25日、参議院本会議で行われた代表質問で、野党側から追及されたのは、高市早苗首相が総選挙後、自らの名前を記した「のし」付きの“カタログギフト”を、自身をのぞく今回の衆院選で当選した全ての自民党議員に配布した事柄についてです。

カタログギフト配布を巡っては、24日に高市首相は自身のSNSで、「政治活動に役立つものを各議員のご判断で選んでいただこうと思い、カタログギフトを差し上げることとしました」と説明。本会議でも、「法律上、問題ない」と強調しました。

高市早苗首相:
私が支部長を務める、奈良県第2選挙区支部の政治資金からの支出となります。政党支部から議員個人への寄付として、法令上も問題はないものと認識を致しております。

政治資金規正法では、個人が公職の候補者の政治活動に関して、寄付を行うことが禁じられていますが、支部を含む政党から公職の候補者への「物品による寄付」は認められています。

「サン!シャイン」は、実際のカタログギフトの画像を入手。
その内容は、カニやフグなどの海鮮食材、アクセサリーやバッグ、温泉施設の宿泊プランなど多種多様な中から選べるようになっていました。

“多くの議員へのプレゼント”で思い出されるのは、2025年に複数の新人議員に10万円の商品券を配ったとして、石破茂前首相が批判を受けて謝罪をした件。
このときは、全ての議員から返却がなされましたが、今回送られた3万円分のカタログギフトはどのような捉え方になるのでしょうか。

一方で、高市首相の周辺からは、「商品券はお金そのものだが、カタログギフトは違う」「法律にのっとって行われたものだ」「石破さんの時はポケットマネーで商品券。今回は政党支部からのカタログギフトだから性質が違う」という声も挙がっているといいます。
自民党内に“慣例”は?杉村太蔵氏「もらった記憶ない」
谷原章介キャスター:
たしか石破さんの時は10万円の商品券が大きな問題になりまして、全員が返却した。その後でなぜ今回、しかも全員に3万円ずつ配ったんでしょうかね。

佐々木恭子キャスター:
カタログギフトだからということもあるのでしょうか…。
谷原章介キャスター:
でもそれってある意味形を変えただけであって、本質的にやっていることは一緒だったりするじゃないですか。杉村太蔵さんが国会議員になったときに、こういうお祝いを出すような慣習・慣例みたいなものが、自民党の中にはあったんですか?

元衆議院議員 杉村太蔵氏:
「記憶にございません」。いやいや、そんなことはないんですけど、(自分が自民党から出馬した)当時は小泉さんだったのですが、小泉さんから何かもらったということは、全く記憶にないですね。
安倍さん、福田さん、麻生さんとお仕えしましたが、僕の時に総理から何かもらったということはないですし、僕は結婚して子どもも授かりましたが、結婚祝いや出産祝いなど個人的なお祝いは、仲の良い先輩からいただいたことはありましたけど…。こういう「カタログギフト」というのは、日本の政治史上始めて登場したと思いますね。
谷原章介キャスター:
伝統ってワケではないと?
杉村太蔵氏:
先輩議員が後輩議員に何か送るというのは、あるのではないかなと思います。

谷原章介キャスター:
でも個人的なお祝い事でしょ?なら例えば、初めて当選した人に先輩が「おめでとう」ってプレゼントで何かあげるのが慣例なわけではない?
杉村太蔵氏:
当選……ただ僕の場合、無派閥だったんです。ひょっとしたら派閥に入っている方々は分かりませんけども。
「政党支部として政治資金の使い方として、適切か否か」
SNSでも答弁でも、「法律上、問題はない」ということを繰り返し主張した高市首相。

実際に問題はないのか、「政治とカネ」問題に詳しい法政大学大学院教授の白鳥浩氏に話を聞くと、現時点で「法律に違反しているとは言い切れない」としながらも、反発を招くのは避けられないといいます。

