一枚の写真から街を再発見する「兵動大樹の今昔さんぽ」。
今回は大阪市天王寺区のJR玉造駅前からスタートです。
東成区や中央区が入り組むこのエリアで、兵動大樹さんに渡されたのは、1964年(昭和39年)に撮影された1枚の古い写真でした。
写真には、大勢の人々が合唱している様子が写っています。そして背後には女性の石像と十字架が。
【兵動大樹さん】「なにかを歌ってる合唱なんですかね?(歌詞が書かれた冊子を)忘れて、横見てんねんこの方。おもろい。そして奥の像ですね、教会系?マリア様なのか」
写真の風景は見つかるのでしょうか。
■兵動さん、無茶ぶりに焦る
教会系の施設で撮影されたものと予想した兵動さんは、早速玉造の街で聞き込みを開始します。
早速出会ったのは、日本語を勉強している中国からの留学生。
アニメがきっかけで日本に興味を持ったということで、「名探偵コナン」や「ドラえもん」などが好きなのだそうです。
そこにスタッフが「ドラえもんのモノマネが上手」と無茶ぶり!
【兵動大樹さん】「ぼくドラえもん。最悪やな!誰が得してん」
モノマネのクオリティはいかほどのものか分かりませんが、留学生たちは爆笑。
日本の「気を遣う」という文化をしっかり学んでいると感心した兵動さんでした。
■道中で見つけた”関東煮”で温まる
その後、地元の方から「玉造に教会はある」という有力な情報が!
さらに歩くと、55年続く関東煮(かんとだき)の老舗「関東煮きくや」を発見します。
元々1971年にうどん店として始まりましたが、うどんと一緒に提供していた関東煮がいつの間にかメインに。29種類もの具材を、継ぎ足しの鶏ガラ出汁で煮込んでいます。
【兵動大樹さん】「熱くてうまい。大根も絶妙。柔らかすぎない」
鯨の皮を揚げて乾燥させた希少部位「ころ」も絶品で、店主によると「原価終わってます」とのこと。
体が温まったところで、店主から「城星学園」という決定的なヒントをもらいます。
■真田幸村ゆかりの理由は…
教えてもらった「城星学園」は少し離れたところにあるそうで、真田山の方へ進むと、立派な鳥居が見えてきました。
ここは「真田幸村」ゆかりの三光神社で、境内には真田幸村公の像があり、近くには洞窟のような穴が。
宮司さんに話を聞くと、真田幸村が大阪冬の陣の際に作ったとされる抜け穴だといいます。
【宮司・小田則弥さん】「僕ら生まれる前からあって、なにがなんだか分からなかった。すぐそこの地名が『空堀町』なんですよ。その向こう側は、大阪城内やったんですよ」
真田幸村が大阪城への連絡網として使っていた可能性がある抜け穴です。
このあたりには、大阪冬の陣の際、真田幸村が大阪城を守るために造った「真田丸」という出城があると言われています。
■玉造にはキリスト教の学校がたくさん
【兵動大樹さん】「うわ、狭いな。もう行き止まりですわ」
抜け穴は現在途中で崩落していますが、かつてはもっと深く続いていた可能性があるとのこと。
真田幸村がここを通ったかもしれないと思うと、歴史のロマンを感じます。
そして宮司さんに写真を見せると、新たなヒントが。
玉造周辺には、城星学園のほかに明星高校、大阪女学院と、キリスト教系の学校が3つもあるというのです。
まずは、最も近い明星高校へ向かいます。明治時代に創設された中高一貫の男子校で、高校野球での優勝経験もある名門校です。
副校長の上畑先生に写真を見せると、即座に答えが返ってきました。
【上畑先生】「分かります。いや、これ分からへんかったらね、私ここの学校おれないです」
【兵動大樹さん】「言葉軽いんすけど大丈夫ですか?」
【上畑先生】「いや、分からへん。元々軽いんで」
写真の場所はカトリック玉造教会。そして背後の石像は、明智光秀の娘で細川忠興の妻・細川ガラシャだというのです。
■ついに発見!細川ガラシャ像があるワケは
坂道を上り、広大な敷地の大阪女学院を抜けると…
【兵動大樹さん】「あ、大聖堂出てきた!聖マリア大聖堂、カトリック玉造教会やって」
確かに、細川ガラシャの石像がありました。写真と照らし合わせると、背後の窓の形や壁の雰囲気が一致します。
教会の担当者に話を聞くと、正式名称は「大阪高松カテドラル聖マリア大聖堂」。1963年(昭和38年)に建てられ、翌年の1964年に今回の写真が撮影されたことになります。
ここに細川ガラシャの像がある理由は、この周辺がかつて細川忠興の屋敷跡で、細川ガラシャは信仰を守り、ここで最期を遂げたからだといいます。
また、玉造にキリスト教系の学校が集中している理由についても教えてもらいました。
玉造で初めて教会ができたのが1894年。その少し前の1893年ごろに、「ヨゼフ知育院」という子どもたちの教育・医療をするような場所が建てられたのが一因かもしれないということですが、詳しい理由は不明だそうです。
■教会に「万博レガシー」が!
ちなみに、この教会には大阪・関西万博の名残があるのです。
【教会の担当者】「イタリアのパビリオンが1週間ごとに各州の展示物をしてたんですけど、そのときにモリーゼ州というところが7月6日から12日までこの鐘を飾っていて、万博のときはこれを鳴らすために5時間とか並ぶ人もいたって聞いてたので」
鐘は万博で1週間展示された後、教会に寄贈され、今も大切に保管されています。
【兵動大樹さん】「真田丸があって、カトリック系の学校もたくさんあって、ものすごく大きい教会もあるという玉造。すごく魅力的な場所でございます。さあ、寒なってきたからおでん行こうか。また行くんかい」
真田幸村ゆかりの真田山、そしてキリスト教の歴史が色濃く残る玉造。一枚の写真から、この街の知られざる魅力が次々と明らかになりました。
(関西テレビ「newsランナー 兵動大樹の今昔さんぽ」2026年2月13日放送)