オリンピックの熱戦に続き6日夜、ミラノ・コルティナパラリンピックが開幕します。
その幕開けとなる開会式の参加を巡り、今ボイコットが相次ぐという異例の事態となっています。
開会式は現地時間6日にイタリア北部のベローナで行われますが、ウクライナへの侵攻を続けるロシアと同盟国のベラルーシが今回、パラリンピックでは国の代表として出場が認められることになりました。
それに対して一部の国が反発し、開会式をボイコットする動きが広がっています。
どういった国がボイコットを表明しているかといいますと、今回の決定に反発しているウクライナのほか、チェコ、エストニア、フィンランド、オランダ、ラトビア、リトアニアそしてポーランドとヨーロッパ各国に広がっています。
さらにドイツも抗議していて、映像のみでの開会式の参加を表明しています。
青井実キャスター:
この前のオリンピックとは少し様相が違う状況ですが、国としての判断ですが選手たちがどういった思いなのかも気になりますし、こうした問題が起きているのになぜ今回はということですね。
数日前まで行われていたオリンピックでは対応が違いました。
というのもオリンピックはウクライナへの侵攻を支持しないとの判断から、ロシアやベラルーシの選手は中立の選手として個人資格で参加が認められていました。
そして今回のパラリンピックではどうなるかといいますと、一部の競技で国の代表として参加が認められています。
なぜ、このように対応が違うのかといいますと主催が異なります。
オリンピックはIOC(国際オリンピック委員会)、パラリンピックはIPC(国際パラリンピック委員会)が主催ということで、別の団体が主催しているため対応が分かれたということです。
オリンピックアナリストで元JOC(日本オリンピック委員会)参事の春日良一さんは今回の決定について、「IOCと違いIPCは国内パラリンピック委員会などの加盟団体によって構成されている。ロシアの選手らに共感する加盟団体もあり、政治的な傾向が入ってくる可能性が高い団体だ」と指摘しています。
さらに「国・政治を越えて集まる選手たちの平和の祭典という像が崩れて、パラリンピックにおける分裂を助長する動きになると危惧している」と春日さんはおっしゃっています。
青井実キャスター:
ロシアの選手に共感する加盟団体もあるからこそ、IPCではこういう状況になっているわけですが、どうご覧になりますか?
SPキャスター・中村竜太郎氏:
選手には相当の動揺があると思います、競技に集中できないとか。選手の立場を考えると複雑な決定だといえるんです。あとロシアの選手が出場する時にどんな応援になるのか、そういったことも気になりますし、平和の祭典が揺るぎかねない状況になったら残念ですよね。
一方、ウクライナ選手団を巡っては、IPC(国際パラリンピック委員会)は5日の会見で、ウクライナの地図などがデザインされた公式ユニホームが、政治的でIPC規定に抵触するため別のものを使うよう指示していたことを明らかにしています。
青井実キャスター:
オリンピックでスケルトン男子のウクライナの選手が犠牲者の写真を付けたヘルメットを使おうとして失格になったわけですが、ウクライナ選手団が今後パラリンピックでどういった対応を取るのかですね。
SPキャスター・中村竜太郎氏:
まず、スポーツに政治的パフォーマンスを取り入れてはいけないというのはありますけれども、スポーツが安心して見られるのはフェアな状況で戦っているからじゃないですか。今回、ウクライナ選手団の気持ちも分からなくもないんですが、やっぱりスポーツの場ということをちゃんとおのおの考えてほしいと思います。
そして、イラン情勢です。
パラリンピックの開幕を控えていますが、こうした国からも選手は出場するわけです。
春日さんは「政治的な表現をするようになると、オリンピックやパラリンピックが戦争・戦場になってしまう」と指摘しています。
「平和の祭典」といわれるオリンピック・パラリンピックですが、皮肉なことに開催されるたびに世界では紛争や分断が起きていると改めて理解する場になっています。