徳之島で歌い継がれる子守歌。
このメロディーを使ったオリジナル曲を地元の亀津中学校吹奏楽部のメンバーが21日、アンサンブルの全国大会で演奏します。
練習に励む部員たちに、吹奏楽経験者の中俣気象予報士が密着しました。
徳之島町立亀津中学校吹奏楽部。
16人とは思えない迫力あるサウンドとハーモニーを奏でます。
2024年は全国大会で最優秀賞を受賞、夏の県吹奏楽コンクールでも3年連続で金賞とここ数年で、ぐんぐん実力をつけてきました。
中俣美咲気象予報士
「日曜日ということで学校はお休みなんですが、こちらの教室からは楽器の音が響いています」
部員のうち3人が挑むのが、少人数で演奏するアンサンブルコンテストです。
全員で出るコンクールに比べ、一人一人の演奏力が、より求められます。
メンバーはフルートの嶺井結愛さん。
フルート(2年生)・嶺井結愛さん
「メロディに合った音色。そういうのをしっかりできるような演奏をしたい」
クラリネットの寺村香花さん。
クラリネット(2年生)・寺村香花さんん
「温かい音がクラリネットは出る。そういうところが魅力」
マリンバの井凜音さんです。
マリンバ(2年生)・井凜音さん
「マレット(バチ)1つ1つの重さ、柄の部分で音が変わる。より良い音色を皆さんに届けるために変えるようにしている」
2025年12月の県大会を突破した3人は2月の九州大会で上位2校に入り、全国大会への出場を決めました。
亀津中学校にとっては、28年ぶりの快挙です。
井さん
「最初は全然、状況が理解ができなくて」
快挙の舞台裏には3人の熱い思いがありました。
井さん
「最初はこの3人の編成(でできる曲)がなくて、(先生に)断られた。3人で頭を下げに行って、『どうにかお願いします』ということで、先生に作曲をお願いしました!」
打楽器奏者でもある顧問の宇都遼介先生は、亀津中学校に赴任して丸2年。
生徒に頼まれ約1カ月で作った曲に「徳之島らしさ」を込めたそうです。
吹奏楽部顧問・宇都遼介先生
「徳之島の民謡であって子守歌である『ねんねがせ』を最後に引用して使っている。(ある本番で)みんなで歌いましょうという時に、部員が全員歌えて、私だけ歌えなくて、みんな知っているんだなというのがこの曲の出会いだった」
島でずっと歌い継がれてきた「ねんねがせ」。地元の人にも聞いてみると。
男性
「ゆうなのき~のし~た~で~」
女性
「ゆ~れ~るふうりん、りんりらりん」
「ねんねがせ~」
親子
「りらりらり~んり~ん」
そんな、徳之島への思いを音に乗せたオリジナル曲「結の祈り」
ラストは島の美しい風景を表現しています。
宇都先生
「波の音とか風で揺れる風鈴をどうしても入れたいなと思って、一番最後は効果音で終わるようにしている」
実はこの3人、小学校から一緒に演奏してきた仲良しメンバー!
井さん
「ほぼ宇都先生のおかげじゃない?凜音なんかがここまで来られたのは」
寺村さん
「宇都先生がいないと」
井さん
「怖いんですけどリスペクトしてる先生です。あははははは」
休憩時間はあどけない笑顔を見せますが演奏となると、表情は一変。
ゆったりと流れる曲後半の子守歌に対し…
前半は、不安や恐怖感を表現した早いテンポで進みます。
宇都先生
「ティーヤッタァ、ティーヤッタァって、次の音符が柔らかくなっちゃうとアクセントに聞こえなくなる。ティーヤッタ、ティーヤッタ、タラタラタラ」
宇都先生
「あ~そうそう!今のだったらまだ最低限聞こえる。もう一回」
この日は一つのパートをなんと2時間練習する場面も。
宇都先生
「アンサンブルコンテストは指揮者がいない。演奏しながら息を合わせる必要がある。その細かいところを事前に詰められるだけ合わせたりとかすることが、良い演奏につながるかなと思っている」
全国大会目前の練習は朝から夕方まで続きました。
宇都先生
「このあと課外学習に行きます」
3人
「え…何のため?」
宇都先生
「何のため?鈴と波の研究に行くの」
曲のラストの部分に思いをはせようと向かったのは、伊仙町の犬田布岬。
ですが…
井さん
「予想外で風がすごいが」
嶺井さん
「でも夕日見られたから」
井さん
「少なからず得るものは得れたので、それを生かせたらなと思う」
島の子守歌に思いを乗せて3人は21日、全国舞台でその音色を響かせます。
3人
「頑張るぞ~!ワイド~!」