世界遺産の街・兵庫県姫路市。
その世界遺産・姫路城と「路上喫煙」を巡る「お金」が話題になっています。
まず姫路城では、「姫路市以外」の入場料が今月1日からこれまでの2.5倍、2500円に。
さらに市内の路上喫煙の違反金は「1000円」だったものが7月から一気に「2万円」に引き上げられます。
姫路城の入場料は「人件費や修繕費の高騰の影響」、違反金は「路上喫煙や吸い殻のポイ捨ての抑止」と理由のようですが、大幅な“値上げ”に賛否の声があがっています。
秦令欧奈アナウンサーがその実態を徹底取材しました。
■「靴入れの袋くれたんで。まあいいかな」一方「同じ兵庫県やのに…」不満も
秦アナがまず訪れたのは、姫路城。今月1日から、姫路市民と市民以外で入城料を分ける「二重価格」が導入されました。
人件費や修繕費の高騰が影響していて、姫路市民はこれまで通り1000円なのに対して、市民以外は2500円となりました。
秦アナ、まず横浜市から観光でやってきた人に話を聞きました。
【秦令欧奈アナウンサー】「二重価格という仕組みについてどう思われますか?」
【横浜からの観光客】「いいと思いますよ。もうバンバン、外国人は1万円とか、日本人他の地域の方は5000円とか。海外だってみんなそうですよね。そういう時代じゃないかと思う。
1500円上がった代わりに、靴入れの袋くれたんで。値上げと同時に、こういうのくれるならまぁいいかなと」
と「姫路城」と書かれた靴袋を見せてくれました。
一方、同じ兵庫県内・神戸市から訪れている観光客は…
【秦アナ】「3月から入場料の二重価格が始まったんです」
【神戸市からの観光客】「日本人は安いんやろ?」
【秦アナ】「姫路市民が1000円。市外の人は、2500円になります」
【神戸市からの観光客】「外国人はどうなるん?」
【秦アナ】「2500円ですね」
こちらの観光客は外国人も日本人も同じ価格ということに、ご不満のようです。
【神戸市からの観光客】「外国人さんが高いのは分かる。私ら神戸や。同じ兵庫県やのになんで姫路だけって言いたくなる。(2500円は)ちょっと高いなと思う。世界遺産になったから仕方がないといえば、仕方ないけど…」
■外国人観光客からも賛否
では、その海外からの観光客に聞いてみると、こちらも賛否が分かれました。
【アメリカ・カリフォルニアからの観光客】「いいんじゃないですか。実際に姫路城を見て、維持管理にはかなりの費用がかかっていると思いました。
とても美しい城ですね。日本の美しい国宝を楽しむために、多くお金を払ったのですから、私はそれで構いません」
【オーストラリアからの観光客】「良くないと思うわ。みんな同じ金額にするべきよ。誰に対しても同じにすべき!」
■姫路城からの景色を見ると「2500円で納得」の声
せっかくなので、秦アナも初めて姫路城の城内へ。階段で登り切りました。
【秦令欧奈アナウンサー】「すごい…!めちゃくちゃ厳か。入った瞬間ちょっと空気がひんやりしますね、空気が変わる」
頂上からの眺めに感動した秦アナ。
【秦令欧奈アナウンサー】「絶景だ!ここまでエレベーターなしで登ってきました。ここに来ないと味わえない建物の雰囲気、やっぱりこれは値段以上のものがあるなと改めて感じましたね」
苦労して登り切った達成感か、「やっぱり2500円でも納得」という声が現地では多かったようです。
【姫路市外からの観光客】「(眺めは)すごい、素晴らしい。二重価格でもいんじゃない。外部の人が来て楽しむわけだから」
【フランスからの観光客】「(姫路城の雰囲気は)すごくいいよ。すごく美しい!(二重価格は)フランスも同じだよ。ルーヴル美術館も観光客が多く払うし」
■禁止エリアでの路上喫煙に「2万円」“勧告して命令してもやめない人に”
姫路市では路上喫煙禁止エリアでタバコを吸った人に1000円の違反金を徴収していましたが、なんと今年7月からその金額が「2万円」に引き上げられることが決まったのです!
