日本でも使える場所が増えてきた中国系スマホ決済。
その使用を巡り、政府が“由々しき問題”だと指摘する事態に。

一体どのようなものなのでしょうか。

お昼時、豚すね肉の煮込み丼に多くの人が舌鼓を打っているのは、東京・池袋の“ガチ中華”のお店。

中国人客は「とてもおいしい。本場の味に近いよ」と話すなど、お客さんの8割が中国人だといいます。

そのお会計の様子を見ると、「アリペイ」や「ウィーチャットペイ」などと呼ばれる“中国系のスマホ決済”を使用する人の姿も。

中国人客:
中国ではアリペイやウィーチャットペイで決済するのは当たり前で、生活のスタイルになっています。

日本に来てすでに20年以上という人も「支払うと勝手にウィーチャットペイのレートで人民元が引かれた。いま日本の店で結構使えるので楽です」と話します。

すでに多くの店に導入されている中国系スマホ決済システム。

留学生だという2人組は「現金も持ちますが、優先してアリペイやウィーチャットペイを使います」「今は円安なので中国元で支払うスマホ決済の方がお得なんです」と話し、日々の買い物にも使っているといいます。

もともと2010年代、中国国内の偽札問題などを背景に広がったとされる中国のスマホ決済。
日本にはインバウンド客が急増したコロナ禍前から導入が始まり、今では日本で暮らす中国人の生活にも欠かせない存在だといいます。

そうした中、11日の国会で中国系スマホ決済を巡る問題が指摘されたのです。

それは…。

日本維新の会・阿部司衆院議員:
日本国内の店舗で取引が行われているにもかかわらず、資金の流れは中国国内の銀行口座決済インフラ上で行われると。日本金融システムの外側で経済活動が行われている状況だ。

日本国内の店などでスマホ決済を使用しても、送金や受け取りの口座が中国国内の銀行であれば、日本の金融システムを介さずにやり取りができると指摘したのです。

これに片山金融相は「まさにこの問題は由々しき問題でございまして、国内決済を持たない、つまり日本の中で使われている銀行口座と乗り入れていないところに関しては、おそらく現状法律上の登録義務や監督権限を実際に及ぼすことが難しくなっている」と述べ、所得や売り上げの把握が困難になると、対策の必要性を強調しました。

これに対し、中国系スマホ決済を導入するお店「潮八碗」は、人民元で決済された分も全て日本円に両替して申告していて、納税などを適切に行っていると語ります。

潮八碗 店長・隋さん:
(Q.納税について)去年は全店舗合わせて8000万円以上払っています。

店主の知る限り、池袋で営業する店のほとんどは日本の納税などのルールに従っているといいます。

一方で、ITジャーナリストの三上さんは別の面から国境をまたぐスマホ決済の問題点を指摘。

ITジャーナリスト・三上洋さん:
例えば成田空港では無許可で行われているインバウンド向け違法タクシーが存在している。お客が中国人観光客というケースがある。こうなるとウィーチャットペイなどで決済されるし、またマネーロンダリングのために使われるという非常に悪い活用が目立ってきている。

その上で、問題の根本はスマホ決済自体にあるのではないとも強調します。

ITジャーナリスト・三上洋さん:
スマホ決済や電子決済が国境を飛び越えることは問題ない。スマホ決済という便利なものができたおかげで、日本の金融当局、世界の金融当局も自国でのビジネスを把握できない(ことが問題)。