法政大学大学院 白鳥浩教授:
これは現状、金銭でもないですし、直接的に有価証券とはいいがたいというところで、すぐに法律に違反していると言い切れないところがあると解釈できると思います。
ただ一方で、国民が今物価高で苦しんでいて、そういった中で「政治とカネの問題はもう終わったんだ」「3万円のカタログギフト送ってもいいんだ」みたいな形になることは、やはり反発を招くのではないかなと。

高市首相は、あくまでも自身が支部長を務める奈良県第2選挙区支部からのもので、個人からのものではないとしていますが、送られたカタログギフトについた「のし」には、「高市早苗」の文字が書かれていたといいます。

岩田明子氏:
ここは、個人の名前より「支部長」という方が良かったのですが、支部長だけだと誰から来たか分からないので、「支部長・高市早苗」の方が良かったなと思います。政府高官に聞いたところ、「使っているのは政党支部で、便宜上名前は書かれているが問題ない」という考えでした。
厳しい中、良く勝ち抜いてくれました、頑張ってくれましたというねぎらいの気持ちだとは思うのですが、新人議員に配るなら分かるのですが、自分よりも当選回数の多い先輩にまで送ったのは…同じ品だし。その辺りはちょっとどうなのかなとは思いますけども。
杉村太蔵氏:
僕が確認したいのは、“個人的なねぎらいの気持ち”をカタログギフトとして送ると。これは、お金は“政党支部の政治資金”から出されている。これは、自民党・奈良県第2選挙区支部の政治資金はどう使われるかと言ったら、その政党支部の党勢拡大、政策立案のために使われなきゃいけませんよと。
で、今回麻生さんにカタログギフトを贈ることは、果たして政党支部として政治資金の使い方として、適切なのかというのは、ちょっと…そこはよく確認したいんです。

法政大学大学院 白鳥浩教授:
おっしゃるとおりで、ちょっとこれは政治活動と言えるのかどうかというところは、問題があるのではないかと思うんです。
ひとつは、高市さんはおそらく法制局に聞いて、法律に抵触していないような答弁を考えた、だから(送り主は)自分ではない、選挙区支部から送った物だということにしている。しかも、金銭でもない有価証券でもない、カタログギフトだということにしたとなっていますが、私はそれで本当にねぎらいの気持ちになっているのか。あとは、これが本当に政治活動なのかという所には少し議論があると思います。

杉村太蔵氏:
なぜ自民党は、去年の石破さんのことを教訓として残らなかったのかなと。
岩田明子氏:
ですから、去年の石破さんのことを教訓として、今回は有価証券とか、金銭ではない…。

谷原章介キャスター:
そこはポイントではなくて、現金だろうが有価証券だろうが、物だろうが、やっている行為としてはある程度価値があるものを渡すというのは、一緒じゃないですか。
それを、「有価証券ではないから法律に触れない、だからやってもいいんだ」とか、「政党支部もしくは政治団体からだから個人ではないからやっていいんだ」というのを、こちらから見ると、単に抜け道を探しているだけの話で、本質的にはやっていることは変わらないようにしか見えないんです。

岩田明子氏:
自民党が野党になったときにかなり党改革をやりまして、今回も政党交付金の使途を厳格化してコンプライアンスを厳しくしているのも党改革の一環だったんですが、来年から政党から議員へもだめになりますので、どんどんできなくはなってきています。

法政大学大学院 白鳥浩教授:
本来これは個人がやってはいけないわけですから、じゃあ私の支部でというのは、支部ももう「自分の財布」にしちゃっているのと同じになってくるわけで。
谷原章介キャスター:
基本ぼくだって、お付き合いで皆さんにお祝いでとあげることはありますから、あげることがダメだとは思わないんです。だったら、政党支部や団体はよしで個人はダメみたいな、分かりにくいことをやめて、両方ともダメにしてほしいですね。
ただ、今の時点では問題はなくても、来年1月以降は個人から個人も、政党支部から政治家へもだめになるということで、より透明性が高まると思っていいんですか?
法政大学大学院 白鳥浩教授:
そうですね、ちょっとずつ、一歩ずつしか進んでいかないものですから。透明性を高めていく必要があると思います。
(「サン!シャイン」 2月26日放送)
