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病院や福祉施設で提供される「メディカル給食」。

病状や健康状態に合わせた栄養管理はもちろん、食べやすさや見た目への配慮も求められる、専門性の高い食事です。


しかし、その重要性の一方で、どのように作られ、誰が、どんな思いで支えているのかは、あまり知られていません。


秋田キャッスルホテルは、2001年からこのメディカル給食事業に取り組んできました。

「ホテル品質を医療・福祉の現場に」をコンセプトに事業を拡大し、2026年3月現在、秋田県内40を超える病院・福祉施設から業務委託を受け、一日約7,000食のメディカル給食を提供しています。


なぜ、ホテルがメディカル給食を手掛けるのか。

その背景には、ホテルとして大切にしてきた考え方と、地域への思いがあります。

ホテルで培ったノウハウと姿勢を、地域の暮らしを支える力へ

秋田キャッスルホテルは1970年に開業し、昨年55周年を迎えた老舗ホテルです。

JR秋田駅や都市公園、芸術ホールに近い秋田市中心部に位置し、国内外の賓客を迎えるとともに、地域企業の大切な式典などを担い、「秋田の迎賓館」としてホスピタリティを磨いてきました。



そのなかで培われてきたのが、

地元企業とのネットワークを活かした食材調達力、

大量調理でも品質を落とさない調理技術、

そして何より、相手の立場に立って考え続ける姿勢です。


ホテルの仕事と、医療・福祉の現場。

一見すると異なる分野のように思われがちですが、私たちはそこに共通する価値観があると考えています。


それは、「目の前の一人が、いま何を必要としているのかを想像し続けること」


言葉にされない体調の変化や気持ちを感じ取り、先回りして行動する。

その姿勢は、ホテルで大切にしてきたホスピタリティそのものです。


「この力を、今度は地域の暮らしを支えるために活かせないか」。

そう考えたことが、メディカル給食事業の出発点でした。


秋田のホテルだからこそできる、秋田の人のためのメディカル給食

メディカル給食を手掛ける企業の多くは、全国展開する給食専門会社です。

一方で、私たちのように地元のホテルが大規模に担っているケースは多くありません

その特性こそが、私たちの強みになっています。

秋田の暮らしに寄り添う献立づくり

日々の食事で喜ばれる季節の味わいや、地域ならではの味付け。

秋田の行事や暦に合わせた行事食など、地元ホテルだからこそ提供できる「地域の味」を大切にしています。

また、敬老の日などの特別な日には、施設で寿司の実演を行うこともあります。シェフの技術とおもてなしの心を活かし、食事の時間そのものが楽しみになる工夫を重ねています。


毎日の食事から季節感や行事の楽しさを届け、見た目でも食欲増進を図っている

一口でも多く召し上がっていただくためのホテル品質

ホテルでのシェフ経験を持つ調理指導員が在籍し、各施設を巡回。

味付けや盛り付け、調理工程に至るまで細やかな指導を行い、品質の均一化と向上に努めています。

私たちが大切にしているのは、料理の技術だけではありません。

体調や年齢によって食事の感じ方が変わるからこそ、「どうすれば無理なく、気持ちよく召し上がっていただけるか」を考え続けること。

その姿勢は、ホテルでお客様一人ひとりと向き合ってきた経験と重なっています。


嚥下障害の人向けにつくった舌で押しつぶせる硬さの寿司

災害時にも食を止めない体制

病院や福祉施設の食事は、非常時であっても欠かすことのできない、命を支えるライフラインです。止めることのできない「食」を支えるために、私たちは地元ホテルとしての強みを活かした体制を整えてきました。


自家発電装置を備えたホテルの大規模調理場は、災害時にも調理を継続できる設備を備えています。また、受託施設を秋田県内に限定していることで、道路状況や地域の状況を把握しながら、必要な食事を迅速に届けることが可能です。


2011年の東日本大震災では、停電が続くなか、ホテルの自家発電の灯のもとで約3,500食の食事を用意し、県内の施設へ届けました。

この経験は、私たちがこの事業を「責任ある仕事」として捉える原点となっています。


停電が続くなか、食事を待つ人のために調理を続けた

■セントラルキッチンで、これからも食事を届け続けるために

高齢化率が全国で最も高い秋田県では、2025年7月1日現在、65歳以上人口が約40.3%(約2.5人に1人)という超高齢化社会を迎えています。(※)。


医療・介護の現場におけるメディカル給食のニーズは、今後さらに高まっていくと考えられます。


一方で、人口構造の変化や社会環境の変化により、給食を支える現場にも大きな転換が求められるようになりました。栄養管理や衛生管理など、より高度な専門性が必要とされるなかで、業務のあり方そのものを見直す時期を迎えています。


こうした状況のなかでも、これから先も安定して食事を届け続けるために、秋田キャッスルホテルでは2026年4月にセントラルキッチンを開設します。


既存建物をフルリノベーションして整備する都市型セントラルキッチン


複数施設の食事を一か所で集中的に調理することで、一日最大1万食の製造が可能となり、需要増への対応を図ります。

さらに、調理を集約することで、専門性が必要な業務にしっかりと人の力を活かし、現場ごとの負担を軽減しながら、品質を維持・向上させていくことができます。


「ホテル品質」を守りながら、この事業を継続していく。

それが、セントラルキッチン開設の最大の目的です。


今年1月には、その品質を実際に確かめていただくため、セントラルキッチンで製造する料理の試食会を開催しました。施設の管理者や栄養士の方々にご参加いただき、調理後に急速冷却し、提供前に再加熱するチルド食でも、変わらないおいしさを実感していただきました。


「これなら安心して提供できる」――その声は、私たちにとって大きな確信となりました。ここから、セントラルキッチンは本格稼働へと歩みを進めていきます。


当社の調理師・栄養士が実際に提供し、クックチル方式への理解を深めた試食会

■食のインフラとして、地域を支え続けるために

入院患者様や施設入所者様が召し上がる、365日の3食。

それは日々の楽しみであると同時に、命を支える欠かすことのできない存在です。


ホテルで大切にしてきた「相手を思い、想像し、寄り添う」という姿勢は、医療・福祉の現場においても、変わらず必要とされるものだと私たちは考えています。

高齢化が進む秋田県において、メディカル給食事業は「食のインフラ」としての役割を担っています。

私たちはその責任を自覚し、これからも地域に必要とされる食事を、必要なかたちで届け続けるために挑戦を続けていきます。


■セントラルキッチン開設のプレスリリースはこちら

https://www.castle-hotel.jp/newsrelease/newsrelease-139023/


■本件に係る取材のお申し込み先

TEL.018-834-1141(代表)/秋田キャッスルホテル 経営企画部 加藤いづみ


(※)出典:内閣府「令和7年版 高齢社会白書」、秋田県「令和7年度老人月間関係資料」




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