新幹線延伸の遅れが、土地の価値にも影響している。
土地取引の目安となる地価が公表され、商業地の上昇率が全国一となったのは、ラピダス進出に沸く千歳市。
公表されたのは2026年1月1日時点の土地の価格で、北海道では99の市と町の1345か所を調査した。
このうち、商業地では千歳市中心部の「千代田町5丁目1番8」は上昇率が全国一となる44.1%上昇し、1平方メートル当たりの価格は24万5000円となった。
高い上昇率となった要因は2026年春にも試作ラインの稼働を目指す次世代半導体工場「ラピダス」。
従業員向けの賃貸マンションなどの需要が高まり、地価を押し上げた。

また、住宅地の上昇率で全国2位となったのが「第2のニセコ」とも言われる富良野市だ。
スキー場のふもとにある「富良野市北の峰町4777番33」は上昇率が30%となった。
円安の影響で、海外資本の別荘やコンドミニアムの需要が増加し、ニセコ地区よりも割安なリゾート地として注目が集まった形だ。

一方で、明暗が分かれたのが札幌市内だ。
「札幌駅周辺は新幹線延伸工事で、バス停が仮停留所になった。札幌駅の地下街が閉鎖されて商況が弱くなり、その分大通り側に移った」(北海道不動産鑑定士協会 横山幹人理事)

札幌市内の商業地では、これまで毎年JR札幌駅前が1位だったが、大通地区の商業ビル「札幌4丁目プレイス」付近が7.1%上昇し、1位になった。
大通地区が再び注目を集めた理由はJR札幌駅前地区の再開発の影響だ。

新幹線延伸の遅れによる影響は、地方にも及んでいる。
「(開業時)活気のあるような形になると期待し楽しみにしていたが、それほどでもなかった」(北斗市民)
北海道南部の北斗市では地価の平均が住宅地、商業地ともにマイナス0.6%下落。

新幹線開業によるホテル需要などで沸いた2016年以降、年々、下落している。
駅前では、新たなホテルや複合ビルの開発計画もあるが、札幌延伸の遅れや建設資材高騰で、計画が遅れている。

「複数の企業が新函館北斗駅前に興味を示していると伺っているが、札幌開業がきちんと決まらないと。そこまで辛抱しなければいけないのかなと」(北斗市 池田達雄市長)
新幹線の札幌延伸は北海道経済にも大きな影響を及ぼしている。
