2021年、交際相手の生後4か月になる娘を揺さぶって暴行したとして傷害罪に問われた男性に大阪地裁は無罪を言い渡しました。
愛知県に住む40代の男性は2021年3月、大阪府内の交際相手の生後4か月になる女児に何らかの暴行を加えて、硬膜下血腫などを負わせた傷害罪に問われています。
裁判で、検察は「頭蓋内や目の出血」から揺さぶる暴行があったと主張。懲役6年を求刑していました。
一方弁護側は、女児には重度のけいれんがあり、低酸素による出血で病気が原因だと無罪を主張していました。
きょう=13日の判決で大阪地裁(三輪篤志裁判長)は、男性に無罪を言い渡しました。
■事件の詳細は…
男性は、毎週末に交際する女性の家に通って2歳と生後4カ月の赤ちゃんの世話をしていました。
女性がゴミを捨てに外に出た5分の間に赤ちゃんの様子が急変。
男性はすぐに病院に連れて行きました。
検査の結果、急性硬膜下血腫などが見つかり、最後に一緒にいた男性が揺さぶって暴行したと疑われ、起訴されたのです。
【男性】「これだけは分かってほしいのは、僕はやってません。僕は隣の部屋にいて、様子が急変してから気づいているので」
■検察側には小児眼科学会のトップ医師の証言 弁護側は「根拠がない」と指摘
裁判で、検察は「眼底出血からだけでも強く複数回揺さぶられたと推認できる」と主張。
検察側の大きな拠り所となったのは、小児眼科学会のトップを長年務めるA医師でした。
【A医師(検察側)の証言】「これは暴力的に極めて強く揺さぶる行為だけが可能である」
A医師は、「揺さぶりにより、眼球の大部分を占める硝子体が引っ張られた」と説明します。
これに対し、弁護側の眼科医は、「A医師の見解は根拠がない」と指摘。頭蓋内出血で脳圧が高まることに伴う出血だと説明しました。
【男性の主任弁護人 秋田真志弁護士】「日本の眼科医の中でSBS、(AHT=虐待)の問題をよく知ってる人ってほとんどいないんです。
(学会の)ボスみたいな人が中心になって(見解を)言うと、その人の言うことが全部まかり通ってしまっているのでないか。非常に深刻な事態として考えてます」
■無罪判決相次ぐ
揺さぶられっ子症候群(SBS)を巡る裁判では、3日に福岡地裁、10日には宇都宮地裁で暴行を否定する無罪判決が相次いで出ています。