【秦令欧奈アナウンサー】「現時点の姫路の路上喫煙の実態を、私が身を挺して調査してまいります」
まず取材前に、姫路市・美化業務課の川上将平課長に新ルールを確認します。
【姫路市美化業務課・川上課長】「7月からは指導員が勧告して命令して、それでも喫煙をやめない方について徴収するようになります。禁止区域をまずは認知していただくことをするようにしていきます」
つまり「即2万円」ではなく、段階を踏んだ上での徴収となるそうです。
調査を開始した秦アナ、賑わう通りを歩きます。
【秦令欧奈アナウンサー】「ぱっと見なんですけど、もうさすがに人通りがものすごく多いですから、吸ってる方はもういらっしゃらないと思うんだよな、ここはさすがに」
…と言いつつも、植え込みの中には吸い殻を発見。
【秦令欧奈アナウンサー】「いや、ここで吸う人はいらっしゃらないかなと思ったんですけど、吸い殻はありますね」
近くのお店のスタッフも「店に来たら毎日1本か2本落ちてる、夜の間に」と証言しており、夜間に路上喫煙をする人がいるようです。
■禁止エリアで路上喫煙していた人「割に合わん」
そして調査から2時間。禁止区域でタバコを吸う人を目撃しました。
【秦令欧奈アナウンサー】「あ、今火つけたかもしれないです!ちょっと待ってくださいね、今つけましたね。すみません、後ろから急に」
秦アナが声を掛けた男性は、姫路市外・兵庫県明石市から訪れていました。この男性に、7月から「違反金」が2万円になることを伝えると…。
【喫煙者の男性(明石市)】「たばこを買って税金払って、それでまたそうやって徴収されるんやろ。割に合わんやろ」
男性はタバコの火を消し、吸い殻は取材班が回収しました。
■厳しい規制に対し指摘される「喫煙所不足」整備には巨額費用が…
一方で、この厳しい路上喫煙への規制に対し、姫路市では「喫煙所が少ない」という問題も生じているようです。
禁止エリア外の喫煙所でタバコを吸っていた人に話を聞きました。
【秦令欧奈アナウンサー】「どうですか?違反金2万円と聞いて」
【喫煙所でタバコを吸っていた人】「まぁ高い…(喫煙所の数が)少ないと思う。どこでもタバコは買えるけど、どこでも吸えへん」
なんとこれまで、路上喫煙禁止エリアには公衆喫煙所が1つもなかったのです!
今回の条例改正を受けて、姫路市は新たに喫煙所の設置を決定。現在、工事が進められています。
【秦令欧奈アナウンサー】「ちなみに喫煙所作るのに、おいくらぐらいかかるんですか」
【姫路市美化業務課・川上課長】「約2000万ほどです」
【秦令欧奈アナウンサー】「2000万ですか。維持費とかもかかるんですか、やっぱり」
【姫路市美化業務課・川上課長】「300万ぐらいです」
設置費用に約2000万円、さらに年間維持費が300万円…。これを知った非喫煙者の市民は、「あまり数は増やさずにしてほしい。税金ですもんね」と語りました。
■姫路市「徴収実績ではなく、タバコのポイ捨てが減ったかどうかが重要」
3時間の調査でタバコのポイ捨ては多数確認され、ルール変更への賛否は「半々」でした。
市民の声を姫路市長に直接届けようとしましたが、スケジュールが合わず、インタビューは実現せず。後日、文書で回答をもらうことができました。
【姫路市のコメント】「ルールを守らない喫煙者に対して罰則を強化すべきとの考えもあり、過料の改定に至りました。
しかしながら、徴収実績ではなく、タバコのポイ捨てが減ったかどうかが重要であると考えています。
『姫路のまちを美しく安全で快適にする条例』(違反金などを定めた条例)を実現できるように努めていきたいと考えています」
世界遺産の街で起きている2つの“値上げ”。貴重な文化財である姫路城とその街を美しく保つためのものですが、みなさんはどう考えますか?
(関西テレビ「newsランナー」2026年3月20日放送)