る。

最大の特徴は、全長400mの巨大な8隻の貯蔵船で、オイルショックを機に建設が始まり、1996年に完成した。最大で、国の消費量、約20日分にあたる約560万klの石油が貯蔵可能だという。

貯蔵船から約1か月で180万kl

貯蔵船の石油は、最長約2キロのパイプラインを通ってタンカーへと送り込まれる。

海上で受け渡しができる輸送効率の良さもこの基地の強み。作業員は、総勢約100人。パイプの接続や安全確認など、約2時間半かけて放出準備が行われた。

そして、午後3時半頃、中央制御室からの支持の下、タンカーへの放出が開始された。

27日に放出されたのは、6号と8号の2隻に蓄える石油。1時間あたり約5000klを放出できるといい、2日半かけて30万klの石油がタンカーへと積み込まれる。

白島石油備蓄基地では、今後4月下旬までの約1カ月間、放出作業が行われ、国内の基地で最も多い180万klの石油が輸送される予定だ。

その後、石油は大手元売り会社4社に販売され、ガソリンや軽油などに精製されて市場に出回ることになる。

業界は危機感 更なる追加放出要請

政府の国家石油備蓄放出は、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2022年以来、約4年ぶりで、政府は、全国11カ所の備蓄基地から計約5300万バレル(30日分)を順次放出する方針。

既に放出を始めた民間備蓄と合わせ、政府は、国内供給の安定化を図りたい考えだが、石油業界では、イラン情勢の鎮静化が長期化する恐れもあることから、石油連盟は、政府に対し、更なる追加の放出を要請している。

(テレビ西日本)

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