4月1日から自転車の悪質な交通違反に反則金が科される、いわゆる「青切符」が導入されます。

「なんとなく聞いたことはあるけれど…」という方も多いこのニュース。実は、対象となる違反行為は全部で113種類もあるのをご存じでしょうか。

例えば、スマホを見たり通話したりしながらの「ながらスマホ運転」。これには1万2000円が科されます。

街の人からも「覚えられない」「もう自転車に乗らない」と困惑の声が上がる中、関西テレビの秦令欧奈アナウンサーが、大阪・梅田の交差点で“ガチンコ調査”を敢行しました。

平日の朝8から4時間の調査で、いったいいくら分の「反則金が科される行為」が見つかったのでしょうか。

■「原則左側通行」の自転車で右側走行したら“反則金6000円”

最近、一日警察署長を務めた秦アナウンサー。桃山学院大学・河野敏也教授とともに調査を開始しました。

さっそく見つけた“違反車両”は車道の右側を走っていました。本来、自転車は左側通行が原則です。

【秦令欧奈アナウンサー】「あちら奥から来られる方、逆走に当たりますよね。ちなみにいくらの違反になるんですか?」
【河野教授】「通行区分違反で6000円ということになります」
【秦令欧奈アナウンサー】「6000円! そして信号が赤の状態で渡っているので信号無視になると。ですから逆走、信号無視…」
【河野教授】「両方6000円」
【秦令欧奈アナウンサー】「合わせて1万2000円、あの一瞬でですか…」

今回の調査で特に多くみられた違反行為のうちの1つが、この「通行区分違反」。

「原則左側通行」のルールが浸透していないのか、右側を走る、逆走の自転車は今回の調査で25件も見つかりました。

“反則金”が科されるとすると、あわせて15万円にも上ります。

■友達とのおしゃべりも「青切符」の対象に? 「並走」の代償

調査を進める中で、秦アナが気になったのは、並んで走る2人組の自転車です。

【秦令欧奈アナウンサー】「今、並んで走っている方、あれはどうなんですか?」
【河野教授】「並走に当たりますね」
【秦令欧奈アナウンサー】「あれ、ダメなんですか? おいくらなんですか?」
【河野教授】「3000円です」
【秦令欧奈アナウンサー】「1人3000円ですか? ですから合わせて6000円になるということですよね」

おしゃべりに夢中で前が見えなくなったり、車道に膨らんだりして危険なため、並走は立派な違反です。

実際に並走していた人に秦アナが話して聞いてみました。

【秦令欧奈アナウンサー】「並走しながら走ると1人3000円ずつ反則金取られてしまうのご存じでした? 3000円って額どうですか?」
【並走していた人】「まぁまぁ大変っすね」
【秦令欧奈アナウンサー】「4月からやめようと思いますか?」
【並走していた人】「まぁそうっすね」

そう言い残し、再び並んで走り去っていきました。

■見落としがちな標識「進入禁止」は「自転車を除く」あれば通行可能も

街中には、知らず知らずのうちに違反してしまう恐れもあります。例えば「進入禁止」の標識。

「自転車を除く」という補助標識があれば通れますが、それがない場所に入ってしまうと…。

【河野教授】「こちら5000円の反則金になります」
【秦令欧奈アナウンサー】「それでも5000円取られる。基本的に標識を見るっていうのは意識した方がいい?」
【河野教授】「自転車を運転する際には道路標識を確認する必要があります」

■「幼児用シートに乗せていいのは小学生未満」“意外”な違反も

さらに、子育て世代にとって要注意のことが。自転車の後部につける幼児用シートに乗せていいのは「小学生未満の幼児」なのです。

【秦令欧奈アナウンサー】「小学生以上が乗ると反則金を取られてしまうんですか?おいくらですか?」
【河野教授】「そうですね。3000円です」

小学生以上の子供を乗せると、重量によってはバランスが崩れて事故や危険が生じる恐れがあるため、違反行為に。

「軽車両積載重量違反」に当たる可能性があります。

小学生の子供を持つ母親からは「あれはちょっと困るかな。小学1年生でも習い事とか、どうしても乗らないといけない距離を子供1人で自転車に乗せる方が怖い」と、悩ましい声が聞かれました。

■最多違反は「イヤホン装着走行」! 4時間での総額は…「20万円超」

そして、今回の調査で最も多く見つかった違反が「イヤホン装着」です。

【秦令欧奈アナウンサー】「あちらの方、イヤホンをつけて走っていらっしゃいますね。ここもイヤホンしながら。この10秒でイヤホンつけている方、3人いらっしゃいましたね」

イヤホンをして周囲の音が聞こえない状態での運転は、サイレンやクラクションなどが聞こえず、重大事故を起こす危険性があるため違反となり、反則金は5000円です。

4時間でなんと41件見つかり、“反則金”が科されるとすると、あわせて20万5000円となります。

【秦令欧奈アナウンサー】「片耳だったら大丈夫とかあります?」
【河野教授】「一応、耳が聞こえる状態ならいいんですけど、めちゃくちゃ大きい音で何も聞こえない状態になるとアウトになっちゃう」

河野教授によると、片耳のみの装着や骨伝導型やオープンイヤー型など、完全に耳をふさがず、音が聞こえる場合は違反にならないそうです。

■4時間の調査で違反は102件 全てに反則金適用なら「総額68万2000円」

耳をふさぐイヤホンをしながら運転していた人に話を聞くと、「移動時間は暇なんで。音楽聞いていた方が楽しくなるかな」との答え。

別のイヤホンをしていた人は、秦アナが「高額を取られても?」と聞くと、「今ので取られたら仕方ないですよね。嫌ですけど、不注意ですもん私の」と語りました。

今回の4時間の調査で見つかった違反行為は、なんと合計102件。

もしこれら全てに反則金が適用された場合、その総額は68万2000円にも上りました。

高額な反則金を科されないように、何より事故を起こす前に。4月からの新ルールを今のうちに確認しておいた方が良さそうです。

■街の人からは「混乱」意見も 自転車事故の危険性を京大・藤井教授が訴え

今回の取材を通じて、街の人からは混乱する意見も聞こえてきたということです。

【秦アナウンサー】「街のお母さんに話を聞くと『子供に自分が教えるためには、113個の違反行為を覚えていないといけない。なかなか難しいので小学校で教えて欲しい』と。周知の部分で不満がある方はいらっしゃいました」

一方、京都大学大学院の藤井聡教授は、自転車の危険な走行で高齢者や幼い子供が命を失うこともあると、その重大さを指摘しました。

【藤井教授】「今回こうなった背景には、自転車と歩行者の事故があって。これまで看過されてきたものが、だんだん増えてきたために、自転車の人の責任も明確化しようということで、この制度ができ上がったわけです。

まずはそこをしっかり教えつつ、『自転車の方には責任があるんですよ。あなたが事故を起こすと、おじいちゃん・おばあちゃんや小さい子が亡くなってしまうことだってあるんですよ』という枕詞のもと、教えてもらいたいですよね」

(関西テレビ「newsランナー」2026年2月20日放送)

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