3月18日夜、高市首相は就任後初めてアメリカへ出発し、19日には日米首脳会談に臨む予定です。

そこで、難しい対応を迫られそうなのが…緊迫するイラン情勢に伴い、原油輸送の要・ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続く問題。
アメリカのトランプ大統領は、ホルムズ海峡の安全確保のため、日本を含む各国に支援を要請していました。
艦船派遣要請どうする
17日、国会では…。

公明党 西田実仁幹事長:
(高市首相が)訪米されて、アメリカから「日本は中東の原油に依存しているのに、何もしないのか」と言われた場合、どう対応するのか?

高市早苗首相:
法的に可能な範囲で何ができるかと、精力的に政府内で検討をしております。
例えば日本がテロの標的になるリスクもあります。さまざまな評価が国際社会にあるんでしょうけど、高市内閣はしたたかな外交を、そして国益第一の外交を展開してまいります。
実際にアメリカ側から要請が来ているのか、という点については…

小泉進次郎防衛相:
現時点で正式な派遣要請などは来ておりません。現時点で自衛隊の派遣について決まっていることはありません。
茂木敏充外相:
米側から、例えば艦船を派遣してくれとか、そういう要請はもらっておりません。
そうした中、日本時間18日未明、トランプ大統領は記者から、「支援について進展はあったか」と質問されると…。

トランプ大統領:
支援は必要ない。むしろまったくいらないんだ。
NATO(北大西洋条約機構)は極めて愚かな過ちを犯していると思う。以前から、NATOが我々のために動いてくれるのか疑問に思っていた。これは彼らを試すいい機会だった。
日本を含む各国への艦艇派遣要請を撤回するような発言…。撤回の背景に、消極姿勢を崩さない各国への不満があったのでしょうか?NATOの対応を批判しました。
混迷を極めるイラン情勢。日米首脳会談を目前に控え、日本側はどう対応していくのでしょうか。

キヤノングローバル戦略研究所・上席研究員の峯村健司氏に解説していただきました。
日米首脳会談「艦船派遣」焦点か
19日に行われる予定の日米首脳会談では、当初「新たな10%の関税措置」「約87兆円の対米投資」について話される予定でしたが、イラン攻撃による「艦船派遣」が焦点になると思われます。

峯村健司氏:
戦後の日米首脳会談の中で一番難しい会談の一つだというのは間違いないと思います。
きのうも日本側の同行筋の方々と議論したんですが、そもそも重要な課題が完全に変わってしまったわけです。準備も結構大変だというところで、もう一つ気をつけなきゃいけないのは、例えばヘグセスさんとかルビオさんは、そんなに強く船を出せとは言ってきてないらしいんですが、トランプさんが何を言うかわからない。ホワイトハウスの当局者に聞くと、いつものようにカメラの前でトランプさんと高市さんがやり取りをするということを検討してるらしいんです。これやると、かつてウクライナのゼレンスキーさんが、それこそボコボコに言われた時のようなことにもなりかねないと考えると、高市さんのアドリブというか、想定外のやりとり、トランプさんからのとんでもない質問が来る可能性というのはかなり高まっていると。
日米首脳会談 交渉のカード
日本が持つ交渉のカードは、「対米投資やレアアース連携などの経済安全保障」「渡航する船の保険」「自衛隊派遣をめぐる日本の法律」「米国産原油の調達」などです。

峯村健司氏:
経済安全保障と高市政権が一番掲げているものというのは、ある意味アメリカにとってもメリットになりますよという言い方ですね。例えば南鳥島沖のレアアースなんかも一緒にアメリカと共同開発して中国による威圧圧力にあらがっていきましょうということは、トランプさんに「レアアース」というワーディングは響くだろうというところが一つ。
そして、アラスカ産の原油を中心に購入するというころ。トランプさんはとにかく石油原油、「俺たちは産油国なんだ」とすごくプライドを持ってらっしゃる方なので、これを購入するっていうのはトランプさんに響きますよね。
また、日本は中東に原油を依存しすぎてるんですよね。9割以上依存というのはある意味リスクの観点からも問題があるので、それをアメリカから原油を購入するのは4%弱しかないんですが、太平洋を通ってくるのであれば、例えばホルムズ封鎖とか台湾有事が来たときでも、アメリカからだったら原油を買えるって意味でも有事の際には非常にいいと。
谷原章介キャスター:
今、(交渉の)カードで言うと綱引きはどこら辺にあるんですか?
峯村健司氏:
日本は、カードの数でいうと決して負けてはない。ただ本番、この綱引きが始まったときに無茶なくらい引っ張ってくるのがトランプさんなんですね。
カメラの前で、いかに高市さんが冷静にとにかく余計なことを言わずに、うまくアピールできるかにかかっていると思います。
さらに峯村氏によると、「イランとの停戦仲介」のカードが重要になってくるといいます。
茂木外相は17日午後10時、イランのアラグチ外相と電話会談を行い、ホルムズ海峡で日本を含むすべての船舶の安全が確保されるよう、適切な対応を求めました。

峯村健司氏:
トランプ氏と高市さんが会う前に直前にこの会談をやったというのは、ある意味非常にいいプラス材料。カードが1個作れるというところだというふうに見ています。
日本とアラグチ外相とかとのパイプは太いので、茂木さんももっと早く、何ならもうイランに行って対面で会ってくるぐらいの勢いでスピードアップするべきだと思います。これも重要なことだと思います。
難しいんですが、イランも早く、もう何なら終わらせたいという人たちもいる。戦況は厳しくなってきてます。トランプさん自身ももうちょっといい加減にしようかとになってるっていう状況を考えると、日本がここで存在感を示せる、さらに平和に貢献できるっていう意味ではいいカードだと思います。
――最終的に艦船派遣をするのかどうかについては?
艦船派遣に対しては「できません」って言うのではなくて、いくつかのやり方があります。
2019年のように監視目的情報収集目的で出したりとか、いろんなやり方がありますので、まず「出すことを検討します」と積極的に言って、あとは細かいことは大臣クラスで決めましょうという形で少し先延ばしをしつつ、外交交渉をするというのが一番。
大臣クラス同士で言うと、例えば茂木さんとルビオさん、小泉進次郎さんとヘグセスさんの関係は比較的いいので、そこで細かいこと決めて、トランプさんと我々はもうザクッといきましょうというのが一番丸く収まるかなと。
(「サン!シャイン」3月18日放送より)
