30年に1度とも言われるほど雨の少ない状態が続く中、水不足を防ごうと、海水を淡水に変える福岡市の施設がフル稼働しています。


◆福岡市 高島市長(2月2日の会見)
「仮に今後も、雨が長く降らないような状況が続いたという場合は、過去に経験をした2度の大渇水のように、給水制限に至る可能性もあるわけです」

去年9月から続く記録的な少雨。

県内にある主要な21のダムの平均貯水率は24日からの雨でも大幅な改善には至らず、25日時点で36.6%と、2019年以来という40%を切る状態が続いています。

このまま雨の少ない状態が続けば、1994年の「平成の大渇水」で福岡市が実に295日間行った給水制限も現実味を帯びてきます。

そんな中、福岡市東区の海の中道大橋を渡った先に『水不足の救世主』とも言える施設があります。

◆記者リポート
「こちら『まみずピア』とあります。その正式名称は海水淡水化センター。その名の通り、海水を淡水に変える施設なんです」

2005年に運用を始めた海水淡水化センター、通称「まみずピア」です。

◆海水淡水化センター 広川憲二 所長
「福岡都市圏はもともと大きな川がなくて、陸地での水の確保はこれ以上できないということで、もう海水から水を取り出すしかない、ということでこの施設ができました」

敷地面積は東京ドームとほぼ同じの約4万6000平方メートルと、国内に数十カ所ある淡水化施設の中でも最大です。

では、どうやって、海水を真水に変えているのでしょうか?

◆海水淡水化センター 広川憲二 所長
「まず、玄界灘から海水を引き入れて、いったん水槽に入れます。緑色の設備が並んでいますが、こちらが高圧ポンプで8メガパスカルという水道の蛇口の20倍ほどの圧力にして、高圧RO膜と呼んでいる膜の方に送ります」

◆海水淡水化センター 広川憲二 所長
「その膜の中で、高い圧力の海水が入って、真水と塩分濃度の濃い海水に分かれて出てきます」

真水しか通さない特殊なストロー状の膜が入った装置に海水を高圧で流すことで真水を取り出すことができます。

一方、残った塩分濃度の高い海水は、下水の処理水と混ぜて海に戻しています。

◆記者リポート
「こちらが海水からできた水です。無色透明です。いただきます。塩辛さもなく、水道水となんら変わらない味です」

取り出した真水は福岡市の東部や古賀市、福津市など5つのエリアに供給されています。

冬場の生産量は通常1日1万から2万トンということですが、水不足の現在は24時間体制のフル稼働で3万トンを生産しているといいます。

約15万人分の1日の使用量に相当する量です。

◆海水淡水化センター 広川憲二 所長
「ちょっと遅らせてもいい整備は渇水が終わってから、というような調整をして、11月の後半からフル運転をずっと続けているという状況」

Q.いつまでフル稼働の見通し?
「今、ダムの貯水の状況が非常に厳しく、見通しはなかなか立たないですね」

水不足をめぐっては、特に状況が悪化している筑後川水系の主要6ダムの貯水率が25日、ついに10%を割って9.9%になりました。

今後も雨の予想はありますが、引き続き節水を心がけましょう。

テレビ西日本
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