小学生のSNS被害が過去最多になっている。裸の写真を巡る性的脅迫「セクストーション」の巧妙な罠から子供を救うには?実話を基にした絵本を通じ、一人で悩む少年の心情と、大人が伝えるべき大切な言葉を綴ります。

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 2月から3月にかけては、国のサイバーセキュリティ月間にあたる。インターネットやSNS利用が日常化する中、これらをきっかけとした事件や犯罪に巻き込まれる子どもたちの被害が深刻化している。2025年には、SNSでのやりとりを契機とした18歳未満の被害者が全国で1,566人に上り、6年ぶりに増加した。特に小学生の被害は前年比で約2割増え、過去10年間で最も多くなっている。子どもたちが被害者にも加害者にもならないよう、SNSとの健全な向き合い方を大人たちが共に考える時期に来ている。

SNS被害、実態と対策

宮崎北高校で、卒業を控えた3年生を対象にサイバー犯罪についての出前講座が行われた。

 宮崎県警サイバー戦略局の担当者は高校生に「インターネット上の犯罪に関心を持ってもらいたい。インターネットやSNSでの犯罪が非常に増えている」と語った。講座では、まず具体的な犯罪の事例を示し、加害者にも被害者にもならないよう呼びかけた。

 宮崎県警サイバー戦略局 阿部竜也理事官
県警に実際に寄せられた事例として、SNSで知り合った見知らぬ相手に裸の写真を送信して脅迫や金銭の要求を受ける事例や、サイト閲覧中に突然『登録完了しました』とポップアップが表示され金銭を要求される事例がある。

 また、誹謗中傷やいじめ、アカウントの乗っ取りなど、SNSのトラブルは加害者と被害者が学校の同級生など、身近で起きているケースも多いという。

講座に参加した高校生からは「SNSの犯罪などを聞き、衝撃を受けた」「お金に目がくらんで“闇バイト”などに手を出すと大変なことになることが分かったので、気を付けていく」といった声が上がった。

 阿部理事官は「最も重要なのは、子どもが不審に思ったときにすぐに相談できる環境にあることだ。早く相談してもらうことで、問題の早期解決につながる」と強調した。

「セクストーション」の脅威

宮崎市でIT子育てナビゲーターとして活動する中島晴美さんに話を聞いた。

 母親の立場から、小学生や中高生がSNSなどを使う際に気を付けてほしいことをブログなどで分かりやすく発信している。

 中島さんは「子どもたちからダイレクトメッセージで相談が寄せられることが多いが、その中で特に多いのが“セクストーション詐欺”(性的脅迫)に関するものだ。具体的には、裸の写真を相手に送ってしまい、それによって金銭を要求されたという相談だ」と明かす。

 中島さんは、“セクストーション”の実態を知ってもらおうと、中学生の男の子がアプリで知り合った人物に裸の写真を撮影され、金銭を要求された実話を基に絵本を制作した。

絵本には、被害に遭った男の子の心情が描かれている。

 「ある夜、相手の画面の雰囲気が変わったいつもとちがう。ちょっと、どきどきした。『だいじょうぶだよ』そういわれて、ぼくは迷ったぼくは、誰にも言えなかったこわくて、恥ずかしくて、眠れなかった。『僕が悪かったんだ』何度も、そう思った。」

絵本では、困ったときは一人で悩まず、誰かに相談する大切さを伝えている。

 「次の日、思い切って話した声はふるえていたけど、大人はちゃんと聞いてくれた。『それは犯罪だよ』『あなたは悪くない』そういわれて、少しだけ息ができた。」

他人任せにしない連携を

日本では、SNS上の不適切な投稿に対して、事業者が規制や削除をして対応している。しかし中島さんは、規制をかいくぐったより悪質なサイトに誘導されるリスクを指摘する。

 IT子育てナビゲーター 中島晴美さん:
保護者の観点からすれば、子どもが目にする前に削除されるため安心だと感じるかもしれないが、“裏サイト”に誘導されるリスクがある。保護者としては、事業者任せや学校任せにするのではなく、関心を持ち、リスクがあることをしっかり理解しなければならない」と警鐘を鳴らした。

コミュニケーションツールとして、もはや避けて通ることはできないSNS。子どもたちが安心して使える環境を大人が整え、共にその使い方を考えていくことが重要だ。

総務省は、犯罪被害に遭わないために、スマートフォンの「モード設定」や「カスタマイズ機能」を活用して、有害なサイトなどへのアクセスやアプリの利用を制限することを推奨している。そして、各家庭でルールを作り、成長とともに見直していくことが大切だ。

(テレビ宮崎) 

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