2度の延期を経てあす=4日、打ち上げられる予定の「カイロス3号機」。
期待が高まる中、カイロスをきっかけに盛り上がりを見せる「宇宙ビジネス」のイマを取材しました。
■2度の失敗、何度も延期…正念場のスペースワン
【来場者】「えーー!」「何も見られない」
1日、打ち上げ直前に急きょ延期が決まった「カイロス3号機」。
東京のベンチャー企業「スペースワン」が民間企業単独として国内初となる、機体に積んだ人工衛星の宇宙軌道への投入を目指していますが…カイロスの初号機は、打ち上げ直後に爆発。
2号機は高度110kmの「宇宙」にまで到達したものの、異常を検知し飛行中断。
いずれも失敗に終わっていて、今回、正念場を迎えています。
■カイロス搭載の人工衛星を開発したのもベンチャー企業
そんな中、取材班は背水の陣で臨んでいる「宇宙ビジネス」の関係者に話を聞くことができました。
札幌市の宇宙ベンチャー企業「Space Cubics」の森島史仁さん。
カイロス3号機に搭載される人工衛星を開発したメンバーの1人です。
本業は宇宙空間でも使用できるコンピューターの開発で、その技術を活かして、不具合が起きても自動復旧する人工衛星を開発。
これまでに2基完成させ、実はカイロス2号機にも搭載していました。
【Space Cubics・森島史仁さん】「くるくる回っている姿を見て、すごく不安を感じて。軌道投入に至らなかったときはすごく残念だった」
■失敗すれば人工衛星の事業からは撤退…覚悟の挑戦
製作費は1基あたり1300万円以上という現実的な問題も。
国から資金援助も受けていますが、厳しい状況です。
【Space Cubics・森島史仁さん】「我々ベンチャーなので、資金に余裕があるわけではない。これが最後の私たちが作った衛星になるので、私たちにとってはこれが最後のチャンス」
失敗すれば人工衛星の事業からは撤退する覚悟だという森島さん。
想いは、ここまで共に歩んできたスペースワンと同じです。
【Space Cubics・森島史仁さん】「ロケットの振動に耐えなければいけないとか、環境試験とか多々やってきましたし。今までたくさんの調整を一緒にしてきたので、スペースワンさんを信じています。無事に私たちの衛星を軌道まで連れて行ってください!」
■カイロスきっかけで宇宙業界に参入する会社も
取材を進めると、カイロスをきっかけに新規参入した、地元・和歌山の企業の存在も明らかになりました。
和歌山市の「シマファインプレス」は縫製機械の部品を作っていて、ユニクロといった有名アパレル企業の工場でも使われています。
そんな、宇宙とは縁がなさそうな企業が挑戦しているのが…
【シマファインプレス・浦田耕志社長】「いま加工しているのは『探査車』の試作品依頼を受けて製作していまして」
■ビジネスチャンスの広がりは”カイロス”の結果次第
探査車とは、地球以外の天体の表面を移動して調査する小型の探査機のこと。
カイロスをきっかけに和歌山県が始めた”宇宙ビジネス”のイベントで出会った東京の企業から、本業の技術力を見込まれ、今回の依頼を受けたのです。
【シマファインプレス・浦田耕志社長】「和歌山からロケットがたくさん飛ぶようになると、それだけつくるものが増えてきますので、当然チャンスは増えてくる」
広がりを見せる宇宙ビジネス。その鍵を握る「カイロス」の打ち上げは、いよいよ4日に行われる予定です。
(関西テレビ「newsランナー」2026年3月3日放送)