福井県立大学に2026年春、誕生する地域政策学部・地域イノベーション学科。前期日程で7倍、後期日程に至っては定員5人のところ494人が志願し、98.8倍という驚異的な倍率となった。一体、何が受験生をこれほどまでに惹きつけたのか…学部長に話を聞いた。

実践的カリキュラムで地域の課題解決に取り組む人材を育成

地域政策学部の松原宏学部長は、反響について「当初、倍率が上がるかどうか心配していたのですが…蓋を開けてみたら、後期の倍率は信じられないような高い倍率で。前期も7倍という想定していたよりも高い倍率になりました」と、予想を大幅に上回る人気ぶりに驚きを隠さない。

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地域系学部は他の大学にも存在するが、県立大学は全国初の地域イノベーション学科として、3年半の年月をかけてカリキュラムを練り上げた。その特徴は、従来の座学中心の教育から大きく転換した“実践的な学び”にある。

松原宏学部長
松原宏学部長

松原学部長は、「教室の中で先生から授業を一方向的に聞くというよりは、外にフィールドワークに出かけていく。あるいは企業や自治体の方に来ていただいて、その方々から話を聞く」と説明する。そうした中で、地域の課題解決に取り組む人材を育成する。

さらに、国内留学制度も導入しており、首都圏などの大学に半年間留学したり、企業や官公庁などで実習したりすることも可能だ。地域政策学部の学生は、まちづくりに積極的に関わることを目指し、福井駅東口の複合商業施設アオッサにオープンするまちなかキャンパスで学びを深めることになる。

福井らしさを追求した学部新設の戦略

県立大学は昨年度、全国初の「恐竜学部」も新設。国公立大学の平均を大きく上回る高倍率を維持している。

去年、新設された
去年、新設された

松原学部長は人気の秘訣について、「いわば福井の、その地域性を生かした形での学部学科というのを作ってきたわけです」と語る。

少子化による志願者数の減少を背景に、近年、県立大学は“福井らしさ”にこだわった学部の新設に意欲的に取り組んでいる。2022年度には海洋資源学部に養殖を学ぶ学科を新設し、小浜湾の地理的な特性を活かした学びを取り入れた。昨年度の恐竜学部では、日本一の恐竜化石の産地である勝山市で発掘された化石を題材にした学びを提供している。

福井発のイノベーションを全国へ

今回の地域政策学部も、こうした“福井らしさ”を切り口にした文系の新たな学部として設立された。松原学部長は、「福井の地域イノベーションは、全国的に見ても非常にポテンシャルを持ってるので、そこで学びを深めていき、さらにそのイノベーションをまた新たに起こしていくような人材育成を目指したい」とする。

地域の特色を最大限に活用した独自性のある教育プログラムが、全国から注目を集める福井県立大学の取り組みは、地方大学の新たなモデルケースとして今後も注目されそうだ。

福井テレビ
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