しょうゆベースのあっさりスープに、丼を埋め尽くすチャーシュー。
特徴的な麺はモチモチ縮れ麺。

日本三大ラーメンの1つとされる、福島県の「喜多方ラーメン」です。

福島・喜多方市を訪れる観光客の7割が食べるご当地ラーメンが今、問題に直面しています。

11日のランチタイム、喜多方ラーメンを提供する「あじ庵食堂」では、お客さんの麺をすする音が響き渡るほどの大盛況となっていました。

地元の人はもちろん、神奈川県から来たという観光客も、お目当てはこの喜多方ラーメンです。

店の定番は、大きく切られた豚バラ肉のチャーシューがこれでもかと入った「肉盛りラーメン」です。

あじ庵食堂 店長・江花崇太さん:
多加水麺で中太縮れ麺で、スープは豚がベースっていうのが喜多方ラーメン。

ところが今、ラーメンで有名になった、ここ喜多方の街に異変が起きているというのです。

あじ庵食堂 店長・江花崇太さん:
後継ぎがいなかったりとか、年齢で…結構肉体労働なので、大変なのでやめちゃうお店とかもやっぱりあるんじゃないか。街歩いても全然若い子いないんで。

喜多方ラーメンが今、後継者不足に直面しているのです。

市の調査では、「将来的に廃業を検討している」あるいは「事業継承についてまだ決めていない」と回答したラーメン店が半数以上に上っています。

1980年代、昭和の終わりに朝に食べるラーメンとして注目を集め、全国に“朝ラー”ブームを巻き起こした喜多方。

全盛期には市内にラーメン店が約130店舗あり、毎年100万人以上の人がラーメンを食べに来ていたといわれています。

しかし、現在は40店が閉店。
約90店に減少してしまいました。

理由の一つについて、喜多方市の東海林和宏ラーメン課長は「最近、老舗といわれるようなお店が高齢化で店を継ぐ方がおらず、有名店が何軒か店をたたむという事が起きてきている」と指摘します。

全国から愛されていた、喜多方ラーメン発祥といわれる「源来軒」。
2025年9月に物価高や作り手の高齢化などを理由に、創業から101年の歴史に幕を下ろしました。

繁盛していても、高齢化や後継者がいないことなどを理由に店を畳むケースが相次いでいるのです。

11日朝、取材班を出迎えてくれたのは、33年前の1993年にオープンした「くるくる軒」。
自慢の一杯は、透き通るようにあっさりしながらコクの深いスープと、縮れた麺との相性が抜群。

お昼時には、座敷までラーメンを食べるお客さんで満席になる人気の店です。

2026年で60歳になる店主の佐藤豊文さん(59)は、厨房に立ち、ラーメンスープや手作りギョーザの仕込みをしています。

自慢のチャーシューを切るのは、奥さんのさとみさん。
娘と息子、パートさんなど5人で店を切り盛りしています。

平日でも60人ほどが食べに来る人気店ですが、ここでも直面しているのは…。

くるくる軒・佐藤豊文さん:
ウチはウチらの代で終わりじゃないかな。みんな70代80代になってやってる店もあるけど、私らがいつまでできるのか分からないけど。

30年以上、夫婦や子供たちの手伝いなどで続く店。
店主の佐藤さんは2025年、腰を痛めて約2カ月入院しました。

さらに、食材などの物価高騰も直撃しています。

くるくる軒・佐藤豊文さん:
しょうゆラーメン800円でしょう?これ以上はもう…。(Q.最近ラーメン一杯1000円が当たりまえ)そう、ワンコインから1000円。1000円超えはちょっと厳しい。

そして、一番重要な後継者についても…。

くるくる軒・佐藤豊文さん:
やらないって。息子もいるんだけどやらないって。

くるくる軒・佐藤さとみさん(56)
自分たちの代で終わりかなと思いますけど。

繁盛している店ですら直面する後継者問題。
一方で、若者世代は後継者不足に正面から向き合っています。

あじ庵食堂 店長・江花崇太さん:
僕ら世代(若い世代)の人たちが、日本三大ラーメンの認知が低いので、「すごいんだぞ」という認知度を上げたりとか、僕ら世代の僕らより若い人たちがラーメン屋をやってみたいとなれる環境をもっとつくっていきたいと思います。

日本三大ラーメンの1つ、喜多方ラーメンが今、直面する後継者不足。
市は、後継者がいない事業者と継ぎたい人をマッチングする取り組みを行っています。

喜多方市・東海林和宏ラーメン課長:
全国で通用するような味でもあるし、よく知っていただいている喜多方ラーメンなので、ますますブランド力に磨きをかけて、昔ながらの味をしっかり残す道筋を作りつつも、いろんな味好まれるので、いろんな可能性を探ってどんどん拡大していきたいなと思っています。

福島テレビ
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