金メダルのロシアの選手の隣で、銀メダルの選手が背を向けるという異例の光景がありました。
佳境を迎えた冬のミラノ・コルティナパラリンピック。
開幕前には、イラン攻撃により安全な渡航が不可能であるため、イラン代表として唯一出場予定だったクロスカントリーの選手が参加を辞退しました。
連日、さまざまな競技で熱戦が繰り広げられる一方で、戦争の影響が色濃く表れる状況も。
ノルディックスキー クロスカントリー女子の10kmクラシカル視覚障害クラス。
2人が連なって滑っていきます。
黄色いビブスを着ているのはガイドスキーヤー。
ガイドに先導されながら雪山を滑走し、表彰台の真ん中に立ったのはロシアの選手でした。
今大会は戦時下にあるロシアの選手6人と同盟国ベラルーシの選手4人が国を代表して出場。
これに対し各国から批判の声が上がる中、表彰式でこんなシーンが。
スタッフが中央に寄るように促すと、銅メダルのドイツ選手とガイドはロシアの2人に近づきますが、左側に立つ銀メダルを獲得したチェコの2人はその場から離れません。
表彰式といえば、オリンピックでもよく見られた選手たちが寄り添って写真を撮る仲むつまじい光景。
パラリンピックでもさまざまな競技で和やかな景色が広がっていましたが、侵攻を続けるロシアを許さない空気が表彰式でも表れたのです。
金メダルを獲得したロシア選手は別の種目でも優勝。
再び表彰台の真ん中に立ちました。
ところが、ロシア国旗が掲揚され国歌が流れると、左側に立つ銀メダルのドイツチームがロシアの2人に背を向けたのです。
帰り際には恒例となっている自撮り用のスマートフォンを銅メダルの中国チームが受け取りますが、ドイツのガイドは撮影を断り足早に去りました。
一方で、残されたロシアと中国の2カ国は仲良く写真撮影。
最後には握手を交わしていました。
ドイツのリン・カズマイエ選手はメディアの取材に対し「もしかすると、彼女たちは本当にいい人たちで友達になれるのかもしれない。政治が全面的に影を落としているのは本当に残念です」と答えました。
さらに、ロシアとの戦時下にあるウクライナの選手を巡っても…。
バイアスロンで金メダルを獲得したオレクサンドラ・コノノワ選手。
耳元にはウクライナ国旗と同じ青と黄色のデザインに「STOP WAR」、“戦争をやめて”と書かれたイヤリングがありました。
しかし、国際パラリンピック委員会と大会組織委員会がイヤリングを外すように求めたというのです。
ウクライナパラリンピック委員会は声明を発表し、IPCと組織委員会から組織的な圧力をかけられたと抗議。
イヤリングの件だけでなく、選手の家族や選手団が国旗を掲げることを止められたとしています。
国際パラリンピック委員会はこれに対し、ウクライナ国民が直面する状況には共感するが、大会のルールを破ることを認めるということではないとコメントしています。
コノノワ選手は優勝の翌日、他の種目に出場した際には、当該のイヤリングではない別のイヤリングを身に着けていました。